2010年はピースの年だった
ピースという存在を知ったのは2005年。
ピースのツッコミ担当の綾部祐二が『人志松本のすべらない話』に出演したのがきっかけ!
「今、若手芸人で1番しゃべりが面白いのは誰か?」となった時に、周りの芸人から口々に綾部の名前が出るという理由での出演だった。
『すべらない話』のレギュラーである千原ジュニアに可愛がられているのも、出演の決め手になったはずだ。
僕はそこで綾部のトークを聞いてすごいと思った。
話の組み立て方が独特で、オチを言う時に、階段の最後の2、3段をタタタッと駆け上がるように加速する感じが新しいなと思った。
綾部はツッコミもそうだけど、トークがすべて右肩上がりに加速するのだ。
一体あのスキルをどこで手に入れたのだろうか?
とにもかくにも『すべらない話』きっかけで、僕は綾部祐二という芸人にホレた。
顔もイケメンだし、社交的で明るいし、絶対に売れるだろうなと思った。
一方ボケ担当の又吉直樹は、芸術肌の芸人で文学好きであり、松本人志の系譜を継ぐかのような、独特の発想からなるボケやネタの世界観が面白いと思った。
MCが出来てフリートークも出来る綾部と、大喜利や1発ギャグなど発想で勝負する又吉のコンビバランスが良いと思ったし、近い将来絶対に売れるだろうと思った。
その後時間はかかったけど、ピースを全国ネットで観れるようになったのは『爆笑レッドカーペット』
そこでジョン・レノンの『イマジン』をBGMに、「想像してごらん」というネタで一気に頭角を現した。
ジョン・レノンっぽい見た目の教祖(又吉)が
「想像してごらん」
「ババのないババ抜きを」
「日暮里がない西日暮里を」
「辛くなく、茶色くない、白いカレーを...」
などテーマを投げ掛け、それに対して頭にハチマキ巻いてスーツ着た教祖の通訳(綾部)が
穏便に終わるぞ~
ひとつも面白くねえぞ!
バカヤロー!
日暮里あっての西日暮里だろ!
バカヤロー! そうだろ~
シチューです!
などと、緩急をつけてつっこんでいくネタが面白くて、レッドカーペット賞を取るなど爪痕を残した。
そして2010年。
ついにピースはブレイクする。
まず1月に『アメトーーク!』の「町工場芸人」に出演した綾部が結果を残す。
「町工場芸人」は反響を呼び、その2ヶ月後にはゴールデンのスペシャルでも放送される人気企画となった。
そして2月。
『しゃべくり007』の「今業界が注目している若手芸人」として取り上げられた。
これがピースのブレイクを後押しするきっかけになる。
ここからのピースの勢いはすごかった。
テレビ出演が増え、活躍する機会も増えて、同年8月にはブレイクするきっかけになった『しゃべくり007』に「凱旋出演」ということで再びゲスト出演。
9月には『キングオブコント2010』のファイナリストに選ばれ、準優勝。
10月にはフジテレビのコント番組『ピカルの定理』のメインキャストとしてレギュラーが決まる。
そして最後の締めくくりは『M-1グランプリ2010』のファイナリストに選ばれ第4位という結果を残した。
2010年はピースの年だったと言えるくらい、大活躍の1年だった。
売れるべくして売れたと思うし、吉本がピースをスターにしようとして神輿を担がせまくった1年でした。
2011年は更に飛躍の年になったんだけど、僕は頭角を現した2010年のピースが1番面白かったと思う。
『キングオブコント』と『M-1グランプリ』という2大お笑い賞レースのファイナリストになり、フジテレビのコント番組『ピカルの定理』のメインキャストに選ばれたり、こんなシンデレラストーリーを歩める芸人は中々いないですよ。
この当時、『はねるのトびら』はピークを過ぎて低迷していたし、『爆笑レッドカーペット』で目立っていた芸人を選抜させて始まった『爆笑レッドシアター』は終わって、はんにゃ・フルーツポンチなどの人気も下降線を辿っていた。
それらに変わる存在として『ピカルの定理』が立ち上がり、ピースをメインに平成ノブシコブシ、モンスターエンジンなどを売り出そうとしていた。
最後にこれだけは言いたい。
僕は先輩芸人にイジられた時の綾部はめちゃめちゃ面白いと思っている。
リアクションや返しの発想が唯一無二で、こっちの想像を超える結果をいつも残してくれるからすごいと思っているんだけど
綾部のお笑い芸人としてのスキルを評価する声は少ない。
「熟女好き」などの変態キャラや、「ガヤがうるさい」「調子にのってる」などの「ウザイイメージ」が先行して、嫌われ芸人のレッテルを貼られてしまったのがネックになったと思っている。
もし綾部のトークライブとかがあれば、僕は大金出してでも行きたい。
それくらい綾部のお笑いとしての才能・スキルはすごいし、面白いと思っている。
ニューヨークでインスタニート(千鳥ノブ命名)になっているけど、何かしらで成功してほしいですね。
ピースとして活動を再会する日を楽しみにしている。
2020/04/20
飛田将行 とびたまさゆき
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