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門別啓人はもう"お試し枠"じゃない【3/30 対ジャイアンツ戦●】

昨年、門別啓人がプロ初先発をした試合を見に行った。高卒1年目でいきなり先発を経験したことは間違いなくすごい。ただ門別が1軍に呼ばれたときはリーグ優勝を決めていたので、いわゆる消化試合での先発だった。純粋な戦力としてではなく、将来タイガースを支えてくれるであろう投手への先行投資のように思えた。そして、門別はその先行投資をする価値のある投手だと、この目で見て感じた。

そして2024年シーズン。プロ2年目の門別は左の中継ぎの一角として開幕戦からベンチ入りしている。もともと先発投手としてローテーション入りを狙っていたが、ローテーション投手の枠や他の中継ぎ投手の仕上がりの兼ね合いで、リリーフとして開幕を迎えた。
去年はペナントレースの順位が決まってから1軍に呼ばれた。その時の1軍入りとは意味合いが異なる。門別は立派な戦力として1軍に入り込んだのだ。

開幕2戦目の8回裏、門別がマウンドに上がった。僕がマツダスタジアムで見に行ったときより下半身がさらにガッチリしたように見えた。
門別が2アウトを奪って、ジャイアンツは代打に郡拓也を起用してきた。門別はストレート2球で追い込み、4球目のインコース直球で空振り三振を奪った。
スピードガンで驚くようは球速は表示されないけれど、それ以上に速く見えるストレート。文字通り一直線で伸びていくような球筋。そのボールをコントロールできる技術力。
今さら言うまでもないが、ものすごい可能性を秘めている。勝敗がほぼ決まった5点差ビハインドの試合で投げるのがもったいないピッチャーだと思った。

マツダスタジアムにて プロ初先発のマウンド

3月2日に札幌ドームで行われたオープン戦。門別は故郷・北海道での登板を果たした。観客席には門別を昔から知る友人や知り合い、ふるさとに住む人がたくさん駆けつけたという。プロ野球選手として大切な要素の1つ、「応援したくなる素質」を門別は既に持っている。僕はあの試合を見て確信した。
1軍で戦える力は既にある。あとはそのピッチングでたくさんのファンを魅了していくだけ。そうすれば甲子園のファンは次第に門別の大応援団になっていくはず。きっとそうなっていく。僕はマツダスタジアムで彼を見た日から、彼の虜になった。そうさせるだけの魅力が、門別にはある。


門別のプロ2年目がスタートした。
さあ、飛躍の年にしてやろうぜ。

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