クラウドファンディング達成のご報告と、今後の展望
2020年3月27日(金)を以て、クラウドファンディングの募集期間を終了したことをご報告させていただきます。
2020年1月22日(水)よりスタートした本プロジェクトですが、2020年3月27日(金)までの66日間の結果は以下となりました。
●支援者
1,490名
●支援額
25,020,176円
●達成率
125%
ご寄附や情報を拡散してくださった皆さまに、心から感謝申し上げます。本当に応援ありがとうございました。
ご寄附の使い道について
いただきましたご寄附は、当初予定通り、書籍『トビタテ!世界へ』を全国15,000校の中学校・高校と、1,000名の熱い教員へ届けるべく、大切に活用させていただきます。
余剰分のご寄附の使い道について
今回の目標額2,000万円から約500万円もの余剰のご寄附金をいただきました。こちらは、より広く、多くの生徒にこの本が届き、より深く海外体験、越境体験に興味を持ち、自身の可能性を開花させるきっかけを提供するため、とりわけ「地方」に重点を置き、さらなる課題解決・活性化を目的に、主に以下の施策に活用させていただきたいと思います。
(1)1校に1冊から、学年やクラス単位で1冊とより広く、書籍を手にする機会を増やすための追加の書籍購入費
(2)1000名を超える熱い教員に書籍を届ける購入費用
(3)学校の教員や留学経験者等が、書籍を授業等の一環として活用するための「教材」作成費等
※(1)、(2)は「地方優先」
これでリアルに私や皆さま全員の母校(中学・高校15,000校)に、そしてもしかしたらお世話になった先生に書籍が届くことを想像すると本当に素晴らしいなと、感謝の気持ちでいっぱいです。
各校、仮に年に1名でも1,500人/年の生徒の未来を変えることが出来る。その10倍だったら1.5万人/年。余剰のご寄附の施策等の工夫次第で仮に100倍に出来たら、10年で1500万人の若者に未来の可能性を切り拓きます。そんな未来を想い描きたいと思います。
その他の成果・ご協力いただいたこと
目標金額以外のトビタテの認知拡大等の成果としては、以下をご報告します。
(1)クラウドファンディング開始初日に公開した動画
約2万回再生(シェア数200以上)
(2)記事掲載
朝日新聞、朝日新聞デジタル,VERY等 多数(※こちらにまとまっています)
(3) 応援動画(友情出演)
河瀬直美さん(映画監督)、中竹竜二さん(日本ラグビーフットボール協会)、小林さやかさん(ビリギャル)、牧原秀樹さん(経済産業副大臣)、高濱正伸さん(花まる学習会代表)、安河内哲也先生(東進ハイスクール講師)、横山匡さん(アゴスジャパン代表)、松田悠介さん(Crimson Education Japan代表)、喜多恒介さん(株式会社キタイエ代表/トビタテ生)
(4)SNSでの応援投稿数
延べ1,000回以上
今後のスケジュールについて
学校現場における新型コロナの混乱状況の収束度合いによりますが、6月中頃をメドに全国の学校への書籍の郵送を予定します。
●2020年4月
POP、授業活用教材等の制作開始
●2020年5月
1,000名の教員募集開始
●2020年6月
書籍『トビタテ!世界へ』を全国の学校に配布、支援者の皆様との集まる場の開催
●2020年11月
「授業での活用・展開事例」の収集、発表
●2021年3月
翌年度へのより発展的な提案策定、告知
66日間の振り返り
●1月11日
書籍一部無料公開シリーズ 開始
●1月22日
クラウドファンディング開始
●1月27日
開始5日で25%達成
→プロジェクトの成功には開始1週間で20%以上達成が必須といわれる中で、「スタートダッシュ」の合言葉がSNS上に行き交う状況は本当に心強かったです
●2月5日
開始2週間で50%達成(約500名)
教育長・応援メッセージ 公開
●2月7日~
応援動画シリーズ 開始
●2月11日~
インタビュー記事 公開
(朝日新聞、HUFPOST、Yahoo!ニュースなど)
●2月20日
トビタテ生によるバトンリレースタート
●2月22日
開始1ヶ月経過
中間報告イベント開催
●2月末~
動きがさっぱりに。寄附が0円の日も……
●3月8日
危機的な状況の中、「切実なお願いメール」に1日で60名の支援!
●3月17日
残り10日。残り170万円。支援者が1,000名を突破
●3月19日
トビタテ高校生有志が応援動画を発表
●3月24日
残り3日、2,000万円達成!
余剰寄付に対する活用法を発表
●3月27日
23時41分にトビタテ生支援者が1,000名を突破。最終的に1,045名
→トビタテ生は1,000名を目標に掲げるものの、残り10日であと300名、残り3日であと200名、最後の2時間であと100名という中で追い込みの一斉の動きに、トビタテ生のエネルギー、底力を感じました
関わってくださった方々への感謝の言葉
メンバーと毎週定例オンライン会議を通じて良いチームワークで動きました。
私は寄附集めに注力。約100名の方々に「寄附をお願い出来ませんでしょうか?」という突然の不躾な電話・メールを差し上げ、不快な思いをされた方も少なくないと思います。
その上で快くご寄附や情報を発信いただきました1,489名の支援者を含めた全て関わってくださった方々に、そして無茶ぶりをする私を支えてくれた同僚の荒畦、山口、古谷、阿部、中谷、中山、そしてトビタテ生コアメンバーにまずは感謝します。彼らの無償の貢献なしでは成しえませんでした。本当に頭が上がりません。
今回、支援者1,490名全員のコメント(応援メッセージ)を拝読しました。
「母子家庭で家計苦しいが応援したく寄附しました」
「1,000円でも辛い経済状況だが共感し、寄附しました」
「トビタテは“日本の宝”です」
という類のありがたいメッセージの他に、
トビタテ生のほとんどが自身の留学験を踏まえての長いコメントをくれたこと、ご両親や祖父母まで寄附のお願いをしたトビタテ生や元事務局メンバーにも感激しました。
私の前職の競合他社だったアルー社、チェンジ社の社長、元リンクアンドモチベーション社の社員の方からもことごとく高額寄附を。
その他、トビタテに関わってくださった多数の懐かしい方々に加え、小学校以来お会いしていない友人や恩師、親戚、そして何よりも一度もお会いしたことがない方からも。100万円単位でご寄附いただいた方も8名。
本当にありがとうございました。
今回のプロジェクトへの想い
他の場所で話をしていない内容を加え、記載します。
2014年の「トビタテ!留学JAPAN」発足から6年が経ちました。
海外体験や留学をより身近で当たり前の文化にする機運作り、留学生倍増(高校生3→6万人、大学生6→10万)においても、当初とは違った景色と風潮に変わりつつあると、一定の成果を感じています。
しかし、完全なブレークスルーには至っていません。そんな中で、下村元文部科学省からの要請やトビタテ!留学JAPANに込められた想い、背景などの「生の声」をより広く、そして何よりもトビタテ奨学生への伝承を念頭に『トビタテ!世界へ』を出版しました。
そんな折、昨年10月末に開催した出版記念パーティーを企画する中で、企画メンバーだった2人のトビタテ生からバラバラに共通する話がもらったのが本プロジェクトの立ち上げのきっかけとなりました。
「船橋さん、僕の住んでいた地方の田舎では留学経験者や多様な職業に就くロールモデルすらいなかった。中学生くらいの時に、この本に触れていたらどれだけ自分の選択肢や可能性が広まったか、と思います」
北九州と北海道の片田舎出身の、沸々と実感のこもった彼らの言葉はリアルでした。
3つの「ターゲット」と「障壁」
「地方」x「高校」x「公立」。
彼らの言葉を元に、この3つをターゲットにすることに。
●地方
大学生の留学は、東京、大阪、京都で約52%
●高校
約326万人の高校生のうち、年間留学は約4万人強
→つまりまだ1%前半の数値。大学生は10万人強に増えていますが、高校はまだ発展途上です
そして、「意識」x「情報」x「経済」の3つの障壁に、貢献するプロジェクトを目指すことに。
3つの「願い」
今回、上記に掲げた目標や課題解決、そしてトビタテ!留学JAPANの認知がより拡大を念頭に進めていたのとは別に、個人的には次の3つの「願い」を込めました。
■「ちょっとした無茶」を実現する
プロジェクト開始前の最初の打ち合わせにて、クラウドファンディング運営会社にまずこう言われました。
「2,000万円は無茶です。1,000万円から開始できませんか?」
私は、一言「嫌です」と回答しました。
「全国全ての中学・高校15,000校」「2,000万円」「完全ボランティアで」「トビタテ生と今年50歳の私で」「私の拠点のシンガポールから遠隔で」「固い文部科学省や学校現場を巻き込み」「個人の書籍を届ける」等のキーワードすべてを総合した「ちょっとした無茶」が必要だったのです。
「え、そんなことを、そのレベル感で考えるの?」
「彼らの“基準”や“常識”って?」
私の現在があるのは、伊藤忠商事の先輩、ウィル・シードの仲間、そして特にダボス会議のヤンググローバルリーダーの先輩と一緒に活動する中で、「かなりの無茶」に巻き込まれながら、いつの間にか自分の基準が上り、麻痺し、一見無理そうなことも、汗、知恵、共感、仲間の協力によって実現出来るのだ、という数々の実体験の賜物です。
「視野を広げ」x「視座を上げる」
「当たり前基準を変える」
そんなことを、今回一緒に企画したトビタテ生、そして1万人に迫るトビタテ生に擬似体験してもらうことも、トビタテ自体の価値とは別に私が残せるひとつの教育ではないかと、老婆心ながらに思ったのです。
■1,000名のトビタテ生の参加(支援)を実現する
トビタテは240社を超える企業からの約120億円の寄附で成り立っています。
いくつかの企業からは2021年以降の継続や追加の寄附の条件として「トビタテ生(社会人)からの一定の寄附参加」を言われています。当然だと思います。
そんな中、今回のトビタテ生1,000名のプロジェクトへの参加(支援)、つまり彼らの書籍の全国配布を通じて真剣に留学機運を変えたいと願う気持ちと間接的にトビタテへの寄附(書籍の印税はトビタテ寄附となるため)は、1つの意志の表れと可視化したかった数値になります。
1,000名という数値に根拠はありません。ただ、トビタテは現在約8,000名。その内、社会人が現在約1,700人で、寄附する余力のあるトビタテ生の多くが社会人だとすると、ある程度説得力のある数値にはなるかと思います。
■「恩を送り、バトンを繋ぐ」
個人的にこの概念は、広くは地球環境の持続可能性、よりよい社会にするために人類において最も大事なことだと思っています。
これからの日本のためにも、この概念を「カッコいい」あるいは自然に「当たり前だよね」という風潮になれば日本も世界ももっと平和になるにと思います。そんな文化を、トビタテ(生)から発信する使命を期待していると常々発信してきました。
世界最大のファンドレイズ組織の尊敬するあしなが育英会(60年の歴史)の玉井課長は、
「船橋くん、世に影響を与えるには、全ては継続や」
と仰いました。
トビタテ発足時は、海のものとも山のものとも分からないという世間の反応がありました。
しかし、周囲の方々の多大な支援のもとでトビタテ生1人ひとりの頑張りが集合体となり、1期生から12期生(高校生含む)まで足掛け6年の継続で、一定の認知、評価を得れたのだと思います。そして、これにはまだまだ先や広がり、頂きもあるはずで、とにかく、リレーのように「バトンを繋ぐ」ことが大事だと思います。
今回のクラウドファンディングを通じて、1人でも多くのトビタテ生に私の想いがリマインドされたり、参加した実感、意味が少しでも伝われば嬉しいです。
最後に
改めて、寄附金額や支援人数、投稿のシェア数、多数の応援メッセージは、「想いを託してくださっている」という緊張感とともに、とても胸がいっぱいになりました。
これから、いただいたご支援をもとに全国へ本を届けてまいりますが、1人でも多くの若者に一歩を踏み出す勇気が持てるよう全力で取り組んでまいりますので、これからも引き続き応援をいただけたら嬉しいです。
最後になりますが、この度は新型コロナの影響で皆さんの生活、あるいは留学中のトビタテ生含め大変な状況の中、本当にありがとうございました。
船橋 力
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