映画『FALL』の感想(ネタバレ)
すごかった。手の汗が止まらなくてずっとハンカチを握りしめてたし、映画が終わった直後は足が震えてた。
ジャンルはスリラー、サバイバルなどになるらしい。
予告では、「女の人2人がすごく高い鉄塔(テレビ塔らしい)に登ったら、なんと降りられなくなってしまい…!?」みたいな感じだったから、世界仰天ニュースでたまにやってるような、気軽にハラハラドキドキできる映画なんだろうな~と何も構えず行ったのに…今年始まって以来最も震えた。でもおもしろかった!でも怖かった!でも(エンドレス)
まず、高いところに登るシーンの音がいい!
メインの鉄塔もそうだけど、冒頭でロッククライミングのシーンもあって、どっちも音が恐怖を煽る。風切音やはしごの金属音、踏むときのじゃりっとした音とか。撮影してあとで見返すときの音と、自分が実際にそこにいるときに聞いている音って違うと思うんだけど、後者の音に近いように感じた。だからいやにリアルで、すごく没入感があって怖かった。
このリアルさは、映画館の音響の影響もあるのかも。家で観れば、ここまで震えなくてすんだかも。
はしごのねじがゆるみはじめてるカットもちょこちょこ入ってきて、そういうのもじわじわ怖くてよかったな!
恐怖と闘いながら、泣きそうな顔で登るベッキーの震える息と声も怖さを増幅していた。ああいうとき、つい同じ表情して観ちゃうわー。
あと、持ち物をフル活用してサバイブするところが楽しかった!
スマホのライトつけて振ったり、ドローン使ったり、レシートやアイライナー、靴、下着、自撮り棒なんかも!サバイバルにスマホは役立たないかと思いきや、一番活躍していたのが意外だった!
地上600mの鉄塔ではスマホの電波が入らないから、あらゆるものを緩衝材にして、メッセージやインスタ投稿を送信中のままスマホを落下させるんだけど、電波が入ったらちゃんと送信されることに地味に驚いてた。
「送信できませんでした」の丸い矢印が出て、もう一回タップしないと送れなかったような気がしてた…帰り道に思わず実験した。機内モードのまま出前館にLINEスタンプ送って、機内モード解除したらちゃんと遅れてた!すごい!私もスカイツリーに取り残されてサバイブするときは、スマホを落下させよう。
Filmarksの口コミで、「(スマホを地上に落とすため、あらゆる緩衝材を駆使せずとも)ドローンがあるなら、スマホをドローンにくくりつけて、コントローラーで高度を落としていけばいいんじゃないか」ってコメントがあって、目から鱗だった。頭いいな!!
映画ではドローンに手書きのSOSメモをつけて、モーテルのほうに飛ばして車に木っ端みじんにされるという絶望の展開だった。
でもあの最後の希望が打ち砕かれるシーンが、映画的には必要だったのかも?実際、あの場面は絶望感が大きすぎてちょっと涙出たからなー
あ、あの電球を外して、そこにスマホのプラグを接触させると充電できるというライフハックも面白かった!
あと単純なパニック映画かと思いきや、鉄塔に登るまでの事情や人間ドラマがきっちりあって、思っていたより厚みのあるお話だった。
単に怖いだけじゃなくて、1年近く立ち直れなかったベッキーの再生物語でもあるんだなあ。何かチャレンジを通して心の問題を克服する系の映画の1つだと思う。
それにしても、とことん極限状態に陥ってからの「生きてやる!」という意志、エネルギー!ほとばしってたな~~!
ハゲワシのつかみ取り、撲殺!貪り食う!使えるもんは死体も使う!
ベッキー元気になってくれてよかった!荒療治だけど、悲しみは乗り越えられたし!別の心の傷がたくさんできてそうだけど。普通にカウンセリングに通っていればよかったような気もする。でもこれは映画だからよし!
「実はあのとき死んでいたのよ」設定はまんまと引っかかった。
一年間も、一人で酒と薬におぼれて体力低下してるベッキーが、よく一人の人間を引き上げられたな!とは思っていたけど、幻覚なのか。びっくり。たしかに途中からやたらハンターは動かず、ベッキーが主体で動くようになったもんなー。ハンターは手をけがしたから仕方ないのかと思っていたけど。
ハンターがハゲワシに食べられている夢を見たり、ハンターが知らないはずのプロレス情報をしゃべっていたり、段階的にハンターの死を受け入れてきている描写も丁寧だったな!
あのテレビ塔は、実際にカリフォルニアにあるということを知った。もともと危険なことをする人(登って飛んだり)が後を絶たない観光(?)スポットらしい。Google map見に行ったら、映画の写真が貼られてて笑った。絶対登りたくないわ!
画像引用:FALL公式サイト(https://klockworx-v.com/fall/)
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