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もうただのお店とは言えまい、老若男女に愛される古民家飲食店ぶち


こんにちは。トビラビトのインタビューを担当しているスエイシユミと申します。普段は大学広報職員として働き、展示イベントの企画を立てつつ、画家という芸術系のお仕事をしております。

そんな私がアトリエ兼自宅として住んでいる家の近所にある古民家飲食店『ぶち』と、店主であるえーじさんの新しい試み『トビラビト』について、皆さんにご紹介いたします。


コミュニティ化する飲食店、ぶち。

私が今の家に引っ越してきたキッカケは、元を辿るとぶちの系列店である名古屋市西区のシェアハウス『ロングルーフ』が持つアトリエで、展示を企画したことです。
「古民家をリノベーションして作ったお洒落な空間で、面白いことをしてくれる人を募集!」という藤田恭兵くん(きょーへー/きょーちゃん)のSNSに上げられていた謳い文句に誘われ訪れたそこは、名古屋とは思えない和やかな地で、とっても愉快な人物が大勢集う素敵な場所でした。

とにかく新しいことにチャレンジしてみたい起業家、プロレベルのピアノを奏でるプログラマー、ふらふらと日本中を旅して色んなところでカメラを構える写真家、自分の手で楽器を作るギター職人、自転車で中国を横断したり至るところに電車で出かける乗り鉄…などなど。
美術系大学出身なので、変わった人や個性的な人に対する耐性はそれなりにあるつもりだったのですが、そんな私であっても、随分と濃くて愉快な人が多いなぁと感じてしまうコミュニティ、ぶち。

▲ぶちで定期的に開催されている音楽イベント、音ぶち。
こちらは農業をやりながら音楽を楽しむ見城さんが主体となり、色んなミュージシャンが集まるイベントです。素人も参加できるオープンマイクで、初めてでもセッションできちゃうのが人気の秘訣!


音ぶちを筆頭に、ミュージックライブ、ネイルアート、マッサージ、占い、料理教室、高校生食堂、お弁当屋さん、ワークショップ、お祭り…本当に幅広いイベントが定期的に開催されています。
なんで飲食店なのにイベントを開催してるの?と思われるかもしれません。それは、店主のえーじさんを含めたぶちに関わる人たちが、どんな人でも歓迎し、応援してくれるから。これがぶちの最大の魅力です。

例えば、芸術の世界ですと、まず最初に展示の仕方や搬入の手順、道具、料金の仕組みや相場、ライブハウスやギャラリーのレンタル手順を知らなければ、自ら一人で活動を続けていくには結構ハードルが高いです。特に、社会人から芸術を始めた方々からすると、やってみたいと思ったとしても中々入り込む余地を見つけられず諦めてしまったり、1回目を頑張って企画したとしても金銭面や集客面から継続する自信が持てず、結局、心折れてしまったり。

ですが、実はプロに匹敵するぐらいの技術を秘めている人や、ここから熱意が育つ人もいるはず。そのような、所謂アマチュアや経歴が無い人であっても、やりたいという基軸となる気持ちがしっかりしていれば、挑戦する場として使って良いよ!というのが、ぶちのスタイル。
(勿論ギャラリーさんやライブハウスさんの中には、そういう人たちにも間口をかなり広げているところもあります。ですがまだまだ少数。とは言っても批判したいわけでは全くなく、目的やターゲット、ブランディングの関係もあるので、無理に間口を広げる必要はないと考えています。)

ここは、みんながずっと仲良く居るお店ではなく、旅立つためのお店なのです。この2年見ていただけでも、どんどん夢や目標に向かって色んな人が飛び立っていくんですよね。きっと私もいつかはいなくなるんだろうなぁと思いを馳せながら、入り浸っています。

▲閉店後、突如始まるパーティー。
こんな光景が日常茶飯事なのに、全く敷居が高くないのが良いところ。待ち合わせしていなくても、誰かしら遊びにきています。もちろん味もとっても美味しいですよ。

▲定番メニュー。甘いものからボリューム満点のガッツリ系まで取り揃えています。


そんなコミュニティでもあり美味しいご飯を食べられるこのお店を、芸術に携わる私が応援する訳は、界隈の衰退を止めたいから。間口を広げ、画家や作家が自ら様々なコミュニティに出入りし、リアリティある生の声や情報を発信することが、このインターネット時代だからこそ必須な行動だと考えています。どこの界隈もきっと一緒ですよね。

そして、そんなことができるぶち2号店ともいえるお店を、みんなで新しく作ろうと動き始めたのです。


常滑の港に佇む古民家で、どんな人にも扉を開くお店"トビラビト"

2020年に入り、突如、面白そうな話があるとえーじさんに呼び出されました。「この人はまた何をしようとしてるのだろう…。」と身構えながらお店に遊びに行くと、知り合いに常滑の物件を紹介してもらったそうで、そこで新たにお店を構えたいとのこと。
既にぶちという場所があるのに、わざわざ常滑でお店をやる必要があるの?という後ろ向きな考えが頭を過ったのですが、話を聞いていくにつれ、大家さん達の想いや地域の人たち、そしてぶちに集う人たちの支えがあれば、もう一歩先の夢に挑戦したいというえーじさんの決意が伝わり、じわじわと興味が湧きました。

何より、すごく綺麗なところなんですよね、トビラビト。港町ならではの景色を一望でき、自然の騒めきを感じられ、夜風に当たりながら2階で日本酒を嗜みたくなる、そんな場所です。


こんなところで展示をしたり、ライブができたりしたら、それはそれは幸せだろうなぁと、つい物思いに耽けてしまいました。

そんなわけで、地元の人たちを巻き込み、それぞれの夢を叶えるため、店主が自ら現場に立って個々の新しい扉を開けていく場を目指し、常滑でトビラビトが始まったのです。
本当に始めたばっかりですので、正直ちょっとやることが多くて大変です(笑)ですが、逆に言えば、やってみたいことや目標がある人は、このスタート時から関わることで貴重な経験値と知識が手に入ります。そして何より、楽しめるチャンスが山ほど転がっています。大変なことを避けていたら、良い事も悪い事も経験できないですもんね。

ここまでの記事を読んで気になるなぁと思ってくださった方は、ぜひ一度、ぶちに遊びに来てみてください。それで合わなかったり、信用できないと思ったりしたら、気にせず離れちゃえばいいだけです。離れていったからって、そんなことで大人は文句を言いません。

お手軽メニューですと、150円ぐらいで米油で揚げたホクホク激うまコロッケが食べられます。テイクアウトもできますよ。


ぶち常連一同、皆さんのお越しを心よりお待ちしております。


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今後、トビラビトに関するクラウドファンディングを検討しております。
詳細が決まり次第告知いたしますので、どうぞよろしくお願いいたします。
ぶち店主 黒野英二

古民家飲食店ぶち
(月火休み)
〒451-0052
愛知県名古屋市西区栄生3丁目21−2
https://goo.gl/maps/99TNwngCVMYgeU898

Instagram

▲お店の雰囲気が伝わる公式SNS


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トビラビト

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