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SEE HEAR LOVE 七夕の再会 Director’s Cut版

Amazon prime版とでは大きく印象がかわった。家で独りで観るのと劇場で皆と観る環境もちがったが、新たに追加されたシーンや大きな画面で、山下智久、新木優子の細部まで丁寧に演じている様子も伝わりやすかったのと、2回目だから少し慣れた部分もあったと思う。このSEE HEAR LOVE は、是非とも劇場でご覧になるのが一番だと思います。

この上なくフォトジェニックな2人がスクリーンに映っているだけで充分魅力的な映像だから、目が見えなくなった男と耳が聞こえない女が、徐々に距離を縮めていく様子を、克明にみせてもらえたら、もっと胸に迫るものになったような気がする。真治(山下智久)の視力が失われ、絶望してゆく過程や保育園で懸命に働く響(新木優子)が、真治のマンガに心を寄せ大切に思っている気持ち、絶望した真治を全力で止める響のシーン(10分の長回しでヘトヘトになったようだ)など、持っていかれるシーンも沢山あった。

映像も美しかった。山下君が言っていたが「ブツ撮り」の時も、人物と同様の拘りで撮影することに感銘を受けたと。ここは見習うべき部分だと思う。言い尽くされたクリシェだけど、やはり「魂は細部に宿る」だと思う。

舞台挨拶の様子は、動画を見るのが一番ですが、山下は「手話やピアノに時間を費やす努力家なところをリスペクトしています。新木さんがいると、現場が和やかになりました」と話し、新木は「山下さんは変わらずそこにいてくださった。人に対して緊張感を与えず、誰に対しても分け隔てなく接してくださる姿に助けられました」と、お互いの息はピッタリだったと思う。

アルバム「エロ」発売後のLIVE TOUR 2012 横浜アリーナ以来の再会
山下君との出会いは23年前、2000年。「ガキバラ帝国2000!」「ガキバラ!」「USO⁉ジャパン」で3年半仕事をした。その間、NEWS結成。預かっていたメンバーから山下、錦戸の2人がデビュー。ディズニーランド近くでお披露目「良かったね、ホント良かった」とお祝いした。その後は映画「あしたのジョー」の書籍を制作したり、コンサートの際に挨拶したり、ドラマの感想などを時々やり取りしていた位で、最後に会ったのは2012年の横浜アリーナ。10年以上の時が過ぎ、覚えてくれているのか少し不安。舞台挨拶が終わり、浴衣姿の山下君が前から歩いてきた。手を振ったら「あれ?戸髙さん!なんで?なんでここに!!」と笑顔で言ってくれたのでひと安心したが、バックヤード全員が「このオヤジ誰だろ?」みたいな空気にはなった(笑)。「子供の頃からお世話になってて、ボク何歳でしたっけ?」とフォローしてくれて「14歳だった、最初(笑)」とお互い懐かしんだ。「コンサートぜひ来て下さいネ」とマネージャーを紹介されたので9月が今から楽しみです。

しかし、素晴らしい記憶力と観察力(ボクは当時とかなり変わったような気がするw)だ。優子ちゃんも「山下さんは常にジェントルマンで、本当に助けられました」と言っていたけど、SEE HEAR LOVE の2人の役柄は、かなり大変だったようだ。日韓カルチャーギャップもあるし、文化と言語を超えたりミックスしたりもあるから「阿吽の呼吸」の域まで達するのは困難を極めたはず。常に擦り合わせが必要だったはず。「これまでで一番大変な現場でした」と舞台挨拶でも言っていたが、実感だと思う。

「真治と響」以外の登場人物は、やはり韓流風味が漂っていたから、特に大輔社長(高杉真宙)、秘書(山口紗弥加)、真治の祖母(夏木マリ)の3人は演技テイストやキャラクター造形に相当、苦慮した気がする。余談だが「東京リベンジャーズ 決戦」の高杉真宙の演技や佇まいは見事で、知っている中で一番良かったと思う。機会があったらSEE HEAR LOVE の話を聞いてみたい。今後、国と国で合作する(予定は無いが)際の参考になると思う。社長が響を想うに至った理由のシーン等も沢山撮影されていたようなので、それも盛り込んだコンプリート版を見てみたいと思います。

SEE HEAR LOVE 見えなくても聞こえなくても愛してる
原作があるから結末を変えるのは難しいかもしれないが、最後に「見えるのか…」というのではなく、結婚式場面も含めハッピーエンディングは全て「響の儚い夢だった」という夢落ちでもいいから、悲劇で終わったバージョンでも見てみたい、と思いました。

「僕らの魂を受け取ってください」と山下智久が新木優子との共演SEE HEAR LOVE のコメントを出していたが、二人の魂は確かに届くと思う。それにはやはり映画館、劇場で観てもらうのが一番だと思う。








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