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スタートアップ誘致は支店登記じゃだめなんですVol.25

ハイライト


福岡に行ってきた。もちろん仕事で。スタートアップ支援の熱い話をいろいろ聞いた。大きく2つ印象的なことがあった、というかその話を聞きにわざわざいったのだけれど。

今回の出張の個人的ハイライトはタイトルの通り。

支援するスタートアップの本社登記が地元にないといけない理由ですか?そりゃ、支店経済からの脱却ですよ。私たちはリーマンショックの時に結構なダメージを受けてる。景気が悪くなると集約するじゃないですか、コストカットっていう体のいい言葉で。そうやって真っ先に切られたのがここですよ。支店を閉じて引き上げる企業が続出したんです。1年間のフリーレント提案してもダメでした。支店切ったおかげで東京のダメージは相対的に低くなってるわけです。なんで、東京の失敗を地方が被らなければならないんだと。地方の雇用が奪われないといけないのかと。だから、地元に根を張る企業をつくらないといけないんだと、それが我々官民の今のコンセンサスです。

みたいなことを言っていた。
強い。しびれた。

この話は、特定の少数スタートアップを優遇してサポートするという施策を福岡市+FGN(福岡のインキュベーション拠点)が始めるという話の中ででてきた。

福岡市も8年ほどスタートアップ支援をやっていて、IPO何社だ、ユニコーン何社だという目標を掲げていたけれど、結果として10億円くらいの時価総額の不安定な企業は増えたけれど、その先に伸ばすことができなかったと。

それで、一旦冷静になって、国内のユニコーンの数の現状などを勘案して、目標を修正というか、地元に根付くなどの規模感でみると、100億円くらいの時価総額の会社を地元に増やす、育成するのがいいんじゃないか、というのでそのポテンシャルある地元スタートアップを10社ほど選定して、いろいろ優遇して成長させる、と。

たいていのスタートアップなんてのは失敗するし、雇用は生まないし、雇っても平均賃金以下なんだから、支援するのは伸びるポテンシャルがあるスタートアップに絞るべき!って論は15年ほどにペーパーにでてる。

以下、参照

で、福岡市がそれを実行に移すという話。
ポイントは100%でないにしても公金が入ってるプロジェクトで特定企業を優遇すると大々的に宣言して、(これから)実行すること。

これ、個人レベル/担当者レベルではやってるところはたくさんある。でもそれは極めて属人的で、その人の情熱におんぶにだっこになってしまっている。地元を盛り上げたいという一点でやってるパターンが多くて、金銭的リターンはないからサスティナブルな「仕組み」ではない。

で、プロジェクトにしようとすると、ちょっと忖度してSDGs云々とか、ソーシャルインパクトみたいな「ただのお金儲けじゃないですよー、みなさんに恩恵があるんですよ」を過剰にアピールしなくちゃいけなくなり、ただでさえ母数の少ない起業家の中からさらに、社会性あるなんていうまさにユニコーンを探さないといけない。そして多くの場合、ユニコーンではないので、スケールしない。つまりは税収増えないし雇用も生まない。何のための支援だったのか、ということになるしなっている。少なくともぼくはそう理解している。これは特定の自治体のことをいってるわけではなく、あくまで一般論として。

これに関しては、行政側に熱意あるリスクとれて腹くくってくれるキーマンがいるかどうかだと思っている。ほんとは誰もそんなこと思ってないのに過剰に忖度し過ぎて、勝手に身動き取れなくなってるように見える事例がいくつかある。

ここに関してはぼくはいろいろ思うところがあるけれど、これ以上言わない。結果責任だし、結果としてぼくもその片棒を担いでいる/た。反省すべき点は多々ある。

それで、話を戻すと、九州における福岡市と関西の神戸市という市場環境の違いはあるだろうけれど、できない言い訳はいっぱい頭に浮かぶけれど、そうじゃない方に、少しでも共通項を抽象化して、神戸でも公的にできるようにできることはやりたい。


読書記録


福岡で、支援先のバリューアップのために全方位でサポートしてる、資本政策から資金繰表も必要なら一緒に考えて書いてるという話を聞き、そうだよな、ぼくがやるべきもそこだよなと思い、ぼくが主に見てるのはシードなんだけれど、数字よりもまず事業化、マーケなんだけれど、プレシリーズAくらいまで見れるように、久しぶりに決算書分析の本読んでる。

思えば、久しく決算書を見ていないので多いに反省している。

本書は結構評判が良く、本選びの参考にしているビジネスパーソンもお勧めしていたので買った。

What I did in week25 (6/16-6/22.2024)


  • CPA:今年全科目合格!

    • 1月、2月、3月の目標未達

    • 4-5月全負け。事実上進捗なし。

    • 6月

      • 朝、出勤までの時間を勉強の時間にしている。帰宅後も勉強したいのだけれど、体力的にしんどい≒まったく集中できている気がしないのでできていない。

      • やはり、週末にまとめて勉強的なことになりがち

  • 読書: 月2冊は読む

    • 今年中にブルーバックスの大学生物学の本を3冊読みたいと思っている。もっというと、ファインマン物理学も今年読みたい。

    • 1月、2月に続き3月も目標達成!

    • 4月、5月それぞれ1冊ずつ読了

    • 10冊くらい少しずつ読んでる感じなので、読了数というKPIは正しくないのかもと思いつつ、かといって読書の時間が増えているわけではないのでどうしようかと思っている。

  • 英語

    • Blog: 英文ブログ週1回は更新

      • nope

      • ちょっと仕事が忙しくなると書けてない。意識の外にいく。

    • : 月1冊は洋書ないし英論文を読む

ブルーカーボンに関連する6/17に出たばっかりの論文。
内容としては、理論上は巨大なポテンシャルがあると言われ続けている海洋アルカリ強化(Ocean Alkalinity Enhancement)について真剣に考えてみないかと技術的評価をしてみたものっぽい。っぽいというのはぼくはまだすべてを読んではいないから。

水酸化石灰を用いたもので、材料単位あたりのCO2吸収効率、効率を損なう炭酸塩沈殿を避けるための分配戦略、および技術の可用性(例:solar calciners)など、海洋ライミング(Ocean Liming)の全体コストを決定する重要な不確実性に対処など分析すると、130~295ドル/tCO2の経済コストで二酸化炭素除去(CDR)の有力なオプションの仲間入りするはずだから、みんな研究しようぜ!が要旨。

現状DAC(Direct Air Capture)が500~600ドル/tCO2で、改善されても200~300ドル/tCO2と言われているので、言葉通り受け取るなら、選択肢の一つとして十分ではある。

ふむふむ言いながら読んでる。

  • Workout / diet : 今年中に70kg代へ!

    • 1-5月。92kg→86.6kg

    • 6月86.6kg→86.5kg→85.8kg→85.6kg

      • Sun. 80 squats

      • Mon. 100squats

      • Tue. 60 squats and 100 push-ups

      • Wed. 100 squats

      • Thu. 40 squats

      • Fri. 0 squats

      • Sat. 0 squats

なんとか減ってはいるが、運動面をさぼりがちになってきた。危機感。

余談: All the positins I've had since graduating have been positions that have't existed before


むかし、ビジネスデザインの修士っていいんじゃないかと思っていた時期があり、Aaltoに行こうかしらと思っていた。結局お金も実力もなく断念したんだけれど、少し前に知り合ったNordicの人やcode for japanの人がAalto出身だということを知り、身近に結構いるもんだなあと思っていたのだけれど、その前者の人が、SNSでAll the positins I've had since graduating have been positions that have't existed beforeとキャッチ-なバナーを使ってAaltoの勧誘をやっていて、なるほどなと思った。

ざっと訳すと、卒業以来自分が就いてきたポジションは以前にはなかったものばかりです、と。

こういう話けっこうよく聞く。いまの10代の人たちが就職するとき、いまはまだ存在しない職種になるだろう的な。

ぼくが10代の頃、まだカスタマーサクセスみたいなのはなかったし、UI/UXデザイナーみたいなのも市民権を得てはいなかったように思う。

ぼくにしたって、いまインキュベーション/イノベーションマネージャーなんていう肩書なんだけれど、これも、少なくともぼくが学生のときは存在を知らなかった職種。

やることが細分化した結果なのか、若手でも相手の会社の偉い人に話きいてもらうための方便なのかはいろいろあると思うけれど。

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