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景気は早くも底入れ?

 本日、内閣府は2020年6月の景気動向指数(速報値)を公表しました。日経電子版は、景気の現状を示す一致指数が5ヵ月ぶりに上昇に転じたことを報じています。

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 つい一週間前の7月30日に、内閣府は「景気動向指数研究会」を開いて、2018年10月の山以降、景気が後退局目に入ったと認定したばかり。ですが、民間調査機関のエコノミストの間では2020年5月が景気の谷で、6月からは景気回復局面に入るという見方も出ています。不安要素が多々あるとは思いますが、期待したいですね。

 さて、記事には触れられていませんでしたが、今回発表された2020年6月分から景気動向指数の一致指数の計算方法に変化がありました。景気動向指数は、様々な経済データの動きを合成して算出されていますが、一致指数の算出に新たに「輸出数量指数」が加えられたのです。下記のリンクの景気動向指数のホームページの「お知らせ」欄に書かれています。

 実は、輸出数量指数を一致指数に加えることは、2018年12月13日に開催された第18回の景気動向指数研究会で決まってました。下記のリンクの第18回の議事要旨に明記されています。一方、指数算出に採用される経済データの入れ替え、追加は、景気の山谷を認定したタイミングで行われることになっているため、本日のタイミングになったわけです。

 なお、一週間前の景気動向指数研究会では、景気の山の認定だけでなく、一致指数、先行指数の算出に採用される経済データの入れ替えが新たに提案されてます。上記のリンクの第19回の資料2-1、2-2に明記されています。具体的には、以下の2点の改定で、研究会の了解が得られれば、2021年1月分速報(2021年3月)から新しい景気動向指数の算出が始まるようです。

一致指数の「所定外労働時間指数(調査産業計)」を、労働投入量(総実労働時間指数(調査産業計)×非農林業雇用者数)に変更
・先行指数の「消費者態度指数(総世帯、原数値)」を、「消費者態度指数(二人以上世帯、季節調整値)」に変更

 一致指数の系列変更については、実際に検討にあたった「景気動向指数の改善に関する研究会」において、私も参加させていただきましたので、実現する日を楽しみにしております。

#COMEMO #NIKKEI


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