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アジャイル開発版「情報システム・モデル取引・契約書」を本気で読んでみた

IPAが公開しているアジャイル開発版「情報システム・モデル取引・契約書」なるものを読んでみました。この中に出てくるキーワード「成果報酬型」が私の中のアジャイル開発に対するモヤモヤを晴らしてくれました。

不確実な時代がアジャイル開発を求める?

不確実な時代である現代において、システム開発で活用が求められる開発手法の1つが「アジャイル開発」だと思います。

以下は、IPAのページにある
DX対応モデル契約見直し検討WGからのメッセージ「契約の前に、アジャイル開発に対する理解を深める」からの引用です。

https://www.ipa.go.jp/files/000081483.pdf

DX の時代では、一層激しくなると想定されるビジネス環境の変化に、俊敏に対応するこ とが求められます。そのため、DX 推進の核となる ICT システムでは、技術的実現性やビジ ネス成否が不確実な状況でも開発に着手するとともに、運用時の技術評価結果や顧客の反 応に基づいて素早く改善(場合によっては早期撤退を含む)を繰り返すという、仮説検証型 の反復的な開発スタイルが有効となります。このようなスタイルを実現するために有用な 開発手法の一つが、「アジャイル開発」です。

アジャイル開発に対する私の立場は中立

私は、アジャイル開発という手法に対して、推進派、否定派のどちらの立場でもない中立です。
開発手法の選択においては宗教論的なものがつきまといます。私は開発手法の選択については「求められる状況に応じ、アジャイル開発であったり、ウォーターフォール型開発であったりを使い分ければいい」と考え方です。アジャイル開発も所詮は開発手法の1つです。アジャイル開発も選択肢の1つに含め、状況、要求にマッチする開発手法をとればいいと考えています。

私のアジャイル開発への抵抗感

私は、自社サービスの開発にはアジャイル開発の適用は障害がないと考えています。
それに対して、他社のシステム開発にアジャイル開発を適用する場合の難しさをどうしてもぬぐえずにいます。
難しさの原因は、アジャイル開発を行う場合は契約形態が「準委任契約」が適しているという点です。
「準委任契約」では、固定の費用で固定のメンバーを抱える形になります。
開発の効率を上げたり、より良いアウトプットを提供しても、手にすることが出来る報酬は一定です。その面で抵抗感があります。「準委任契約」ではいくらよい仕事をしてもお金には直結しないのです。

抵抗感への解決の糸口

私の抵抗感を解消してくれる可能性として、アジャイル開発版「情報システム・モデル取引・契約書」に「成果報酬型」というキーワードがありました。「準委任契約」に加え「成果報酬型」の契約を行う。成果を規定し、成果を達成できた場合に別途、報酬を規定するという形式です。

「成果報酬型」の登場により、より良いものを効率よく作ったことに対する対価が望める可能性が見えてきました。現時点では、報酬は規定することはまだまだ難しいでしょう。発注者側の理解も難しいでしょう、成果報酬なんて夢のまた夢の感じがします。

でも、こういう選択肢も考えることが出来るとなると、自分の中の抵抗感は解消し他社システムの開発において、アジャイル開発にチャレンジしたくなってきました。

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最後まで読んでくれた皆さん、ありがとう。
IPAが提供してくれたドキュメントの読み込みはまだまだ足りないですが、私はアジャイル開発を久しぶりに使ってみたくなりました。
皆さんのコメント・意見をいただけると嬉しいです。

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