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インパクト投資の話聞いたんだけど、あれ難しそうね、5年後アウトな案件とかありそう

先日、インパクト投資の勉強会のような紹介のようなイベントにでた。

話をしてくれたのは、社会変革推進財団(通称: SIIF )の はたらくfundの方。

インパクト投資ってなにかというと、社会起業的な、社会課題の解決に取り組む会社に投資しますよというテーマファンドのこと。

以前紹介した地方創生ファンドとはまた異なるのが、投資対象は社会課題解決の事業をしているスタートアップなんだけれど、そこ以外は、普通にIPOやM&A目指して企業価値上げることを求める。つまりは、一般のVCのようにしっかりしたリターンを追い求めるという点。

なんか高尚なこといってるけど、そんなことできるのかと思ってしまうのだけれど、わりとうまくいってるというか、もう少しでIPOまで持っていけそうなスタートアップもでてきているそう。

でも、これ難しい。よくわかんない。

ぼくは国際協力やってきてたりしてたので、こういう取り組みというか、社会課題にビジネスでタックルしてる会社にお金が流れるのは賛成なのだけれど、その上で、きっちりリターンを追求する、あえて二兎を追う!なんて言われると、これまでできなかったのに、どんな理屈でそれが可能なのだろうかと思ってしまう。

登壇者の方がいうには、もうスタートアップの業界も儲かる分野っていうのは掘られ尽くした感がある。けど、社会課題を解決って、手間がかかるわりに儲からないとされてきたので手つかずで、課題があるってことはニーズがあるということであり、潜在的に大きなマーケットなんじゃないかと見てる、と言っていた。つまりは社会課題という分野を最後のフロンティア的な見方をしているということなんだろうと思う。

なるほどなと思いつつ、ぼくはNewbieなのもあってよくわからない。判断しかねる。社会課題を解決って要はプレゼンの仕方ひとつだろう?と思わなくもない。

たとえば、地方のスーパーは投資対象ですかというとそんなわけないと思うだろうけれど、地域密着で地域の人たちに新鮮な食料を安定供給するビジネスです!っていえば、社会課題解決型だし、ほんとに場所によってはそのスーパーは地元になくてはならない存在だったりするわけで、なにをもって社会課題解決型ビジネスとするんだろうなとは思った。

それに、いまどきのスタートアップってペイン、ペイン言ってるんだから、それって不便をなくそう、効率化しようって取り組みで、それって社会課題解決ってことだよね?とは思う。

まぁ、よくわからん。

で、もっというと、ESG系の事業やってたりファンドだったりだと、出資者のバックグラウンドも気になったりする。たとえば、反社会的勢力の出資はもちろんのこと、化石燃料系の事業やってる会社は出資者にはなってほしくないです、みたいな。

その是非はともかく、社会正義をかかげる(欧米の)世の中はそうなりつつある。

で、そういう出資者にもある種のクリーンさのようなものを求めるってマーケットに金が有り余ってるならともかく、そんな選り好みできる立場なのか、つまりは資金調達の機会を減らしてないかい?大丈夫かい?と思ってしまう。

それに、タイトルにも書いているけれど、社会的かどうかが客観的に決まるわけじゃなくて、主観的に決まる(ようにみえる)が故に、いまOKでも数年後はNGみたいな話もありそうで、大丈夫なのか?とも思う。

例えば、少し前にニュースになったんだけれど、障害者雇用代行。

ある程度のサイズの企業には一定割合、障害者を雇用することが義務づけられているんだけれど、それを代行する業者っていうのがあり、いまそれが問題になっている。

スキームとしては、「代行」業者が貸農園を企業に提供し、そこに企業に雇用されている障害者を派遣して働いてもらっている。

これ、ほんの数年前まではめっちゃいいじゃんって言われてた。障害者は働く場を得られるし(実際喜んでる人が多いらしい)、企業も障害者雇用率も守れるし(作った野菜も食べられるし)、「代行」業者たる貸農園も儲かるし、三方良しじゃん!って。障害者支援団体も喜んでたらしい。それに、実はインパクト投資ファンドが出資してる貸農園業者もある。

で、なにが問題になってるかって、貸農園てだいたい企業の本来の事業と関係ないじゃんって。もちろん違法じゃないんだけど、障害者の法定雇用率を形式上満たすためで、雇用や労働とは言えないよね?っていう批判がいっぱいきたと。

さて、これ、どう思う?って話ではある。内部ではみんな満足してるスキームだったんだから、これ外野がわーわー騒いだせいでうまく回ってた仕組みを台無しにしようとしてる、と言えなくもない。一方で、そもそも制度趣旨とは違うじゃんとはもちろん言える。けど、雇用は作られるわけだから…。

この事例は、いまの世論ならNoに向かってるということなんだと思う。

そして、ぼくがいま気になっているのは、このファンドの運営者たる社会変革推進財団。この財団のお金はもともとはどこからきてるかというと日本財団。そのお金の出どころは競艇。その売上の2.6%(2020年は約500億円)が自動的に入ってくるという特殊な財団。

いまはまだそんな話ないけれど、競艇ってギャンブルだよね?借金してまでやる人がいるあれだよね?そんなお金が元のファンドが社会正義謳ってるんですか?といつ言われてもおかしくはない。日本財団のトップはなぜか世襲だし。ミャンマーとの関わりでおやっ?と思うこともあるし。

本論から逸れてきたから話題を戻すと、インパクト、インパクトって言ってるけど、定義も線引きも主観要因に左右されそうで、投資っていう中長期的視点でみるの難しくない?高尚さ求め過ぎじゃない?しんどくならない?って。

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