見出し画像

魔法は現地のみでお願いします

「えー、お母さんと2人だけー?友達は?ばぁばは?」
「何よ、お母さんとデートは不服なわけ?」
「だって、お母さんと2人だと、お母さんばっかり好きなの選ぶじゃん」
「それは知ってるものの特権じゃ!!フハハハハハ!!」


茨城県の実家に帰る際、思いつきで夢の国のチケットを購入した。

なんとキッズ半額。
アプリで調べてみると、待ち時間も45分とかザラに出てくる。
1人興奮していると、娘が「45分ーー!?なっが!」と目を丸くした。
いやいやいやいや、お母さんが昔行ってた時は120分待ちでも少ない方だったからな!?


娘が小学校に上がる前、2度ほど、それもやっぱり実家帰省の際にディズニーランドへ行った。
その時は、母も元気だったし、娘も幼かったため、3人だった。

ちなみに、我が家の男子連中はディズニー=地獄と解釈しているので、ちっとも一緒に来やしない。

「覚えてる?ディズニーランド行ったこと」

そう聞いたら、「ぜんぜーん!」という答えが返ってきた。
むむ、断片的にでも覚えておけや。
そう思ったが仕方がない。
こうなったら新たにディズニーの思い出を作ってやろうじゃないか!
(単に私が行きたい)


そういうわけで、今回は娘と2人だけの夢の国。
とりあえず、車だ。
茨城県民は、ディズニーランドへの道のりに電車は選択肢として入れていない(私調べ)

前回も私が運転して行ったのだが、大人(ばぁば)が隣にいてくれるのと、まるっきり自分の判断になるのとでは、心の余裕が違う。
じぃじの車のカーナビは、ほぼ10年前のものだ。

大丈夫かしら…

いや、今どき携帯がナビしてくれるだろう。
友人が「外環道使ったら早いよ!」とも教えてくれた。

首都高速を避けるため、鹿島市を経由する道のりもある。
しかし、それは道のりの半分が一般道になるため時間がかかってしまう。

できるだけ簡単に、最速で現地に着きたい。
そして私は今、日本で最も複雑かつ荒々しいとされている大阪に生息している。
「この勝負、勝てる…!!」
私たち親子は、ワイルドに車に乗り込んだ。

三郷みさとJCTまでは快適だった。
『渋滞のため、ルートを変更します』
携帯が勝手にルート変更するもんだから、「おい!外環道は!?」とプチパニックになった。
そもそも、こなれたふうに外環道とか言ってるけど、それがどう走っているかも知らないんだから、ルートを変更されたところで、黙って携帯のいうことを聞いておけばいいはずだがしかし私は動揺。
そのうえ携帯の画面が小さい。
「左折です、その後右折です」に翻弄されているうちに、高速を降りていた。
イッツ・ア・マジック!!
いや待って。まだ夢の国についてない。魔法が早すぎる。


その後、どうにか夢の国に着いたのは9時7分。
くっそうー!9時開園と同時に走り込んで、美女と野獣に並ぶつもりだったのに!
という、私の地団駄をよそに、娘は「わー!ここ来たことある気がするー!」とファンタジックなセリフを言っていたが、デジャブじゃない、何度でも言うぞ、君は3度目だ。

ところで、ディズニーランドといえば、私も若かりし時代、幾度かデートでやってきている。
ビッグサンダーマウンテンに乗り込む2時間待ちの間で喧嘩したこともあれば、プーさんのハニーハントの可愛らしさに「いやいや、お前の方が可愛いって」「やだもー何言ってるの!」うふうふ…などと、若干うざめの空気を醸し出したこともあった(遠い目)
友人と来た時は、好きな男の子にキーホルダーのお土産を買ったけど、どうしても渡せなくて、結局私が使った、なんて思い出もある。
彼らは今、元気だろうか…。

アトラクションを待つ間、そんな話を娘にした。
「君もいつか、お母さんとじゃなく、好きな子とデートに来るんだろうね」

すると、娘が「ね、お父さんとは来たことはある?」
そういうものだから、夫と来た記憶を探る。

そう、あの時はものすごい渋滞にハマり、膀胱が限界を迎えた。
ようやく現地に着いた時、臨時駐車場の簡易トイレしかなくて、半ベソで駆け込んだのだが、そのトイレがなかなかの汚さで、夢の国の入り口はエグい、と思った。
ようやく入場できると思った時には、入場制限がかかっており、2時間ほど、夢の国を目前にアスファルトに座り込んで腹ペコになり、2人の空気がだいぶ澱んだ。
そうして、やっとやっと夢の国に入場できた時には夫は疲れ切っており、どの待ち時間も3桁単位だったものだから、彼は「お前の国なんて鎖国に追い込まれろ」とミッキーに対して呪いの言葉を吐いていた。

という記憶しか出てこないんけど、これを娘に話していいものなのか?

「お父さんと来たときは地獄のように混んでいてね、あの時は、ミッキーのマジックも黒魔術だったよね。それなのにお父さんとは喧嘩にはならなかったから、なかなか相性はいいと思ったもんよ、そういう勘って大事」
と、わかりにくい説明をしてみたが、娘にちゃんと伝わったかは謎だ。


「ちなみに、今日、このディズニーランド、ガラガラと言っていいレベルで空いてるからね!」
そう説明すると、娘は目を丸くした。
「これで!?」
そうよ、だから、好きなアトラクション選んで並びなさいな。

そんなわけで、娘が乗りたいと言ったものは全部乗れた。
そのうえパレードは全く待たないで2列目ぐらいで見られてしまうものだから、快適極まりないまま、閉園まで堪能。
天気も、曇り空、時々晴れ、という抜群のもので、私たちは1日浮かれて過ごした。
娘に全く手がかからなくなったというのも、快適の所以だ。
大きくなったなぁ!

帰りの高速では北関東道でうっすら霧が出て、しかも他に車が全く通らないものだから、黄泉の国に吸い込まれる…!という恐怖と戦うことになったのだが、そのぐらいのパニックは想定内だ。
むしろ、これすらアトラクションと思えば楽しいもんだ。
いや嘘です、めちゃくちゃ疲れました。

「ねぇお母さん!私、またお母さんとディズニーランド行きたい!すっごくすっごく楽しかった!」


後日、携帯に録画したエレクトリカルパレードを再生しながら、キラキラの笑顔で言われた時、母さんは、ミッキーのマジック以上のものを娘にかけられた心地になったので、多分次回も、早朝及び深夜の高速で魔法にかかることも厭わないだろうと思うのでした。
(早く着く魔法だけにしてほしい)

美人と野獣のアトラクション
動画も撮り放題で太っ腹。
エレクトリカルパレードは何歳になっても、感動してしまう
新幹線に持ち込んだポップコーンバゲット
荷物多くてすごい邪魔だったけど幸せそうだから許す(笑)


そうそう!
なんと1日違いでinfocsさんも夢の国にいらっしゃってました!
5人のお子様たちの賑やかなご家族の連携プレー、見たかったー!😆



この記事が参加している募集

#イベントレポ

26,215件

#夏の思い出

26,395件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?