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なぜかセントビンセントにはコロナ差別がないんだが、明日はどうなるかわからんね

ない。ほんとにない。どういうわけかない。探してもない。探しに行ってもないけれど。Twitterで各国の隊員がコロナコロナ言われるだの、ヘイトを投げかけられるだのの報告を目にするのだけど、ここカリブのセントビンセントにはない。すくなくともぼくにいたってはない。

他の隊員もないらしい。理由はわからない。テレビはあっても常に放送してるわけじゃないし、新聞を読んでる人もそんなに多くないとかもあるのかもしれないけれど、それにしたってラジオは町を歩けば流れてるし、BBCなんかだとコロナコロナ言ってたからコロナがなんたるかは知ってるはず。

普段チャイニーチャイニーとかチンチョンチョンチョーンとか言ってからかってくるチビッ子たちも、新しい武器のはずなのに一切ない。

不思議だ。ほんとうに。

万全の体制で迎え撃つ準備をしていたのに。

でも、なんだかんだで1年以上同じ生活圏にいたわけで、ぼくがウイルス持ってるやつと見られていないのかもしれない。中国の病気という認識はあっても日本の病気とは思ってないようだし。

けど、新しく会う人には怖いなあと思ってるときに大家の誕生日会に招かれた。昼から夕暮れまで入れ替わり立ち代わりでやってるホームパーティーに仕事終わりに行ってきた。

始めましての人たちが半分以上の場で、さあどういう反応だ?と思ったけど、ここでも普通だった。

ただ、ぼくがいたからどうかはわからないけれどコロナの話題にはなった。

感染が怖いとかいうニュアンスではなくて、コロナのせいでモノが海外から入って来なくなった、ビジネスへのダメージがデカいよという話で。そうだった。裕福な人たちだった。

感染の話になっても、いまはヨーロッパで感染者が爆発的に増えてるし、イタリアがヤバいという話になっていた。

ぼくに気を遣っただけかもしれない。けれど驚いた。ちゃんとニュースを追ってるんだと。

普段ぼくはセントビンセントのことをオフラインでクッソミソにこき下ろしたりして不快感を露わにする程度には嫌なことがあったりするのだけど、任国愛みたいのも一切のないのだけど、ここに関しては感心していたし感心している。

とはいえ、だ。

その日の夜、セントビンセント初のコロナ感染者がでた。UKからの帰国者のようけだけど、どうなるかはわからない。

平和な状況が一変する可能性は十分にありえる。

俺らにはカンケーない病気と思ってた可能性だってある。

同じカリブエリアのドミニカは数年前に大きなハリケーン被害があったとき暴動と略奪が起こった。

国は違えど、セントビンセントもドミニカも旧イギリス領だし、人種構成も歴史も文化もほぼ同じ。パニックが起これば何が起こるかわからない怖さがある。

というか、仮に自分が感染して、この国の病院に行くのはマジで嫌だ。この国の医療レベルはほんとにヤバいから。治る病気も死の病になる。

一度感染してしまえば隣国へ治療で移送なんてこともできないだろうから、怖さがハンパない。

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