飛田新地に体験入店に行った私の話⑤

お客さんと一緒に階段を上がり、5畳ほどの狭い和室に入ります。部屋にはえっちなグッズがごちゃごちゃ入ったカラーボックスと、小さなテーブル&座布団と、古めかしい敷布団（掛け布団は無い）とゴミ箱がありました。

テーブルの上には、昔の女の子が書いてくれたと思われるボロボロの手書きのメニュー表があります。可愛い丸文字。このメニュー表を書いた女の子は今はもう30代で結婚しているかもしれないし、20代前半で鬱で死んでいるかもしれません。

そんな手書きのメニューを見ながら、
「えっと、初めてであんまり流れが分かってないんですけど、何分にしましょう…？」
とオズオズと聞きました。
するとお客さんは
「えっ初めてって、本当の1人目！？」
と驚きました。
「ハイ、逆素人童貞みたいな…」

相手も困ってしまって
「うーん…」
と固まってしまいました。
それもそのはず、普通はここでお喋りしたり愛想良くして「キミ良い子そうだね！よーし30分だ」となるんですが、このときの私は無言で上がっていきなりの値段提示。未知数過ぎます。（「いきなり値段聞いたら愛想ないから先にちょっと喋れ」というおばちゃん講習唯一の役立ちポイントはすっかり忘れていた。）

「じゃあ…20分でもいいかな？」
「ハイ！」
「今払ったらいいのかな？」
「おそらく…？他のお店って今ですか？」
「えっ」
「やっ、今で、大丈夫だと思います。なんか講習全然分からなくて…」
どんどんお客さんは不安そうな顔になっていきました。

●お金をもらった後はこんなことをしています

お客さんにもらった16,000円を握りしめて階段を降り、玄関のおばちゃんに「20分です」と渡しました。
おばちゃんは「あいよ、いってらっしゃい」と言って20分タイマーをスタートさせます。

おばちゃんの横にはリンゴちゃんが座っていて、このとき（これから私がセ◯クスするってこの2人にはっきり認識されてるの気恥ずかしいなぁ。きゃー///）と思ったのを覚えています。

お盆の上にお茶とお菓子を用意して、急いで2階に戻ります。「お待たせしました！」とテーブルに置き、お客さんがお茶に手を伸ばすより早く「えっと、じゃあ、えっと、すぐ戻ってきます！」と言って光の速さでトイレに行きました。色気も何もなく、あるのは初々しさと、そこはかとなく漂うポンコツさのみです。

●飛田式お手洗いのこと

飛田のトイレは変わっています。
和式トイレの横に安っぽい青ホースがあり、レトロな蛇口を捻ると水が出るのでそれで局部を洗えるようになっているのです。冬は嬉しいことにお湯も出ます！

飛田にはお風呂は無いのでこのホースで局部を洗い（専用ソープを使用。後ろを洗うことも大切。におい対策に。）、仕込む子はここでローションを仕込み、生理の子は海綿を仕込みます。

ですので、仕込み道具の詰まった箱やポーチが棚にごちゃごちゃ置いてあります。待機場所といい、おばちゃんの説明といい、どこもかしこもごちゃごちゃです。
でも、トイレに転がったローションの詰まった箱にまで可愛くペンで♡ナナのだよ♡(*≧∀≦*)などとデコっているのを見るとなんだか可愛いなぁと思いました。（しかし後に、盗難が横行していたための怒りの記名と知る）

ちなみに局部ホースは共用なので、微妙に嫌だなーと思います。生理中、中にぶっ込んで洗う子もいるからです。このへんは深く考えてはいけません。心の目を薄目にします。


最後にイソジンでうがいをして、上下のお口が清まったところで部屋に戻ります。

これらの洗浄中も20分のカウントに入っているので、いつも「時短（プレイ時間を短くすること）だと思われちゃうぅううー！違うんですー！！」と焦りながら急いで洗うことになります。
女の子が連続で上がるとトイレ待ちが生じることもあり、そうなるともう焦りまくりです。

●ついにプレイ開始

襖をノックして、「失礼しまーす」とお部屋に入ります。おじさまは普通に座布団に座ってお茶を飲んでいらっしゃいました。

この時点で残り時間は17,8分といったところでしょうか。
人生で、服を着た状態→合体→服を着る、を17分で終わらせたことありますか？普通ないですよね…1時間くらいかけますよね…。
なので、このときめちゃくちゃ急がなきゃ！！と思いました。とにかく出すとこまでいかなきゃ！ということで頭がいっぱいでした。

きっとお客さんも寸暇を惜しんでいるだろうと思って、急いで準備をしました。
バスタオルを布団に敷いて、で、え、ここからどうするの…？？

これ脱がすの？脱いでくれるの？脱がすのってどうやるの？？いつもどうだっけ？セ◯クスってどう始まるんだっけ？考えている間にも時間は経っていきます。

「ええと…セ◯クスしましょう！笑」
「(´ﾟ;:3;:ﾟ) .;.:;*.':;ﾌﾞｯ」

自由恋愛とはなんなのか。

「あぁうん、しましょうしましょう笑
じゃあ脱いだらいいのかな？」

優しいおじさんだったので自分で脱いでくれました。それをただ見つめている私。気まずい…。振袖じゃあるまいし手伝うようなパーツもない…この時間の手持ちぶたさんぶひぶひ…。

プライベートでは、普通脱ぎながらコトが進むと思うんです（個人の感想）。なので、最初にすっぽんぽんになるっていうのが新鮮でした。

おじさまのストリップを眺めながら、このあとどうなるんだろう…部屋に時計欲しいな、発射まで残り何分なんだ…と、とにかく発射時間のことを気にしていました。


⑥につづく。

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