陳腐化と見える化

システム開発の仕事をしていて仕事がうまく行かないとき、ともすればトラブって炎上してしまうとき、必ずといっていいほど起こっていることは、情報の「陳腐化」です。
それらをうまく治めようとトラブルシュートするときに私は「見える化」するように気をつけてます。

陳腐化への道のり

システム開発するときに、設計という仕事をします。設計したものは設計書というドキュメントに書き起こします。
失敗プロジェクトで必ず起きていることは、設計書などの資料・ドキュメントの内容が古くなって陳腐化しているという現象です。それでもプロジェクトは進み、納期は近づいてきます。どんな感じで陳腐化しているかというと、

更新されていないスケジュール
→何が終わって、何が残って、どれだけ遅れているの?
内容が更新されていない設計書
→このプロダクトの正解はどれ?
見えない課題
→なにやら課題が山積みらしいが、どれだけあるか不明。
→優先的に解決が必要な課題はどれ?

こんな感じです。で、最新の情報はどこにあるかというと、プロジェクトリーダーの頭の中です。
リーダーしか知らないという状況が負の循環を生みます。
・リーダーしか知らないがために、メンバーは間違った対応をします。
・メンバーはみんな、リーダーに質問します。
・質問ばかり受けていて、リーダーの負荷があがります。
・リーダーのやるべきことは進みません。
・リーダーはパンクします。

トラブル対応時に、やってはいけないこと

トラブったプロジェクトのサポートに回るとき、私は以下の2つはしないように気をつけています。

指導する
→やってしまったなと言うのは、一番本人が自覚しています。
→指導なんていつでも出来るので今は不要です。
→後出しジャンケンの指導は勘弁です。先回りして予防して上げてください。 
問い詰める
「なぜ、言わなかった?」→そりゃ、言いにくかったんですよ。
「何回目だよ?」→何回でもやってしまうんです。

喉元まで出かかった言葉を飲み込み、ぐっと我慢の子です。

まずは見える化

こんな状況になったら、まずは見える化するようにしています。 リーダーの頭の中にあるものを全部聞き出して、書き出す。ここからです。

・何が終わっている?何が途中?
・途中のものは止まっている?進んでいる?
・やらないといけないと思っていることはなになにある?
などなど、何でも

私がトラブル対応しているときに、リーダーに伝えることは1つです。「それで全部?どんな細かいことでもいいから、この際、全部出してみよう。ほれ、洗いざらい吐いてみ」です。(自白寸前の犯人にやさしく語りかける安物のドラマの刑事の気分です。)
とにかく、いま抱えているものを出し切ってもらわないと、次に進めなからです。

1つずつ終わらせる

トラブルになっていしまったプロジェクトのメンバーであっても、基本的に個々の能力は低いわけではないです。リーダー、メンバーに1つずつタスクを渡して、1つずつ終わらせてもらう。順番のコントロールは、私がします。

残っていることを、ホワイトボードに書き出して、完了する毎に消していくのもいいでしょう。
終わったことが見えると、進んでいるということが自覚出来ると思います。自分たちでこれが先がいいとか自然と考えられるような情報があるというのもいいことです。ゴールが近づけくことが見えれば、みんなの士気も回復し、トラブルの闇も抜けていくことでしょう。

陳腐かからの脱却(1つでもいいから最新化した資料を作る)

最初の課題であった陳腐化からの脱却も必要です。たくさん設計書があると思います。その中から1つでいいので軸となる設計書を見つけます。それをとにかく最新化します。
時間をかけて陳腐化してしまったものが一気に最新化される魔法は無いです。地道な作業ですが、その第一歩として、なにか1つ最新化した設計書を作ります。それは決して古くなってはいけません。大事に大事に常に最新化する。
1つでも確たる拠り所があれば、そこから立ち直っていけると私は思っています。

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