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私たちの古民家について

まずは所有することになった古民家について書こうと思います。

戦後すぐに建てられた築約80年の住宅です。
戦後だからなのか?
北海道の農村という地域柄なのか?
本州の古民家で使われているような
立派な構造材は皆無。
柱は4寸、梁は一番大きいのでも高さは1尺程度。
「古民家」で連想されるそれより随分と華奢な部材でできています。

「本州から宮大工が来て建てたらしい」と聞いたけれど
一般の農家さんが住宅を建てるのに
わざわざ本州から宮大工を呼ぶだろうか。
北海道の気候にはそぐわない縁側と田の字プラン。
このあたりが「宮大工を呼んだ」ゆえだということですが
真実は藪の中。

当時の手がかりは、この図面のみ。
板に墨で書かれたものですが、、

家に残されていた当時の図面

なにこれめちゃめちゃ簡易!
この様子じゃ立面も断面はおろか平面図も無さそう。
いや、これが平面図なのか。

とにもかくにも、
80年間、時々あった中規模地震と豪雪に耐え、
つい数年前まで建て主の農家さんが
おばあちゃんになるまでお住まいだった家。

単板ガラス、隙間風スースーの縁側で
暮らせていたことに驚きですが
北海道も、つい60年くらい前まで
「寝てたら布団が鼻息で凍ったもんだ」なんて話も聞きますからね。
とはいえ
ここ2~30年で急激に進歩した気密と断熱の
恩恵を受けて育った私。
建築教育でも、
気密と断熱がマスト、と習ってきたものですから
経験がないレベルの
「無断熱・無気密」具合に
未知のものに対する漠然とした不安、を感じての
着手となりました。

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