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32歳になりました。

32歳の誕生日はブライトンで迎えた。前日から友達が課題の最後の追い込みで消耗してたぼくにサプライズで弁当を差し入れてくれ、一足先に祝ってもらった。

誕生日当日もささやかなパーティーを開いてもらった。まあタイ人の友人によるいつものタイ料理なのだけど。

気の置けない友人たちと過ごす誕生日は29歳のとき以来だ。あのときはセントビンセントでこじゃれたシーサイドのレストランでディナーをしていた。

思えば、2020と2021年のぼくの誕生日はコロナ禍の影響をもろに受けていた。2020年の春なんて何が起こっているんだという感じだったし、2021年は人によってコロナに対するスタンスが異なるから友人連中に声をかけにくかった。特に既婚者や子持ち、実家住みには。

イギリスはもはや誰もコロナなんて気にしていない。公の場でマスク着用を求められることもなくなった。もちろんコロナ感染者がいなくなったというわけではないのだけど。

それで、ついこの間旅先で「私も来月30歳になるの。ねぇ、29歳から30歳ってやっぱり違うじゃない?どう気分は?なんか変わった?」とキラキラキャリア女子に聞かれた。

これはよく聞かれることではある。ぼくはその都度、「なんにも変わらない。ただ、アンケートなんかで年齢の項目にチェック入れるのが20代ではなくて30代になるのが、一番年齢を感じたし、一瞬そこにチェックを入れるのをためらった」と答えてきた。

いまでもその通りだと思っている。(ぼくが28歳くらいのときに年上の人から言われたのは、30代は可処分所得増えるしできることが増えるから楽しいだとか、ワーホリの年齢制限が30歳だから自由度とか若者特権はいくつかなくなる、みたいなことを言われてた)

ただ、今年改めてその質問をされて少し冷静に考えてみて、「なにも変わらない」というのはちょっとやばいのかもしれないなと思った。

だってぼくが30歳になったのはコロナ禍で社会はステイホームで、いろんなことがストップ(ぼくのキャリアも)していて、それは結局ぼくの場合去年イギリスに来るまで続いた。つまりはぼくの中で2年間の空白がある。ただただ2年分年を取っただけの2年。もちろん、イギリスで勉強しているわけだけれど。ほんとに成長しているのか、前に進んでいるのかというと、はい!と素直に言えない気がする。

それは、大学院で勉強していることはあくまでアカデミックなことで実務でも使える知識はもちろんあるけれど、実際に働いて得られるはずであった経験がこの2年ほとんどないのが、実務スキル的に停滞、むしろ劣化してないかと思う原因であろう。ポジティブに捉えると、これは批判的思考が身についている証左ではないかと思うけれど、そんな単純な話ならば苦労はしない。

ぼくが協力隊で海外で働き始める前に会った友達に子供が2人生まれていたことを最近知り時の流れの早さを感じた。当時、その友人はなかなか子供ができないことに悩んでいて(たしか流産も経験していた)、ぼくが会ったときは妊娠の初期段階で安定期前で、ごくごく少数の人にしか妊娠したとことを伝えてない、みたいな時期だった。

それが先日、ふと何の気なしに彼のSNSを見ると子供2人と写真を撮っていて、それがなんと表現していいのか、結構グサッときた。それは別に嫉妬とかではないし、なんで生まれた連絡くれなかったんだというショックでもない。ただ冷静に、彼と最後に会ってからもうすぐ4年が経とうとしているのかという時間軸に衝撃を受けた。ぼくの感覚では2年ほどしか経っていないと思っていた。やはりコロナの2年間の記憶がぼくの中ですっぽりと抜け落ちている。

早々にネガティブなことばかり書いてしまったけれど、ぼくの人生が停滞しているのはなにも今に始まったことではないし、たぶんこれからも都度、あるいは日々、いろんなことに悩み続けるのだと思う。ぼくは内省的であるから。自分との対話を大事にしているから。

ぼくの事前の留学プランでは5月で修論以外の課題提出後、6月には内定でて、9月から働き始めるという予定でいたのだけれど、そんなにうまいこと話は進まず、相変わらず無職であるし、そのこともいくらかいまのメンタルに影響しているのかもしれない。

まあ、だいたい他のコースメイトは就活始めてる方が稀だったりするんだけれど。

安定したいとか言いながら、2年契約とかの仕事を探しているのだから、まったく自分というのが32歳になってもよくわからない。


2022年6月プラハにて


28、29、30、31歳の時に書いた記事リンク


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