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イスラエル旅日記2 エルサレム

イスラエルの友人宅にも泊まらせていただきました。テル・アビブの郊外にある閑静な住宅街で、とても素敵なところでした。
金曜の夕方から土曜日にかけては電車とバスが全部止まるから気をつけて、というのも友人宅で聞きました。国教であるユダヤ教のシャバッという習慣で、家族と過ごすためなんだとか。友人はユダヤ教も神も何も信じていないタイプで、こういう若い人もけっこういるみたいでした。
エルサレムに行ったらいいよ!
と友人宅でオススメされました。フリーのツアーがあるから、申し込めばいろいろ説明してくれるよ、とのことで早速申し込んで楽しみに当日を迎えました。が、どうしたことか、この日に限っていつもホイホイ一緒に出かける猫ちゃんが、出かける時刻だと言うのにベッドの下に潜り込んで全く出てこようとしません。すったもんだの末、猫ちゃんにはキャリーに入ってもらい、ようやくバスでエルサレムへ。
イスラエルは全土にわたりバス交通網が発達していて、車がない場合はほぼバスの移動が一般的なようです。電車も一応ありますが、乗ったらなんだかスピードが遅くて?地下鉄のようにどこにでも行けるとかではないので駅から降りて結局バスに乗るので、一度試しにと電車乗ったあとはずっとバスばかり使っていました。目的地によっては電車も便利そうですが。ちなみに、バスは乗りたかったら手を上げるなり目の前の道路を指差すなりして「私のために止まれ」という意思表示をしないと止まってくれません。これはスペインでも同じでした。車内満員で立っている人もいるような状態のときは、バス停が砂漠の真ん中であっても乗せてもらえず、次のバスを待てと言われました(笑)。よくあるみたいでした、これ。そしてバスは庶民のメイン交通手段なのでよほどマイナーな路線でない限りわりと本数が多かったです。ちなみに乗車するとき「あの、猫ちゃんいるんですが大丈夫?」と聞いたら「ハイどうぞ」で、アレルギーがどうたらと言われたことは海外では一度もなかったです。むしろ「猫アレルギーって何?そんなのあるの?」とすら聞かれたくらいで…(笑)。免疫力が全然違うのでしょうか、その点はすごく過ごしやすかったです。

さて、エルサレムには着いたものの、完全遅刻で待ち合せのゲートには誰もおらず。しばらくウロウロ探してみていたら、道端で大きなパンを売っているおじちゃんが声をかけてくれました。「ツアーに遅刻しちゃって…」と言ったら、なら自分で回ればいいし、よかったらあとでコーヒーを飲もうよ、と誘ってくれました。
エルサレムの街中は狭い路地がひしめき合っていて、歴史的な建造物と住宅街が特に表示なく隣り合い、どの建物も同じ素材の白い大きな四角い石でできていて、石の加工技術が相当発達しているなという印象でした。
後に日本で読んだ本でイエス・キリストはイスキリ「石切り」に通じていて、石大工だった可能性があるようなことを読みました。イエスJesusは現地読みでジョシュアだという説もあり、音的にはどうなんかな、という感じですが、石大工の人口は相当多かったという意味ではイエスさんもその一人だったかもしれません?

エルサレムツアーに遅刻した私と猫ちゃんは素敵な石の街を何となく歩き回って堪能し、そうこうするうちにツアーの人たちと遭遇し、途中から参加しましたが、周りに観光客が多すぎて説明はほぼ聞こえず(笑)、ただただ石造りの美しい街を楽しく歩きました。居住区ではユダヤ教徒とキリスト教徒、一部イスラム教徒もいたっけ?の多宗教がそれぞれエリアで区分けされてひしめき合うように住んでいる、という説明は聞こえて覚えています。街の建物は二階、3階建てになっているところが多くて、立体交差もしているし、迷路のようでした。敵襲に備えた構造なんだろうなとは思いました。

ゲートのところに戻るとさっきのおじちゃんがいるではありませんか。約束通りおじちゃんはコーヒーをご馳走してくれて、午後の日陰のテーブルでしばし歓談する中で、おじちゃんから意外な提案。「連れていきたいところがあるんだ。普通だとなかなか行けないところに案内するよ」と。お、これは怪しいと思えば怪しい展開ですが、おじちゃんから変な邪なエネルギーは感じず、わりと純粋な申し出のようです。私は快諾し、レンタカーを運転してもらって連れて行ってもらうことにしました。
この時は、こうしてイエス・キリストの足跡を辿る旅が始まることになるとは夢にも思いませんでした。

あの日、猫ちゃんが時間調整のためにグズって遅刻しなければ、この展開はありませんでした。私の人生、猫ちゃんの導きなしには開かなかったのはこの時だけではありません。こうして役割を果たしてくれることに心からの感謝と、せっかくの旅のエピソードを出すのがすっかり遅くなってしまったことも、ベストのタイミングで誰かに届きますようにと願っています。

続く

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