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駒ヶ根の同期がまた1人任短を選びました

駒ヶ根でいっしょに訓練を受けていた同期がまた1人任短を選んだ。

任地は違うけれど、訓練中はいっしょにトランプをやったりしていたし、同世代で勝気な人だったから驚いた。

ウソだ。

任短するだろうなあと思っていた。

その兆候は、最近結婚を発表した某アイドルの相手方の「匂わせ」元アナウンサー以上にでていた。春先からブログを始め、間もなくその内容は結構ヘビーな愚痴ばかりだったから。

界隈で、「あの人やばくないかい?」という話はでていた。ぼくは彼女は何でも吐き出すことで自分をコントロールするタイプの人なんじゃないかと思っていたんだけど、ある時から一線を越えた感があって、日常の些細なこと、それまではおそらくなんとも思ってなかったことにもストレスを感じ始めているようにみえた。危ういなぁと思っていた矢先のことだった。

改めて書いておくけれど、ぼくは任短がネガティブなことだとは思っていない。よくここまで厳しい環境で、たった1人でがんばったなと思っている。ほんとうに、心から。

同期ということは、2018年3次隊で、だいたい2019年1月から2月に派遣された人たちで、そろそろ派遣から1年になる。新しい環境で、不安より自信が勝った状態で高揚感がある期間というのはとっくの昔に終わっている。あらゆる特異なこと、不具合は日常になってしまっている。

そろそろ1年ということは、折り返し点に来つつあるわけで、折り返し点ということは、自分の活動の落としどころ、どこまで進めることができるか、どこまで広げておくか、絞るかなどを考えだす。1年ということは年間のスケジュール感とその国での物事が進むスピード感を肌感覚でわかっている。

そして、自分の手札と能力でどこまでできそうで、何ができそうにないかもわかっている。

先日の隊員総会で所長が、

みなさんがそれぞれ悩みながら活動しているのはわかります。人手不足のマンパワーに使われている人もいるでしょう。それは自分の思い描く活動とは程遠いかもしれない。それによって任期短縮を考える人もいます。酷なお願いかもしれないが、悩みながらも活動はやめないでいただきたい。俯瞰してみれば、マンパワーで自分のやりたいことではないかもしれないけれど、それでも誰かの役には立っています。みなさんの身近な誰かの役に立っているんです。それがこの国の何になるんだと言われれば適切に表現するのは難しいです。けれど、みなさんの活動は、取り組む姿勢は誰かが見ています。言葉でちゃんと表現できてなくても誰かがみなさんの背中を見ているんです。その姿勢は、少しずつ少しずつ現場に染み込んでいくものだと思うんです。私はそう信じています。

というようなことを言った。

JICA側としては、できるだけがんばってほしいからそう言わざるを得ないのだろうけれど、それでも所長の言葉にはある種の真実があるなと思う。

つまり、世の中を変えるって言うのはそう簡単なことじゃないんだと。ぽっと出の人がポンポン課題を解決できることなんてたいした問題じゃないんだと。なかなか解決できない問題には、それに見合う込み入った事情があるんだと。

遠まわしに諦めるなと言ってるような気がした。かなり気を遣ってる。

さて、ぼくも自分の活動を、派遣先の初代隊員としての落としどころを探さないといけないのだけど、無駄にポジティブな性分がぼくの冷静な見通しを邪魔する。大きなイベントも開催できる、控えめな目標設定ではいけないんじゃないか、もっとハードワークできるんじゃないかと囁く。

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