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テレワーク(リモートワーク)&ワーケーションに求めるもの

COVID-19による緊急事態宣言が収束した2020年秋以降、こぞって様々な自治体が「ワーケーション」に関する補助をし始めた。リモートワークが普及したタイミングで都心への人口集中の緩和と移住促進を図ろうという国の作戦であろう。賢い。そしてそれは期限付きであることも推察された。

2023年12月現在、その補助金は純粋なワーケーションやテレワークの促進ではなく、コロナ対策の補助金から国の財源の種類が変わったことにより移住促進の側面が大きくなっていると推察される。元々は生活する首都圏を離れてテレワークしませんか、というのが誘い文句だった補助金も、移住検討の為のお試し滞在という色が濃くなっている。

日程限定、地域の人たちがアテンドしてこんなに楽しいアクティビティや観光がありますよ、とツアーになっているものがほとんどになってしまった。

声を大にして言いたい。
「違う、そうじゃない」

私たちの仕事は、slackとDropboxでデータを共有し、進捗管理をし、経理は会計Web上で完結するシステムを使っている。打ち合わせはZoomだし、デカいファイルデータはファイル便だし、映像データのチェックはVimeoかYouTubeの限定公開。常にネット環境頼みではあるけれど、逆に言えばネット環境さえあれば、己の身体が現場に無くても良い類の仕事は東京でなくても出来るという事。

 私はコロナ前から、自分が現場にいなくてもPCとネット環境さえあればどうにでもなる時は女川か会津若松で仕事をしていることが震災の後は多かった。震災後の変わりゆく大切な街を見ていたいという気持ちと、風評被害で観光客が途絶えた自分自身のルーツがある街の行く末を見ていたかった。

 東京よりも人が少なく、穏やかで緩やかな時間の流れている場所に身を置いていると(店も閉まるのが早いから飲み歩く場所もないし)健康的な生活になり、そして何よりも、ノイズが少ないのだ。

人間の脳は常に高速で情報処理をしている。視覚から入る情報、聴覚から入る情報、その他五感から入る情報を全て瞬時に処理しているのだから、その処理にかかるエネルギーは無自覚のまま常に消費されている。女川や会津にいると、都会にいる時よりも圧倒的にその量が少ない。だからこそ、余白が生まれて仕事は非常に効率的に進むし、読書は捗るし、アイデアも降ってくる。脳はすこぶるリフレッシュして、疲労が激減する。

いつもと違う環境で仕事をするということ#1

私が(そして周りにいる沢山の人たちが)求めているのはアクティビティや観光ではなく、「いつもと違う環境で仕事をする」ということ。
そう、仕事がしたいんですよ!!!
アクティビティや観光がびっちり組まれてたらもはや仕事が出来ないんですよ!!!!それはただの観光ツアーなんですよ!!!!!!!

いつもと違う環境で仕事をする為に補助金を活用して滞在することで、自腹ではせいぜい2泊3日程度の滞在が5泊以上出来たり、それで浮いたお金で気に入った場所に再度個人的旅行等で訪れてもらい、将来的に気に入ったその土地での二拠点生活や移住も視野に入れてもらう。それぐらいが良いと思うのですが、どうなんでしょう。

私が活用している福島県の「テレワーク×くらし」体験支援補助金(2020年)は気づけば「ふくしまぐらし×テレワーク」支援補助金と名前を変えて「テレワーク目的の滞在を支援するから体験してね」という取組から「移住を視野に入れてテレワーク主体の暮らしをしてみることを支援しますよ」、という性質に変化しているけれど、移住や二拠点の検討をしてね、地域の人たちと交流してね、SNSで魅力を発信してね、滞在期間の6日の内2日はお休みしてもいいけど、残りは1日5時間以上テレワークしてね、というあくまでも現地で補助金利用者が自由に仕事をするには現状どの自治体よりもニーズにフィットしている。
個人的にコロナ禍において出来なくなってしまった福島県との継続的な関わり方の新しい形を模索している上に、大体仕事に追われているタイミングで組むので、一日の大半をテレワークに費やせて生まれた余白で気分転換まで出来るというこれ以上ない最高のマッチングである。

ということで、あくまでも「いつもと違う環境で仕事をする」に主眼を置いたテレワーク(リモートワーク)&ワーケーションに求めるものはこれですよ、というお話でした。
興味がある方はぜひ福島県でテレワーク体験してみてください。



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