お米発酵のジュースは

げんまいプレミアム

このジュースは古くて新しい

色々な思い出がありすぎて、どういう風に伝えれば良いか迷ってしまう
家業に入り、よくわからないまま、仕事についていた。
うちには、「げんまい」というジュースがある。
今で言う「地ドリンク」地元で親しまれているドリンク。
実はそれまであまり飲んだことのないジュース
飲んだことがないと言うより、好きでないジュースといった方が
良いかもしれない。
当時のジュースの製造を行っていた女性の従業員さんは、
「3本飲んだら好きになるよ。美味しいんじゃけん」
何十年も勤めているスタッフさんに言われた。
それはしっかりと覚えている。

「げんまい」は、2つの部門が協力して作っている。
ジュースの部門と佃煮の部門である。
ジュースの部門は当たり前であるが、佃煮部門はというと、圧力釜を使用する関係上である。
玄米・米こうじ・三温糖・重曹が全原材料。
三日がかりで作っている。
1日目は、玄米を芯まで炊き上げるために、玄米を水に浸しておく。

玄米圧力釜

2日目、圧力釜で炊き上げる

玄米炊き上げ

じっくり長時間圧力をかけ、芯の部分まで炊き上がる

玄米こうじ混ぜる前

冷めないうちに米こうじと混ぜ合わせ一晩寝かせ糖化させる。
ここでポイントなるのは、寝かせる温度と時間、米質、米こうじのハゼ込み(米こうじの米に麹菌が入っている)、玄米と米こうじのバランス、
以前は、中々いつも一緒にはなりにくかったが、佃煮の職人が慎重に工程を行っていた。私も佃煮を炊いていたので、この作業はお手の物だ。
とはいっても次の日をドキドキ迎えていたのを思い出す。

玄米こうじ

3日目、発酵・糖化した玄米と米こうじはミキサーにかけ、
大きな籾殻を裏漉しして、ジュースの素になるのです。
ジュースの素は、四斗樽に4つほどで蓋をしっかり閉めて、ジュース部門へ運ばれていく。

げんまい発酵物

ミキサーにかけた後のもの、これがクリームのような味わい

げんまいジュースの素

水で適度の粘土になるように割り、三温糖で味を整え、
そして、微量の重曹を入れて、phを整えて、ジュースの出来上がり。

げんまい充填

瓶詰めしたら、あとは熱殺菌をするだけ

殺菌釜開く

うちのやり方は本当に古典的なやり方だ。
殺菌は工場長が丁寧に行っている。
ここが肝と言っても過言ではない。
殺菌がしっかり出来ているから、日持ちする。
一般に流通させることができるのだ。
製造の規定上、レトルト殺菌をしなくてはならない。
中心温度が120℃4分以上という規定がある。
その規定は絶対クリアしなくてはならないので、
それより、厳しい基準を設けておこなっている。
中は高音、温度差があるので、慎重に釜を扉を開ける。

殺菌釜全開

殺菌後のジュースは色づいているのがわかる。
砂糖のメイラード反応による色づきだ。
ここで味が変わるのだ。
ジュースの調合をする時に、殺菌後の味が変わることを前提に
味決めしなくてはならない。
「う〜ん」いい色だ。

殺菌釜から引っ張る

昔を思い出す。
私がげんまいの仕込みを行っていた時、玄米と米こうじを混ぜ合わせ
一晩寝かせる。次の日が楽しみだった。お米の甘さでどんなに美味しくなるかなっと、そして、いろんな玄米を使用してチャレンジしていた。
甘さがしっかりあるお米の品種を使用すると甘いジュースの素ができる。
正直なものだ。でも、あまり良くなかった。粘りが足りない。
げんまいの好きな人はお米の粘りも甘みもたのしんでいる。
それがわかり、今では、お米の割合を増やし、甘みの強いお米と粘りの強いお米をブレンドしている。お米をしっかり味わってもらえるように考えている。お米の優しく、温かい味わいと甘み、玄米を米こうじで発酵させて作るジュースだが、呉の町では数社のメーカーがありました。
ここ最近では、もう一社製造メーカーがあったが、もう数年前にやめられた。うちだけになると盛り上がりにかけてしまう。それが、プレミアムを作ったキッカケでした。呉のげんまいファンたちが好きな、お米の甘みとお米の粘り、それを更に追求したのが「げんまいプレミアム」。
だから古くても新商品。数年前の新商品です。

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