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人在と人材と人罪と人財と人才

こんにちは!株式会社Tobe-Ruの戸澤です。

少しずつではありますが、お陰様で当社のサービスの導入企業様も増えており、私自身も多種多様な組織課題や組織の在り方を学ばせていただいております。

その中で今回のトピックは「人在と人材と人罪と人財と人才」にしました。
というのも、皆さん、経営陣(特に中小企業・小規模の方々)は、等級基準や昇格基準があるものの、不明瞭であったり、適正ではない基準が多くあるようです。

社員数が30名を超える企業様は、一度か二度は組織の崩壊、組織の壁にぶつかっておられる方が多いです。

組織の壁にぶつかったことのある経験者にお聞きしたことをまとめると、ようは社員1人1人の”人ザイ”の整理が出来ず、曖昧な状況の中で、社員を昇進したり、社員の立場が変わることによって、ほころびが出はじめ、悪循環が生まれたりしているようです。

当社も「人財価値を高める」ことにフォーカスを当てておりますので、この手のテーマは大変関心がありますので、今回は諸先輩方に教わった知識も踏まえて、共有させていただきます。

▼”人ザイ”のタイプ

人ザイタイプ別マトリクス

私はなぜか4分類に整理するのが好きなので、いかなることもマトリクスでポジショニングすることが多いです。
”人ザイ”のポジショニングに関しても、ある経営者の方から教わり、自分が最も分かりやすく腑に落ちたので、最近はよく上表を用いて話を進めています。

縦軸をマインド面、横軸を能力面で切り、4象限に分けたものです。
とってもわかりやすいですね。

人在=「マインド低」×「能力低」
人材=「マインド高」×「能力低」
人罪=「マインド低」×「能力高」
人財=「マインド高」×「能力高」
人才=「マインド高」×「能力高」+α(ポテンシャルの可能性)

今回は人才に関する内容は割愛しますので、4象限に絞ってご紹介していきましょう。

このポジショニングの整理ができておらず曖昧な領域が増えれば増えるほど、人事配置の適正さが失われていきます。社員1人1人がどこのポジションに位置しているのかを把握することが大切です。

▼どの”人ザイ”が一番、悪なのか

皆さんは、上図を見たときに、一番どこのポジションに存在する社員がよくないと思いますか?

「人罪」です。

「人在」と思われるかもしれませんが、人罪の方が悪となる理由は、影響力の違いです。

「人在」はマインドも低いですが、能力も低いゾーンです。いわばスタートラインであり、能力も低いということは周りに与える影響力をほぼ持っていないため、その人自身だけの問題となります。

しかし「人罪」のゾーンにいる社員は、能力が高い分、関わる同僚や上司・部下が多いはずです。そのような関わる方が多い、つまり影響力のある方がマインドが低い状態であると、伝染する可能性があります。

社員のマインドを高めるには、経営方針発表会、クレド、理念塾、朝礼、チームビルディング、1on1、メンター制度…と様々な施策を継続してやり続けることで少しずつ風土が出来上がってくるもので、時間を膨大に要します。

一方で、マインドを下げることは簡単で一瞬です。「人罪」のゾーンが存在するだけで、せっかく色々と取り組んでいた組織施策が全てパーになるリスクだってあります。

言葉で説明すると
「何を当たり前のことを言っているんだ」
「そんなこと、だれでもわかる」
と思われがちですが、現実問題、話を聞いていると「人罪」のポジションの人に役職を与えていたり、マネージャー職につけていたり、ということがあります。

「なぜ、この人を昇進させたのですが?」
と聞くと
「能力がめちゃくちゃ高くて、他の社員の模範になっているから」
「勤続年数が長くて、そこそこ有能で会社のこともある程度は分かっているから」
このような回答が返ってくることが多いですが、これは要注意ですね。

能力・スキル、そして勤続年数を昇進・昇格の基準軸にすることは危険です。この手の基準は等級や昇給基準の参考にするべきです。

このあたりが混在していることで、適正な人事配置ができなくなってしまい、後々面倒なことが起こります。

▼「育成施策」と「採用施策」の4つの方向性

「育成施策」と「採用施策」による”人ザイ”の推移

育成(組織)施策と採用施策の有無やバランスによって”人ザイ”の推移は変化していきます。大きく上の図にある4つの方向性に分かれていきます。
(当然、個人差があるので、あくまでも各ポジションの人ザイボリュームの話と捉えてください)

ここで言う採用施策とは、採用+内定者・新人教育育成を含みます。
この採用施策をしていると入社段階でマインドが高い状態から入るケースが多いので「人材」領域からスタートするケースが多いです。
どこの企業でも人材不足ですので、採用施策には関心があり、強化されている企業は多いです。

しかし、その先の育成施策がないと、将来的には能力だけが成長し、マインド面は低下していきます。

反対にたとえ採用施策がなかったとしても、育成施策があることで図②のように引き上げることができます。

ここで強調したいことは、採用施策を強化するケースで上手くいくのは図④しかありませんが、育成施策を強化する場合は②と④があります。

この4つの図は極端な分類なのですが、御社で置き換えてみて、現状を客観的に知り、今後の施策に繋げてみてください。

▼本記事のまとめ~採用活動の前にまずはインナーブランディングを~

どれだけいい人を採れたとしても、入社後、徐々にマインドが停滞していたら意味がありません。

社員で「人罪」がいたとしたときに
(1)もともと意欲が低かった
(2)最初はマインドは高かったはずなのに…
このどちらかでしょう。
前者の場合は採用施策の問題であり、後者の場合は育成施策の問題なのは明らかです。

当社は、採用活動の前に、まずは組織環境や育成環境を整備することをお勧めしています。インナーブランディングと呼ばれる分野ですね。

ぜひ、今回の記事で整理するきっかけに繋がれば幸いです。

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