戸田中学校、子供もスタッフも、みんなで学びをアップグレード!(戸田中学校)
このコーナーでは、ふるさと納税を活用したクラウドファンディングによる「戸田市未来の学び応援プロジェクト」について、夢のある提案を出された各学校からのメッセージを掲載しています。
第8回は、「一斉研修」から「個別最適な研修」へ転換し「自走する校内研修」をデザインすることで、自ら人生を切り拓く生徒の育成につなげることを目指す、戸田中学校です!
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1.今、学校としてどのようなことにチャレンジしているのでしょうか?
1-1.変化の激しいVUCAの時代に求められる教員研修
変化の激しい時代と言われる昨今、これまでの価値観がいつの間にか抜本的に変わっている、ということも珍しくありません。
教育分野においても例外ではなく、このVUCAの時代を生きるために、子供たちに必要な力を育むために、全国の学校が日々研究を進めています。
そのような中、戸田中学校では、「対話的・協働的な学びが、非認知能力を高め、学力を伸ばす」を令和4・5・6年度の研究主題に掲げ、教師の学びをスタートしました。
私たち戸田中学校スタッフは、3年間の研究を通して、質の高い授業や教育活動を展開する力を身に付け、新しい時代をいきいきと生きる力を子供たちに育もうとチャレンジしています。
1-2.戸田中学校の令和4年度の研修で見えてきた課題
初回の研修では、3年間の研究のキックオフとして、スタッフ全員で研究のゴール(=最上位目標)を「自ら未来を切り拓く生徒」と定めました。
また、生徒が未来を切り拓く力を育む機会としてPBLに着目し、全員でPBLについて学び直し、実践を進めてきました。しかし、1年目(令和4年度)の研究を省察したとき、2つの疑問にぶつかりました。
1つは、「現在の研究スタイルでPBLを推進できるのか?」という疑問でした。
自前の研究だけでは自己満足で終わってしまう。専門的な知見をもった外部人材の力をお借りし、脱・自前主義の考え方で自分たちの学びをオープンにしていかないと、研究が先細りしていくのでは、という危機感からの疑問でした。
もう1つは、「職歴も教育観も異なるスタッフが、一斉型・講義型の研修で本当に学ぶことができるのか?」という根本的な疑問でした。
本校のスタッフは最大40年の年齢差があります。そのため、必要としている学びの内容が当然異なります。そのような状況なのに、これまでの研修スタイルでよいのでしょうか。
子供たちに対話的・協働的な学びを促したいのなら、まず私たちがこれまでの学びを見直し、対話的・協働的な学びを実践することが、まさに「新しい当たり前」であり、その良さを教師自身が体感することが、子供の学びに脱・教師主導を浸透させることにつながるのではないか、という発想の転換を迫られました。
1-3.前年度の課題を踏まえた令和5年度の取組
研究2年目にあたる令和5年度は、これまでの「一斉に・同一歩調で・ワンテーマを学ぶ」といった教員研修のステレオタイプを、以下のように見直すことからスタートしました。
①「一斉に学ぶこと」も重要なので、引き続き大切にする。
②「個別最適に・各自のペースで・最も学びたいテーマも学ぶこと」も新たに始める。
③最上位目標「自ら未来を切り拓く生徒」に向けて、みんなで進める実践と、各自が進める実践という2つの実践をそれぞれ重ねていく。
上記①~③の方向性を踏まえ、校内研修を3つの「コア研修」に再編成しました。
・「PBL研修」…全員が同一歩調で研究する研修で、前年度に引き続き、研究の主軸として進める。
・「PBS研修」…授業その他教育活動で経験の浅い若手教員が、生徒に前向きな行動支援(Positive Behavior Support)ができるように学ぶ。
・「学校課題研修」…各教科の視点から「主体的・対話的で深い学び」を促すための授業改善を進める。この研修では、教科等横断的な学びをイメージできるよう、3~4教科等の教員でチームをつくり、ラウンドテーブル形式で実践発表したり小テーマを設定して対話を重ねたりする。また、学校課題研修は管理職向けの研修も設定しており、学校・研修のマネジメントについて管理職が学ぶ。
この3つの「コア研修」には2つの特色があります。
1つ目の特色は、前年度の疑問を払しょくするために、すべての研修に外部指導者を配置しました。PBL研修は、教育コンサルタントに定期的に研修に加わっていただき、各学年のPBL推進に伴走していただいています。
また、PBS研修・学校課題研修には、大学や教職大学院の研究者に御指導を依頼し、対話型研修をファシリテートしていただいています。
もう一つの特色は、スタッフの主体的な研修運営です。
トップダウンや一部のスタッフのみで運営するスタイルを廃止しました。すべての研修にリーダーやチームリーダーを付けて、リーダーを中心に小テーマのとりまとめや指導者との事前・事後の調整を行い、「学びたいテーマを設定して、自ら研修を企画・運営」するスタイルに変更しました。
このように、教師の学びを変えることで、子供たちの学びを変えていこうと取り組んできました。
2.そのような中で、なぜこのクラウドファンディングに応募しようと思ったのですか?
これまでの「一斉型・講義型」の教員研修を「主体的・対話的・協働的」に変えたことで、大学など学校外部のアカデミックな知見を、教師が能動的に取り入れられるようになりました。
この最先端の学びを担保するうえでは、外部指導者の存在が非常に大きいです。学校のスタッフは実践者として日々頑張っていますが、日常の学校生活では、最新の理論や今日的課題について考える機会は多くないのが現状です。
そのような中、専門的な知見をもった方々との対話は非常に刺激的で、徐々に「理論と実践の往還」が生まれつつあります。
しかしながら、率直に申し上げて、今年度はまだ「道半ば」です。
教師の学びも、生徒の学びと同様に、1年で完結するものではありません。
今年学び、来年も学び続けることで、理解が深まっていくのであり、継続することが大切です。
次年度も今年度の流れを継続し、教師の学びをさらにグレードアップさせて、子供たちの学びに還元していきたい。
そのための、大学教授など指導者への謝礼にあてるため、クラウドファンディングの御支援をいただけるとありがたいです。
確実に子供たちに還元させる覚悟です。
3.このプロジェクトにかける思いを教えてください!
「自ら未来を切り拓く生徒」を育てるためには、私たちスタッフが自ら未来を切り拓く教員となることが重要であることに気付きました。
「教師の学びと子供たちの学びは相似形」と言われています。その言葉どおり、スタッフの成長を通して、子供たちの成長に還元させていきます。
そして、戸田中学校全体をアップグレードします。同時に、主体的・対話的・協働的な「ニュー教員研修」を示すことで、産官学の連携をはじめとする教員研修の在り方についてさらに研究していきます!
戸田中学校さん、お忙しい中メッセージをありがとうございました!
ぜひ、これまでの教師の学びの「当たり前」を見直し、教師も子供たちも自走する学校づくりを目指すこの挑戦に、御支援をいただけますと幸いです。
今後とも引き続き、戸田市の教育改革への挑戦への御指導の程よろしくお願い致します!
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