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伊生地展示会「ミラノ・ウニカ」へ

西脇で働いていた時のご縁で、2月3日から6日までミラノ・ウニカというイタリアの生地の展示会に出展する遠孫織布の手伝いに行ってきました。

イタリア企業が中心となった欧州企業ブースと、日本ブースと韓国ブースがあり、全477社と中規模な展示会。2014年9月からある日本エリアは、他ヨーロッパ企業とわかりやすいゾーニングで区別されているので、日本の生地というカテゴリーに興味のある人が訪れやすい印象でした。

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「イタリアの生地は伝統にこだわり、変化が少ないけど、日本はマテリアルに変化がある」というお客さんの声が印象的。必ずしもそうとは言い切れませんが、いつか聞いた日本のいいところは「素材はこう使われるべき」という概念を超えて、新しい組み合わせをできることだという言葉を思い出した。それは生地の産業だけに限らず、宗教やカルチャーなど他の面でも言えることだと思い、日本の良さなんだと思う。(柔軟に受け入れ、研究したものを料理してオリジナリティに昇華させる力。)


サステイナブルへの意識と現実

サステイナブルへの意識も、うたわれ始めてから数年経つ今、その深度や多様性は広がってきている。「ミラノ・ウニカ」は開催当初からサステナビリティ追求に取り組んで、トレンド提案のみならず、サステナブル素材を集めたエリアを設け来場者にサステナビリティの重要性を訴えてきたことが特徴的な見本市だ。

「あなたの会社の生地はどのようにサステイナブルなのか?」

そう問われたことも展示期間中に何度かあった。その質問を通して、企業がサステイナビリティについてどのような思想を持っているのかを測っているようにも感じた。

”リサイクル素材を使えばエコなのか。”
”綿花を育てる現場の労働環境の過酷さをどう考えるか。”
”運搬の時に発生する二酸化炭素についてはどう思うのか。”

言い出したらキリがない問題だからこそ、着目され始めたことに意味があると思う。これから何年、何十年とかけて真意をそれぞれの会社が見つけていくべきサブジェクトのように改めて思えた。(ですから日本も、その潮流に乗り遅れず、考えても仕方ないことだと匙を投げずに取り組んでいきたいと改めて思った。レジ袋を使わないのと同じように、できることからが大切だ。)

織物というテキスタイルの魅力

今回あらためて織りに触れ、織物の良さをあらためて実感した。遠孫織布は播州の中でもジャガード織物が専門の機屋さんで、社長自らも実験的に素材を開発している少数精鋭のクリエイティブな工場だ。

・両面どちらから見ても生地が美しいこと
・立体的な表情があること
・実験的で想像的なクオリティであること
・挑戦的な色彩がほどこされていること

それに加えて、工場と直接やりとりをすることのメリットとして10M からの小ロット対応、そして織物だけども短納期を提示しており、お客さんには魅力に思ってもらえていたように感じる。価格が明確だったことも好感触だった理由の一つだっただろう。

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(遠孫織布 instagramより)

来場者は当たり前だけど、イタリアの会社が多かった。国や海を渡っての大企業もいるけど、やはりあくまでその国らしさと自社の作風を理解して出展すると効果がありそうだった。
(実際、うちのみに限らず印象的だったのは柄、しかもファンキーな絵柄や色をみんな喜んで選ぶこと。こればっかりは流行に加えてお国柄、、、と思いました。ミラノの街を歩く人も、アクセサリー、着こなしが派手!)


【おまけ話1】食材が安すぎる。出張自炊のススメ

ミラノではあろうことか、外食を一度もしなかった。
(勿体無い気もする)何故ならば

・会場から近い場所にアパートを借りたら、周りにレストランがなかった
・アパートに基本的な調味料、キッチン設備が揃っていた
・食材が面白いほどに安かった(いつも予想の1/2くらい。)

おかげで慣れた食生活のリズムで過ごせるし、健康的で、美味しかった。

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(初日の夜の買い出し)


【おまけ話2】コロナウイルスの影響

イタリア・ミラノでは全く感じられなかった。

メトロの中でもスーパーでも、展示会でも握手を拒まれたり、席を外されたり、そんなことも覚悟していたのですが、予想以上にありませんでした。

フランスでも幸い、日本人であることを知っている人たちと接することが大半なので、アジア人だからといって特別視されることはあまりありません。でも、現地の学校(子どもたちの間)では中国人の子たちが嫌な思いをしているとは聞きました。それこそ本当にかわいそうだ。

いまや世界中に蔓延していますが、このウイルスの問題が現実的に一刻も早くおさまることを祈っています。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。 書くことを気長に続けていくことで自分なりに世の中への理解を深め、共有していきたいです。