マインドフルネス・マッドネス(邦題:意識たかき者ひくき者)
アラ川に沿って巨大な壁が出来てどのくらい経っただろう。
今じゃスカイツリーの先端以外を見た事無い子供なんてざらに居る。
壁の向こうに見えるのは天を突いて聳え立つ白亜の槍。
プラチナムプレイトゥのタワーマンション群…“意識高き”天上人の住む場所だ。
オレは西側から密輸されたSUNガリアの飲料を飲み干し“高まる意識”を沈めた。
奴らの脳裏に“意識低き”者の恐怖を刻み付けてやる…。
◆◆◆
ユリコは小鳥にキスすると新鮮な生のキノコを口にした。
「“聖別”、クオリファイのエビデンスは?」
「此処に。壁前に集まった低級民より3名フィックス致しました」
「ASAPで適切な上級民をメンターとしてアサインなさい。午後のアジェンダは?」
「西側各県の首長とのアライアンスに関するアポイントメントが」
「奴等には我々のガバナンスこそふさわしい」
「…」
「オポチュニティ!イニシアチブを取りコミットメント、コンセンサスなさい!」
「アグリー!」
【続く】
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