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目の前には実物大の世界地図


普通という名の奇跡。


 よつばと!。という漫画を、ご存じだろうか?

 みなさんこんにちは。今回は最近。新刊が出て個人的にリバイバルヒットした漫画。よつばと!。について語っていきたいと思う。

 よつばと。は『月刊コミック電撃大王』(KADOKAWA)で連載されている。少しマイナーな漫画だ。

 知らない人の為にあらすじを紹介しておくと。

夏休みの前日、とある町に強烈に元気な女の子よつばと、とーちゃんの親子が引っ越してきた。遠い海の向こうの島から来たらしい不思議な女の子を、はじめて体験する出来事が毎日たくさん待っている。その日から始まる、よつばに振り回される周りの人達の日常を描いたハートフル?コメディ。

 個人的に要約すると、毒の無い「クレヨンしんちゃん」と言うと分かりやすいかもしれない。

 内容は日常系漫画なのだが。
 主人公であり、幼い子供でもある、よつば視点からの描写が素晴らしく。反応もリアルに良く表現されている漫画なのだ。

 さて、それだけならば読めば分かるので、所感を述べるに値しないのだが、最近面白い発見をしたので、ここに書いてみる。

 この漫画。読む年齢層によって、感想が強烈に異なる漫画なのだ。

 私のような中年がこの漫画を読んだとしよう。

 よつばの純真さが可愛く映ることが多いはずだ。

 これを分析すると、結婚適齢期なので、子供が欲しくなる。子供を持つという。憧れを刺激されていると解釈できる。

 では、読者が若者だったらどうか?

 子供が欲しい。という感情よりも、よつば。可愛いor懐かしいという感想が多くなるのだ。年齢的によつばに近い為。自身の幼い頃を。自分が、よつばだった昔を懐かしく想うのだろう。

 
 では、子育てが終わった世代の意見はどうなのだろうか?

 私は、よつばと!を漫画好きの同僚や両親に読ませたことがあった。彼らは、最初の数話か一冊を読んで、大体は、本を閉じる。

 そして、憔悴した顔で、つぶやくのだ。

 「…疲れた」と

 どういうことかと?感想を聞くと。

 「子供を育てて大変だった時期がフラッシュバックして疲れる」

 のだという。

 そう。子育ては、愛しさ、楽しさ、大変さ。をそろえている。

 子育てを終えた世代には、よつばのおてんばぶりが、眩しく。

 可愛さ余って、疲れ100倍の現実を呼び起こすのだろう。

 総論として、読書の層によって違った感想を引き出せることからよつばと!は完成された漫画と言える。

 何故なら、何度、読み返しても、違った読後感を得られる何回も楽しめるように設計されているからだ。

 考えるに、この漫画を一番、楽しめる方法は幼い頃に初めて読んで。歳を重ねて、思い出して読んでみることだと思う。常に違った視点の感想を抱くはずだから。

 最後に長年の休載により、よつばを忘れかけてる人にメッセージを。

 漫画本を集めていて棚の奥に収めてる人も。新刊がなかなか発行されなくて、飽きて古本屋に売った人も。

 『思い出したら、よつばと!を読み返してみてほしい』

 ――きっと、新しい発見があるはずだから。

 「いつでも今日が、いちばん楽しい日」

 そんな、心で、この漫画を読みたいものである。

引用画像

よつばと!『月刊コミック電撃大王』(KADOKAWA)



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