#青春
第三章 - こぐま座アルファ星
合宿に向かうバスの中は中学三年間いつも憂鬱だった、と由岐は後ろに流れていく田んぼと畑の繰り返しを眺めながら思い返していた。もっとも、二十二人乗りのマイクロバスをひとりで二席占領できるこの部の人数は中学の頃の記憶にはそぐわない。後ろから二列目の窓際に座る由岐のちょうど反対側では拓斗が窓に寄りかかって眠り込んでいて、ひとつ前の列では潮と京がわざわざ隣同士に座って携帯のゲームに興じている。そのさらに前
もっとみる合宿に向かうバスの中は中学三年間いつも憂鬱だった、と由岐は後ろに流れていく田んぼと畑の繰り返しを眺めながら思い返していた。もっとも、二十二人乗りのマイクロバスをひとりで二席占領できるこの部の人数は中学の頃の記憶にはそぐわない。後ろから二列目の窓際に座る由岐のちょうど反対側では拓斗が窓に寄りかかって眠り込んでいて、ひとつ前の列では潮と京がわざわざ隣同士に座って携帯のゲームに興じている。そのさらに前
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