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2007年 はじめてのフィリピン

俺はフィリピンが嫌いだ。

できれば日本にいたかったし、野蛮で乱暴なフィリピン人とは関わりたくなかった。

しかし俺も野蛮なフィリピン人の一人である。
プライドを捨てれば受け入れることはできるし、前に進むことができるだろう。

誇りはないけどね

今から十数年ほど前、俺らは不法滞在をしていた。
正確に言うと親は両方フィリピン人で正規ビザで日本に滞在していたのだが、ビザが切れてしまった。

なぜビザを更新しなかったのかわからないが、どうやら正規のビザを更新することができなかったようだ。

それでも普通に生活していたらお父さんが警察に逮捕されてしまった。
当たり前だわな。

それでそのまま強制送還されたらしいけど、お父さんはフィリピンで本当の奥さんがいてそこに戻っていったとさ

お母さんは俺たち子どもがいるから連行する必要はなかったけど、近いうちにフィリピンに帰国しないといけないらしい。

わけがわからなかった。
普通に生活して、学校に行って、特に悪いことはしていなかったはず
それでも法律は守るべきかもしれない。

でも何が間違っていたのか、何がおかしかったのか自分には理解することができなかった。

結局いろんなところにいって、様々な人に助けられながら生活してたんだけど、2007年4月には俺たちはフィリピンに帰った。

いまでも日本にいたらちゃんとした学生生活を送っていたんじゃないかって本当に後悔している。自分がフィリピン人じゃなければ日本にいてもよかったはず。

結局自分は自分自身を否定するしかないままマニラに着いた。

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