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協力隊の休日 in カリブ#DAY70

店の多くがクローズしている日曜日はほんとにやることがない。

基本的にみんな暇を持て余している。現地の人が言うには、日曜日は教会にいって自宅でゆっくり過ごすものだそうだ。

ぼくは本を読むのが好きなので、マズいコーヒーをテーブルに置いてソファに沈み込んでいる。

今日もそのつもりだったのだけれど、2時過ぎに「Mt.Wynne Beachに行かないか」と電話がかかってきた。ファン(台湾人)だ。Indian Bayよりも魚がたくさんいるらしい。

Mt.Wynneは島の西側で交通の便がそれほどよろしくないところにあって、誰かが車で連れてってくれないと到底たどり着ける気がしないところでもある。

幸運なことにファンは車を持っているから気軽るにいけるというわけだ。

それで、二つ返事で行くよと答え、海パンをはいてカメラとゴーグルを持って家を飛び出した。

なんてったって5分でぼくの家に着くよと言うのだから。


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Mt.Wynneは黒砂のきれいなビーチで、一見するとシュノーケリングスポットには見えない。

週末は地元の人たちがBBQやガンガン音楽を流して踊っていたりする。

逆光だからか透明度の判断がつかなかったけれど、見出し画像の通り結構きれい。というかIndian Bayよりもきれいな気がする。黒砂が映えるかもしれない。

岩場にサンゴ礁がぽちぽつとあっていろんな魚がいる。この少し黒っぽいのは80cmくらいかな。お腹にコバンザメ的なのがおこぼれを狙っていた。

実はここ、ロブスターが生息しているらしい。以前ファンが見たらしく今日は可能であれば仕留めてやろうと思っていたようだ。

ロブスターはレストランで食べると1lb(約450g)で65 EC(約2,700円)くらいとかなり外国人価格になるけれど、市場で水揚げされているものなら15~20EC(600~800円)ほどで仕入れることができる。それもおそらく3lb程度のものを。

けれど、今はシーズンの終盤ということもありなかなか水揚げされずファンは飢えていたらしい。

今日はざんねんながら見つけることはできなかった。


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Kingstownから車で20~30分くらいかかるからバスなら50分くらいかもしれない。

週末に1人でバスに乗ってはるばる来るにはいささか億劫だなと思っていた帰り道、お葬式に遭遇した。

セントビンセントのお葬式は派手だ。

ガンガンご機嫌なパーティーミュージックを流し、踊りながら教会まで棺をかついで練り歩く。親族からご近所さんまでたくさんの人が教会まで行進をする。一応、黒い服を着るということになっているらしいけれど、派手に胸元がはだけていたり、スカートが異様に短かったりとクラブなのか葬式なのかよくわからなくなる。

個人をにこやかに送り出そうとするタイプのものだ。

公道を占拠するかたちになるので当然大渋滞になる。

けれど、そんなことはお構いなし。

Don't stop the music! 

音楽も踊りも止まない。


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やっとのことでマリファナ香る葬列の人混みを切り抜けたと思ったとき、プシューッ!!という控えめだけれどイヤな音がした。

渋滞と人の波に気を取られ、縁石に左前輪をすってバーストしてしまったのだ。

幸運にも、自動車整備隊員のK君がいたので、タイヤ交換を難なく行うことができた。

教習所の教科書通りのところにジャッキがあって、車体を持ち上げてタイヤを交換というまさに教科書通りの手順。

ファンは車にジャッキが備え付けられていることすら知らなかったけれど、それはそれでどうなってるんだ君の国の自動車教習は?と思わなくもなかったけれど、地味かもしれないけれど、こういうのもサバイバル能力だよなと感じた。

そして改めてファンもぼくも高度に専門化された分業社会に生きていて、そういうことを別に知らなくても良い社会(電話して専門の人を呼べばすぐ来てくれる)だったんだなぁと思うなどした。

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