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会社がなくなっても生き残れる力

「もしこの会社がなくなってしまって社会に投げ出されたとしても、生き残っていける力を仕事を通して身につけてほしい。」働くようになってすぐにある人から聞いた言葉だったと記憶しています。ずっと印象に残っていて、今も忘れてない言葉です。
果たして、今の自分にはそんな力が身に付いたのでしょうか?

若かった頃の「会社がなくなっても生き残る力」

その言葉を聞いた当時は、頑張って仕事を覚えよう、早く先輩みたいに一人前になろうとか、漠然とした意味で「生き残る力」を捉えていました。
そんなに言葉の意味を深く考えることは無かったし、表面的な意味を捉えることが精一杯できることだった。

ただ、若いなりに反芻して「今の自分は会社がなくなっても生き残る力は身に付いたか」と自分に問うようにはしていた。少しずつ仕事ができるようになっている実感を持って、生き残れる力はついていっていると考えていました。

なにかをがむしゃらにやれる力、泥まみれになりながらでもゴールにたどりついた経験は、「会社がなくなっても生き残る力」の1つになっていると思います。

生き残ることに”役立つ”と”役に立たない”の境目

若いころに捉えていて「生き残れる力」の定義はある種の「生命力」のようなものでした。今はそれだけではない別のものを探しています。別のなにかを探すために、私は自分の出来ることを2つに分類して捉えるようにしています。

1.生き残ることに役立つ力
2.生き残るには役立たない力

役立つ、と役に立たないを境目は、以下の文脈に当てはまるかどうかで判断しています。

生き残ることに役立つ力とは、抽象的である

なぜ抽象的であることを大事にしているかと言うと、具体的なものはそれを応用することは難しいです。が、抽象的であるということは色々なことに応用がきく状態と考えているからです。応用がきくいうことは、それだけ生き残れる可能性も高いのです。

生き残れる力のレベル分け

生き残れる力に段階があります。私は3つの段階に分けて捉えるようにしてます。

レベル1.今の会社で生き残れる
レベル2.今の会社と同じ仕事に就けば生き残れる
レベル3.別の仕事でも生き残れる

レベル2以上であれば「今の会社がなくなっても生き残れる力」があるのでしょう。レベル2とレベル3の間には大きな壁があります。ただ、考え方、ものの捉え方次第でレベル2の力も、レベル3になれると考えています。

「生き残れる力」の具体例

システム開発という仕事を例に具体的に書いてみます。★の数が多いほど「生き残れる力」がある状態です。(=応用がきく力を持っている。)

☆☆☆ ある生産管理システムXのことなら、たいていのことを知っている
★☆☆ 生産管理システムXを例に生産管理という業務の説明出来る
★★☆ 新規に生産管理システムの開発が出来る
★★★ ユーザ企業と一緒に業務を分析し、業務の問題を定義し、生産管理システムを活用し課題解決が出来る

☆☆☆ ある生産管理システムXのことなら、たいていのことを知っている
具体的なシステムの1つである生産管理システムXのことを知っていることは、今の会社で今の仕事をずっと続けるなら役立つでしょうが、会社がなくなったときには役には立たないです。なので★は0です。

★☆☆ 生産管理システムXを例に生産管理という業務の説明出来る
システムXを例にとって生産管理という業務が説明出来るということは、システムXではなく、そのもととなっている生産管理という一段階抽象的なことを理解出来ています。抽象的であるがゆえに応用がきく力です。なので★は1つです。

★★☆ 新規に生産管理システムの開発が出来る
新規にシステムが開発出来るということは、生産管理という業務の基礎については十分な知識があります。新規にシステムが開発出来るということも応用がきく力です。なので★は2つです。

★★★ ユーザ企業と一緒に業務を分析し、業務の問題を定義し、生産管理システムを活用し課題解決が出来る
システム自体を作ること(決まったゴールにたどりつくこと)から次に段階に進み、何が問題かを見つけ、システムを活用して課題解決する。色々な知識、色々な目線を持っている状態です。応用の幅は広く★は3つです。

自分の出来ることを「生き残れる力」にするために、自分に問いかける

生き残ることに役立つ力か、そうでないかは考え方次第で紙一重だと思います。自分の出来ることを具体的な内容で捉えているうちは、生残れる力は低いです。私は自分の出来ることを、目線を変えて整理し、抽象的に捉えてみるようにしています。

具体例で述べた「生産管理システムの1つであるシステムXのことを知っている」という文章の中には、「システムX」という具体的な値が含まれています。「システムX」をはずして「生産管理システムのことを知っている」のか?と出来ることを1段階抽象化して自分に問いかけて見れば良いです。知っているなら自分では気がついてないですが、1つ上のレベルにあリます。知らないなら、知らない部分を補えば、1つ上のレベルに上がれると思います。

翻って今の自分のことを整理すると、私の持っている力の基礎の部分はシステム開発という具体的な部分があります。なのでまだまだ抽象化出来る余地はあり、生残り力を上げる必要があります。もっと抽象的で応用可能な仕事の方法とか、仕事の作り方とか身につけていきたいです。
そして、本当の意味での「会社が無くなっても生き残れる力」を身に着けたいと考えています。

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最後まで読んでくれた皆さん、ありがとう。
「抽象的な力を身につけることで、生き残る力になる」というのが私の考えです。でも、具体的な力が生き残る力にならない訳ではないです。とがりに尖った具体的な力を身につけることが出来れば、その道のプロと呼ばれて、それはそれで生き残れる力となるでしょう。
皆さんのコメント・意見をいただけると嬉しいです。

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