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森岡書店×戸田デザイン共催 戸田吉三郎回顧展「これは裸婦か、哲学か。」

「一冊の本からインスパイアされる展覧会を行う書店」として注目を集める森岡書店と、出版の枠にとらわれず「心を動かすモノ、コト」を届ける戸田デザイン研究室。

この度、両社が共催で時代に埋もれた裸婦の画家・戸田吉三郎の作品に光を当て、回顧展を開催。銀座 森岡書店と神田神保町 文房堂ギャラリーにて作品を展示します。

また回顧展に先立ち、キュレーター/東京藝術大学准教授の宮本武典氏と森岡書店 店主 森岡督行氏の特別対談を無印良品 銀座にて行います。

世間のものさしで物事をとらえる危うさと格闘し、裸婦を通して真理を追求しようと試みたひとりの画家が問いかけるものとは何か…。
森岡書店と戸田デザイン研究室が時代を超えたメッセージを届けます。


コメント ・・戸田吉三郎 回顧展に寄せて

■1950年代、パリの留学生会館にお互い居住していて親しくなった。
あれほど交歓した歳月。
描きなぐったような裸婦の素描や油絵。たどたどしい筆あと。土くさい彩色。ぼくは好きだった。(一部抜粋)

洋画家/東京藝術大学名誉教授 野見山暁治

■それは有限な人生と、芸術の永遠とを行きつ戻りつできる、絵描きだけに約束された豊穣な場所。
戸田吉三郎とはその渚のような絵画空間を、存分に愛し、遊び尽くした人であったと僕は思う。(一部抜粋)

キュレーター/東京藝術大学准教授 宮本武典

■戸田吉三郎の裸婦を見ることは、もしかしたら鏡を見ることに近いかもしれません。
そこに写っているのはある女性の姿であるようでいて、鑑賞者自身の心情に他ならない。
戸田吉三郎は自身の絵画をそう考えていたような気がしてなりません。(一部抜粋)

森岡書店 店主 森岡督行

■回顧展詳細
・森岡書店
日時:2022年11月15日(火)ー 11月20日(日)
場所:東京都中央区銀座1-28-15 鈴木ビル1階
回廊時間:13時ー19時(最終日、18時まで)※入場無料
https://www.instagram.com/moriokashoten/

・文房堂ギャラリー
日時:2022年11月24日(木)ー 11月29日(火)
場所:東京都千代田区神田神保町1-21-1 文房堂ビル4F
回廊時間: 10時ー18時半(最終日、17時まで)※入場無料
http://www.bumpodo.co.jp/gallery/

■関連イベント
特別対談「画布と裸婦:戸田吉三郎が遺したもの」
宮本武典(キュレーター・藝大准教授)× 森岡督行(森岡書店 店主)
日時:日時:2022年11月9日(水)19時から
場所: 無印良品 銀座 6階
申込み:下記よりお申し込みください。
https://www.muji.com/jp/ja/event/event_detail/?selectEventId=4666
(事前申し込み定員制となります。定員になり次第、締め切りとさせていただきます。)

戸田吉三郎という画家

戸田吉三郎(1928−2016)は「真理を追求する絵を描く」と言う信念のもと、生涯にわたり裸婦を描き続けた洋画家です。

終戦後、東京美術学校(現 東京藝術大学)に入学し、将来を嘱望されフランスに留学。洋画家・野見山暁治氏らと共にパリで学びました。

帰国後は画家として華やかな道を歩んでいくように見えましたが、美術界の潮流や評価に背を向けるように創作に没頭。山小屋に籠もり、哲学書を読み、黙々と裸婦を描き続けました。

自ら作品について語ることを好まず、作品の制作年号を追うことも難しい画家ですが、一部の美術関係者から確かな評価を得ていたことも事実です。 美術評論家の米倉守氏は戸田吉三郎の裸婦について「媚態がない」と評し、その本質を高く評価しました。

山々のように雄大な空気を帯びた裸婦から漂う静けさと温かみ。粗い線で描かれた女たちから立ち上る生と死の混じり合う気配、痛み。世間のものさしで物事をとらえる危うさと格闘し、裸婦を通して真理を追求しようと試みた求道の画家。それが戸田吉三郎です。


回顧展開催のきっかけ

戸田デザイン研究室の創設者である戸田幸四郎(1931-2011)は、戸田吉三郎の実弟です。兄・吉三郎から多大な影響を受け、デザインの道に進みました。

自身の絵画の道を極める兄・吉三郎。デザイナーから51歳で絵本作家へと転身した弟・幸四郎。近しいようで異なる道を選んだ兄弟は絶交と和解を繰り返し、それぞれの人生を歩んでいきました。

現在、戸田デザイン研究室の代表を務めるのは、戸田吉三郎の甥である戸田靖。戸田吉三郎氏のご遺族が数年前から遺作展の開催を考えていることを知り、出版社でありながらも出版の枠にとらわれず「心を動かすモノ、コト」を届ける会社として戸田デザイン研究室がサポートすることを決意。

戸田吉三郎の作品を客観的な視点で捉え、共に作品の魅力を届けていくパートナーとして森岡書店・店主 森岡督行さんをお迎えしました。


回顧展に向けてメッセージ 戸田デザイン研究室代表 戸田靖

今、私たちは、あらゆる面で価値観の見直しが迫られる、未曾有の時代を生きていると思います。

しかし歴史を振り返ると、人間は予測のつかない事象や文明の進化と歪みの間で、幾度も価値観の崩壊に見舞われてきました。そうした苦難から人間の本質を見つめ直し、生き方そのものを考えるきっかけや生きる希望を与えてきたものの一つに、芸術や文学があります。

「我々、人間とは何か。」戦中・戦後の波乱の時代を生き抜き、哲学者が道を求めるように裸婦を描き続けた戸田吉三郎の作品には、私たちの心に響く強い何かが宿っています。

出版社の枠を超え、考える力・感じる心を広げるモノ・コトを提案してきた弊社。今、私たちが戸田吉三郎の作品を届けることは、一つの大きな責務であるようにも感じます。
加えて、さまざまな理念を共有できる森岡書店さんと一緒に戸田吉三郎の魂を届けられることに、大きな意義を感じています。

■スペシャルコンテンツ
 
【スペシャルインタビュー】森岡書店 店主 森岡督行さん
https://toda-design-column.blogspot.com/2022/10/blog-post.html

【スペシャル対談】
宮本武典さん(キュレーター/藝大准教授) × 森岡督行さん(森岡書店 店主)
https://toda-design-column.blogspot.com/2022/10/blog-post_14.html