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体験記事から

こちらの記事に対する感想です。
全文個人の主観によるものだという点を最初にお断りしておきます。

注目したい症状

 ・発熱
 ・筋肉痛、関節痛
 ウィルス性の感染の特徴が出ています。

診察について

 診察については熱と筋肉痛で通常に外来する事が良かった(と言ってよいのか分かりませんが)と思います。
 かなり真面目な方なのか広報アナウンスに従い、情報の渦中にあるウィルスと疑って保健所に連絡を取ろうとされましたが結局頼りになったのは診療所でした。
 診断は医師がするものなのでわざわざ流行りのウィルスでは?と断る必要はないと思います。ただ、感染を防ぐ装備と行動で行って欲しいとは思います。
 病院は最初から大きな病院に行く方があらゆる意味でベターです。
 仮に余分に初診料を取られても損にはなりません。

診療費

 CTは費用が高いです。

肺炎が細菌性かどうか

 通常、肺炎には細菌性とウィルス性があります。症状の違いは

 ・細菌性の場合、痰や飛沫を伴う咳。痰は色が付く。
 ・ウィルス性は空咳

 といった感じになります。
 CTを見れば細菌性かウィルス性かは分かりますが、
 ウィルス性かどうかは実は細かく見ないと分からない場合があります
 CTは分解能が高いので細かく見るかどうかは医師の技能もあります。
 レントゲンでも確度はCTより劣りますが分かる事があります。
 レントゲンの方が姿勢を変えるなどして差分から判定できる事があるので
 技能の高い技師はそうした撮影を行ってくれます。
 こういった意味でもとりあえずCTという医療施設よりその他の検査を丁寧に行ってくれる医療機関の方が診断が正確です。

 ここでなぜ細菌性と判断されてしまったか理由が幾つか考えられます。
 可能性が高いと思われる順に書きます。

 1. ウィルス性肺炎になった後、細菌性肺炎となった
  この場合、肺炎が重症化するケースがありますが、ウィルス性肺炎がほとんど進行せず軽微に終わったとすると細菌性肺炎も軽く済んだということなのでしょう。

 2.ウィルス性肺炎も発生していたが範囲が小さかった
  ウィルス性肺炎の病変が細菌性肺炎に比べて小さかったのでCT像を拡大してよく見ないと分からなかった可能性があり、全体像として細菌性の特徴が出ていたのでそこで判断されてしまっていた可能性があります。

 3.気道への感染で症状がほとんどなかった
  気道では症状化するほど感染が進行しなかったので、痰や咳による症状からの判定ができなかった可能性があります。

 4.細菌性肺炎だった
  一応、断っておいた方がいいと思いますが、細菌性の肺炎にはなっていたと思います。肺炎の主な症状はウィルス性ではないと思います。
  これが重要なのは、抗菌剤を処方されて改善?されています。抗菌剤はウィルスに感染した細胞が作られる事も防ぐのではないかと考えますが、ウィルス性の感染であっても細菌性の感染を防ぐ意味でも有効です。
  逆に処置が適切だったか明確に言えないのは…

解熱剤

 解熱剤はインフルエンザで脳症の原因となることが指摘されています。高い発熱の場合は仕方ありませんが、そうでない場合は使用しない方が良いという判断もあります。使用する場合もインフルエンザの場合はアセトアミノフェノンなどの効き目の弱めの薬が処方されますがこちらも脳症になった方がいらっしゃいます。体温が下がる事でウィルスが活性化する場合があるからです。
 日本では髄膜炎の患者が出ましたが、もしかすると解熱剤が大量に出回っているせいかもしれません。どの科の診療を受けても炎症を抑えて熱を下げるロキソニンがたっぷり出てきますが抑制的に使用した方がいいかもしれません。筋肉痛なども改善はするかもしれませんが…。

 厚労省が呼吸器系の症状に対してウィルスの定義を掘り下げたため、厭が応にも肺炎に注意が向けられてしまいますが、ウィルスは全身で感染して様々な症状を起こしますので、肺の抵抗力が上がってくれば他で暴れるといった事も起こります。
 この場合、発熱と嗅覚への症状が新たに出てきているので注意が必要な所だと思います。脳に近い所へ症状が移行しています。

 血液検査で炎症が収まりつつあったようですが、肺の組織が損傷を受けていて急には元に戻らなかったので一時的に呼吸が辛くなられていたようです。

PCR検査は意味があるか

 軽症の場合は治療は変わりませんが

 1.感染防止行動が取れる
 2.生死にかかわるような場合、一か八かクロロキンやアビガンの治療の選択がある

 ため、無意味ではありません。
 1. は本人には直接的なメリットはありませんが、近しい人が感染して亡くなったりすると本人的にも地獄です。
 公衆衛生的な意味が大きいのでなぜ公的に勧奨しないのかはご本人が感じた通り疑問です。

保健所は忙しいか?

 長くなるので割愛しますが、日米安全保障条約上の合意で保健所は米軍司令官に感染症に対する報告をしなければいけない事になっています。

 一方、国内の基地では感染した米軍兵士が街中へ外出しており、日本からの注意喚起が無視されている事が報じられています。

 また、保健所は現在以下のような案件があり、政治的にも動きが悪くなっています。(感染症の電話は本数が限定されていると思います)
 ・営業許可更新手続きに伴う業務
 ・食品衛生法改正手続き(今春はカロリー表記の義務化)

 ノロウィルスのように感染予防指導をしていればもう少し感染も抑えられたのではないかと思いますが、この時期にそういった注意喚起を行うと折からの不景気もあるため許可を更新しない業者も多数出たと思います。許可更新の際には事業の規模に応じ保健所への更新費用の支払いがありますが、こちらの金額が減ることになります。

 厚労省が呼吸器系の症状と感染に定義した事で、ノロウィルスと同じパターンで予防指導ができなかったというのもありますが、本来的に感染症予防指導は保健所の業務です。

肝機能の低下

 ウィルスは各種臓器にも影響与えますが、今回報告されている中ではむしろ腎臓への負担が警告されています。
 肝臓は副作用成分含めて解毒処理の負荷がかかっていますので投薬の際は一様に機能が低下します。

 投薬治療が難しいのは副作用が出ることで、なるべく薬の量を減らすことと種類を増やさない事がベターです。

 例えば抗菌剤が良い菌も攻撃すると言われたそうですが、細菌性肺炎の場合も菌種を特定する検査を受ければ適切な抗菌剤(目標の菌を主に攻撃する薬)を使えるのですが、そうでない場合は手当たり次第に攻撃する万能薬的な薬剤が使われてしまいます。

 検査を省くということはこういったデメリットもあります。

 本人が回復する事を見込んでの荒っぽい治療になりますので、回復しなかった場合は逆に処方が限られてきてジリ貧になり、医療プロセスの選択ミスで亡くなることになりかねません。

 投薬治療の際は副作用に注意して自覚症状や不安な点を細かく伝えた方がよいと思います。

この記事が役に立つかどうか

 元の記事を読んだ感想ですが、感染した人が不安になるような対応が多く、判断を誤りかねない危うい状況が多いと思いました。

 解説が必要と思いました。

 医師の先生がイケメン発言に聞こえたのもそのせいでしょう。
 冷静に見ればまだ管理できる状態だったのでしょうが、本人の不安が周りに伝わるくらい酷かった事が読み取れます。

サポート頂けると嬉しいです。