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長谷川ちえ
2021年1月20日 19:12
「小さくて感じのいい平屋の空き家があったよ。千葉の隠居みたいだったよ」 私がまだ東京に暮らしていた頃、三春で物件探しをしていた夫からそんな連絡があったのはかれこれ6年前。見つけた当初は借りることすら叶わず諦めていた平屋の家。その後も前を通るたびに「いい家だなぁ」とつぶやいていた。小さな家の背後にはケヤキの木がのびのびと育ち、気持ちよさそうに葉を風にそよがせていた。ピーチクパーチクと鳥の鳴き声が