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ZINEを作り始めた今日この頃のこと

ようやく重い腰をあげ、ZINEを作り始めた。

これまでnoteに書いたものをせっせとリライトして、レイアウトや校正一部、表紙デザインを外部の方にお願いした。たった7編のこじんまりとした内容だけど、人生のある時期に一区切りつけるという意味が、私の中にはあったりする。

タイトルは「深海の底で待ち合わせ」
創作1作品(2編1作品)、エッセイ5編の構成。

昔から、生まれ変わるなら深海魚がいいなと、独り言みたいによく言っていた。深海には、ものすごく得たいの知れない魚が多くて、ビジュアル的にも、生物としてのあり方からしても、そうとうぶっとんだ生き物が生息しているイメージがあって、そのなかでも個々の生物がしれっと、ただ自分の命を生きているだけの感じが、すごく羨ましいなと思っていた。どんな見た目であろうと、どんな泳ぎ方であろうと、身体の器官が私たちが「普通」と捉えるような動き方をしていなくても、ときにまだ発見されてもいない名もなき生き物であったとしても、彼らはそんなことお構いなしで生きている。私の勝手な妄想で恐縮だが、そんなこんなで私は昔から深海に憧れ続けてきた。もちろん深海には深海なりの悲喜こもごもがあるのかもしれないけれど。

まあ、そんな「深海」をキーワードに、人生や日常で味わう喜びや絶望を深海の底でひっそりと語り合うことで、「私の人生、悪くもないか……」みたいな小さな希望の欠片を一瞬でも手の内で感じられたらいいな、と。そんな気持ちで作っている。シスターフッド的なニュアンスも込めて。

来月頭には校了予定。

最近友達と会ったとき、「人生ってさ、ほんと人それぞれなんだね」としみじみと話した。勉強して大学入って、就職して、結婚したり子ども産んだり……。でもそこからは予想していなかったことばかり。人の真似をしても、幸せになれないのだとよくわかった。でも「自分自身」を生きることも容易ではない。「私」だけの問題ではないことが増え、自分の人生が何かに飲み込まれ、個人の尊厳を失わず生きようとすることがある意味わがままなのかもしれないと、思わずにいられない瞬間もなくはない。

でも、そんなことは知ったことではない。

自分の人生は、他人にどう言われようと、自分の人生なのだ。相反する感情に引っ張られながらも、私は行きたい道を歩いていきたい。そのためにも、小さくても文章を書き続けられたらいいなと思う。




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