腐女子のつづ井さんと新しい生き方

 こんばんは、初めての本格的な投稿です。今回は「まるごと 腐女子のつづ井さん」というコミックエッセイについてお話しようと思います。

「腐女子のつづ井さん」って?

初めての本格的な更新から、少しアブノーマル感のある「腐女子」について触れるのはどうかと思ったんですが、このエッセイは「オタクっておもしれ〜」という内容と共に、これからの「個人の幸せ」についても読み解くことのできる一冊だと感じたのでチョイスしました。

  自分とお友達のオタクライフ描いた絵日記が話題となり書籍化されたりメディアに取り上げられたり……「2020年このマンガがすごい!」を受賞、「文化庁メディア芸術祭」推薦作品になったりと本当にすごいです。

 つづ井さん自身も仰っていましたが、「腐女子のつづ井さん」の絵日記は彼女が大学生〜社会人(現在)になる間に起こったことが描かれており、私が初めてつづ井さんの絵日記を読んだ時(中学生くらい)はまだ大学生だったのでは……と思います。

 作中ではあまり触れられていませんが(版権の問題だと思います)、昔は二次創作の漫画も描かれていたのをまだ覚えています。多分とある作品の推し高校が被っていて、つづ井さんの描かれた推しの漫画に狂喜乱舞していた中学生でした。また、ピクシブの方では創作漫画も描かれていて、絵日記とは違った静かでいてメッセージ性のある漫画がとても素敵なのでそちらもいつか掘り下げて欲しいなぁと思ったりもします。

「まるごと腐女子のつづ井さん」を読んだ。

まずは読んでいてとても楽しい。オタクとして「わかる〜〜〜!」というセリフとアクション、オタクならではの葛藤。つづ井さんが楽しそうだと私も楽しい。もはや「つづ井さんのオタク」と化してしまっている私。

ただ、つづ井さんは「腐女子」なので、きっとこのエッセイは「マニア」の人にはあまり理解できない話かもしれません。「オタク」も千差万別、星の数ほど種類はありますが、彼女は「二次創作を楽しむオタク」。同じ「アニメ・漫画好き」でも漫画を読んでキャラのその後に思いを馳せたり「推しカプ」を見つけたり……そういう作品の二次的楽しみ方をしない人は「こういう楽しみ方もあるんだなぁ」という感想になるかも。

つづ井さんと新しい生き方

つづ井さんとそのお友達の、クリエイティブで愉快なオタクライフは本編を読んでくれとしか言いようがない。

↑こちらのピクシブコミックからかなりの話数を読むことができます。つづ井さんの楽しいオタクライフが気になった方、名前は知っているけど、という方!騙されたと思ってまずは読んでみてください。

ここからが本題

私はこの「腐女子のつづ井さん」を読んで「新しい生き方を示してくれている」と思いました。もちろんつづ井さん自身、描き始めた当初は「お一人様の新しい生き方を世の中に広めるぞ!」と思っていた訳ではないと思います。けれど、つづ井さんが楽しく、クリエイティブに、元気一杯に自分の生活を続け、それを絵日記で綴ることで、元気をもらった人はたくさんいるし新しい生き方に気づくことができた人もたくさんいると思います。

世の中にはいまだに「男女が結婚し、家庭を設け、子供を育てること」が「正解」であり、「幸せ」だと考えている人はたくさんいます。大学生の私でさえ家族や親戚から「彼氏いないの?」なんて聞かれることはしょっちゅうです。社会に出て働いている人は「結婚しないの?」と聞かれることもあるかもしれません。

特に女性は「子供を産み育てることが役目であり幸せ」という考え方を知らず知らずのうちに周囲の人から強要されるような気もします。体感ですが。
そんな中でつづ井さんは「好きなことと友達」、これがあれば人生楽しい!ということを明るく楽しく描いてくれるとても素敵な方なのです。もちろん絵日記に描いていないだけでつづ井さんにも辛いことや悩みはあると思いますが……

ただこの絵日記に「オタクの生態おもしれ〜w」という目ではなく、「自分の好きなことを全力で追いかけ、友達と過ごす」という幸せを描いている点に目を向けてほしいと思って今回更新しています。
もちろん「結婚して家庭を持つ」ことに幸せを感じる人を否定したいわけではありません。ただ「男女が結婚し家庭を持って子供を産む」ことが全員の幸せとは言えない時代になっているとは思います。結婚願望がない人、恋愛をしようと思わない人、パートナーとの結婚が法的に認められない人、シングルマザー、シングルファザー……色々な人がいて、色々な形の幸せがあります。

人には人それぞれの幸せがあって、それは他人や大衆の思う「幸せの形」とそぐわないかもしれません。ただそうであるからと言って否定するのは違うでしょう。ただ「男女が結婚し家庭を持って子供を産む」ということが幸せだと考えている人には、そうではない幸せを理解できないかもしれません。今までの考え方を改めろというつもりはありません。ただ理解できないのなら、干渉せずにそっとしておくことはできないのか、と思うことは多々あります。そういった人たちがそれぞれ幸せになったところで、否定する人になんのデメリットもないのですから。

かくいう私もつづ井さんと同じように、自分の好きなことと、楽しく過ごすことができる友達がいれば十分というタイプです。恋愛したいと思いませんし、結婚願望もありません。ただこんなことを言うと「恋人ができないオタクの僻み」のように取られてとても悔しいです。私はいまのままでこんなに楽しいのに、「恋人がいてなんぼ」みたいな価値観に沿ってジャッジされ「強がりを言っている」なんて思われるのは心外です。個人的には「おひとりさま」という表現もあまり好きではありません。揶揄というか、少しバカにしたような意味合いを感じるので。

つづ井さんは「趣味楽しい!オタク楽しい!友達と遊ぶの楽しい!」と言う幸せを噛みしめる人たちの道を切り開いてくれていると思っています。結婚とか、男女間の恋愛を押し付けられたとき、「あぁ嫌だなぁ、生きづらいなぁ」と思うことは多々あります。そんな時は本棚からそっと「腐女子のつづ井さん」を取り出し、「オタク楽しいよな〜〜!ふふっ!」と元気をもらいます。つづ井さんありがとう〜〜〜〜!!!


心の師匠!つづ井さん。そんな勝手に師匠と崇めるつづ井さんのtwitterはこちら↓


私が読んだのは文庫版「まるごと腐女子のつづ井さん」です。今まで刊行された「腐女子のつづ井さん」全3巻が一冊にまとまった超お得な形に!サイコーだぜ!


このコミックエッセイを読んで、私もこういう生き方で楽しく過ごすぞ!と思うとともに、個人の幸せを追求することにもっと世の中が寛容になってほしいと改めて感じました。幸せに正解はないと思います。興味を持ってくださった方、ぜひつづ井さんの漫画を覗いてみてください!元気が出ます!


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