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焚火

IH調理器がキライなのである。


人間は、火と共に生きるものだと、かたくなに信じている。
火の扱い方を覚えなければ、一人前とはいえないと勝手に決めている。
だから、炎のでないIH調理器を受け入れるつもりがない。
安全だ安心だというが、まったく信じていない。


お腹に子どものいる女性がIH調理器で料理をすれば、丁度お腹の位置に電磁波を多量に発生するIH調理器が毎日あることになり、子どもの未来を考えれば恐ろしいばかりだ。しかも、加熱のし過ぎで火災が発生することも報告されている。
安全でも安心でもないではないか。


安全を願うのならば、火の扱い方を幼いころから学ばせればよい。
火の扱い方をよく知るためには、焚火をすればいい。
子ども時分に焚火でたっぷり遊ばないと、火の取り扱いが解らない。
火遊びをすると寝小便をするというが、むやみに怖がって扱えなかったり、ないがしろにして火事をおこしたり、遠ざけて電磁波漬けになるくらいなら、寝小便で世界地図を描き続けた方がナンボかましだ。


湯を沸かすのも料理をするのも暖をとるのも灯りを点すのも、火を見ずに済ましてしまえば、人の感覚は劣化する。IH調理器の自動安全機能が安心というが、安全を保つには人の感覚の方が有効だ。感覚が劣化してしまえば、どんなセキュリティを施そうが無駄なのである。


何でもかんでも便利お得安全楽ちんなどといって、人間が進化の過程でその糧としてきた火や水や土や空気や太陽や風や草木などを生活から隔離し、電子機器やAIに頼っていては、明日の人類は危ういだろう。


焚火台を設ける。薪や小枝や松の葉など発火しやすいものを集める。薪や小枝にナイフで火が燃え移りやすいように細かい刃を入れる。外側に薪。内側に小枝。小枝の上に松の葉や新聞紙などの発火しやすいものを乗せ火を着ける。メラメラと発火した火が小枝にうつったら様子をみながら風を当ててやる。少しずつ火を大きくして薪に燃え移り炎が大きくなったら、薪の位置を調整して炎の大きさを整える。


満天の星空の下で、森の歌う中で、海風の口笛を聴きながら、家族や友人たちと語らいながら、焚火の面倒をみてやれば夜はあっという間に過ぎてゆく。子どもたちに焚火の面倒を預け見守れば、炎は子どもたちに寄り添うだろう。そこに本当の責任が存在することも覚えるはずだ。加熱器具に目を離して放っておいていいモノが存在するハズがないことも、感覚的に身につくだろう。


便利なのは、ガスコンロまでで結構なのである。

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