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思春期の内気な少女の真実! 映画「エイス・グレード 世界でいちばんクールな私へ」

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 アマゾンプライムビデオで映画「エイス・グレード 世界でいちばんクールな私へ」を鑑賞。
 日本では昨年公開された作品。
 本当は映画館で観たかったのだが、上映している映画館が少なかったため見逃してしまっていた。
 アメリカでは当初4館からの上映だったが、口コミで1084館まで拡大上映されたらしい。
 その後、数々の映画賞を受賞。
 日本では話題にならなかったが、こういう映画を観ないわけにはいかない。

Story

 エイス・グレード(8年生)とは、アメリカの小中学校の最終学年。
 8年生でもうすぐ中学を卒業するケイラ。
 ケイラの家庭はケイラが幼い頃に母親が出て行ってしまったらしく、父親と二人暮らし。
 超内気で、コミュニケーションがド下手。
 なかなか友達ができない。
 ところが家では人生を語る動画を毎日作成してYoutubeにアップしている。
 人とはしゃべれないのに、カメラの前では饒舌となり本来の自分を表現できる。
 しかし、アクセス数は全く伸びない。
 理想の自分と現実の自分に悩む日々。
 何とか自分を変えていこうと勇気を出して「行動」していく。

自分の中のケイラに共鳴する!

 思春期の少女をリアルに描いている本作品。
 しかし、ケイラの内気でウジウジした感情は、きっと誰の心の中にもある。
 だからこそ、私のようなオジサンでもケイラに感情移入していく。
 ケイラが偉いのは、動画を作ることを通じて、自分を客観視しているところ。
 自分を変えるには何が足りないのか、何をすればいいのか。
 それを自分自身に語りかけるようにカメラに向かってしゃべる。
 映画の冒頭にケイラの動画が流れ、「自分らしさ」の重要性を語る。

 自分らしく生きるには、人に合わせないこと。
 学校一の人気者になっても、超イケメンの彼氏ができても、人に合わせて自分らしさを失っては意味が無い。
 ただし、人に合わせないで生きるということは大変。
 笑われたり、バカにされたりする。
 それでも、そんな嘲笑は気にせず無視していこう。

 これってアドラー心理学じゃん。
 幸せになるには勇気が必要であり、その勇気とは「嫌われる勇気」。

 ケイラは少しづつではあるが、行動を変化させ、自己成長し、卒業式の日には学校一の人気者女子に、はっきりものを言うまでに至る。

 この映画で個人的に最も印象に残ったのが、ケイラとケイラの父親が二人きりで語り合うシーン。
 ケイラは思春期の女子らしく、お節介の父親が大っ嫌い。
 普段は憎まれ口ばかりで、父親をストレスのはけ口としか思っていない様子。
 それでも、ケイラのお父さんは、これまでケイラに何も教えられず、見ているだけとなったと謝罪しつつ、ケイラから多くの幸せをもらえたと感謝する。
 その言葉に思春期女子で父親嫌いのケイラも感動する。
 この父親の言葉がケイラへの勇気にづけになっているところも見逃せない。

 ほんの少しの勇気を出して、ほんの少し行動を変えれば、ほんの少しづつではあるものの、人生が好転していく。
 観ている人に勇気の後押しをしてくれる傑作映画。
 超おすすめです。


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