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中学の時の部活の厳しさが本当に異常だった話


中学の時、僕はバスケ部に入りました。

スラムダンクに憧れて。それだけの理由だったから、僕は知らなかったのです。この部活が学校で、いや地域で一番厳しい部活だったことを、、、。

まず、放課後が休みなのは水曜だけ。月火木金は18時半まで部活。

土日は練習試合で遠征。もしくは午前中か午後に体育館で練習。最悪だと一日中練習。

そして、木曜以外は、朝練がある。普通の生徒より一時間半早く登校。

なので、実質、基本的に、1日たりとも休みなし。正気?

人生やり直せるなら絶対入らないけど、4月の時点でチームメイトと仲良くなっちゃったから辞めるに辞めれなくなっちゃったんですよね、、、。本当に時間拘束が異常でした。全国大会でるレベルならともかく、都大会2回戦くらいのレベルの公立中学校なのに。

とにかく吉田鋼太郎みたいなオジサン先生がスパルタもスパルタで、外練の時に運動靴のカカトを踏んでいただけで1週間練習に参加させてもらえずに体育館の隅で声出しだけやらされたり、疲労で話を聞けていなかったら作戦板で頭を殴られたり、電車で座るの禁止、エスカレーター使うの禁止、マクドナルド禁止、もう無茶苦茶、昭和も昭和でした。平成の話なんですけどね。

中でも一番しんどかったのが、水分休憩の少なさ! 水ばかり飲んでいたら身体が強くならないと、練習中に水を飲んでいいのは、2〜3時間に1回だけ。真夏日だろうが湿度激高だろうがお構いなし。毎日、喉はカラカラで、倒れると思いながら汗まみれで灼熱の体育館を走り続けていました。

しかしある夏休みの練習日、急に先生の声が優しくなって、水分休憩を1時間に1度、こまめに設けてくれるようになりました。ちょっと喉が乾いているだけで、すぐに潤せるアクエリアスの甘み。これなら元気に熱心に部活を頑張れる!

その部活の終わりの反省会。部員全員に囲まれた先生が、神妙な声でいいました。

「昨日、先生は、勉強のために強豪校の練習を見学していました」

確かに昨日の練習はコーチしかいませんでした。

「そこで先生は、ひとりの生徒の死を見ました」

生徒たちがざわつきます。死んだ、、、?

「熱中症でした。突然倒れて、身体を冷やしたり、水分を飲ませても、意識が戻ることはありませんでした」

先生は、涙を流して言いました。

「危険を感じたので、私の思いとは違いますが、今日は水分休憩をこまめにとるべきだと考え、実行しました」

そうだったのか、、、。道理で、今日の先生が優しかったわけだ。部員たちは、その亡くなった学校の生徒に思いを馳せ、その生徒の分も部活を頑張ることを誓うのでした。


翌日。


「オラへばるな!走れ!今のボールとれたぞ!絶対にとれた!諦めるな!気持ちで負けるな!負けたらダメなんだ!もっと腰を落とせ!膝が痛かろうが関係ない!喰らいつけ!闘志だ!走れ!」


昨日とはうって変わって、いつも通りの先生がいました。

当然、水分休憩も2〜3時間に1回に戻っていました。

人が死んでも一日しか練習方法変わらないのか、、、。


意見など言えるはずもない部員たちは全員で震え上がったのでした、、、。



それでも都大会初戦敗退で引退




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