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再現性を高める努力を続けることの重要性

「できた」で終わりではなく「できる」状態にしておく。

これは,僕が教員になる前,働いていたスタートアップで学んだことの1つです。新しいことにチャレンジして成功できたときは,いつ誰がやっても同じような結果になるよう,再現可能な仕組みを作ることを心掛けています。

自分が教員となったいま,どのように教育現場で再現性のある仕組みを作る工夫をしてきたか,綴っておこうと思います。

□ スタートアップ時代の経験

仕事で伸びる人と伸びない人の大きな違いの1つは「再現性」だと考えています。ここで言う「再現性」とは、あるやり方・考え方などの「手法X」を使って「成果A」を出したとき、それに満足せず「手法Y」や「手法Z」または「手法XY」などを試してみて、「成果A’」「成果A’’」を出し続けることです。

僕はスタートアップのインターン時代に、あるプロジェクトのディレクションを任されました。数字を伸ばすことだけに躍起になっていた自分は,なぜ数字が伸びたのか,なぜ数字が落ちたのか,振り返りをせず結果だけを見てプロジェクトを進めてしまいました。その結果,ある時期に数字の伸びが頭打ちになり,その原因を特定できず,効果的な施策が打てないままプロジェクトを降りることになりました。

いま振り返ると,とても恥ずかしい話ですが,「数字をあげることができた」で思考停止してしまい、再現性を高める努力を怠ってしまったことが大きな原因だったと反省しています。僕が見てきたプロフェッショナルな人たちは、基礎・基本を疎かにせず「次やるならどうするか」を常に考え続けていました。

また,若いうちから大きな仕事を任されると、それをこなす中で高度なスキルが身についたという感覚に陥ってしまいます。しかし、それはあくまで「やったことがある」という事実にすぎず、本物のスキルはしっかりと積み重なった基本が土台としてあって初めて身につくものです。結果を出したことに自惚れ、過去の成功体験にこだわることで、怠慢や慢心が生まれていつか足元をすくわれてしまいます。この失敗で身に沁みるほど体感することができました。

□ 教育現場での再現性

スタートアップで貴重な学びをさせてもらった自分は、教員の世界に入ったあとも、現状の結果に満足せず、どうやって成果を出し続けるかを日々考えてきました。

■ 授業の再現性を高める

例えば,教員として最も重要な「授業」においては,毎時間授業の記録を取るようにし,下のようなフィードバックシートに記述するようにしています。授業中に起こったことや,生徒の様子などを記録し,気づいたことをまとめて,「次どうするか」を具体的に行動レベルまで落とし込めるように書いています。

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成功要因、失敗要因などを記録しておくことで,「どの取り組みがうまくいったのか」「なぜ,うまくいかなかったのか」を分析し,授業のアップデートを図るようにしています。

もちろん,教えるクラスが違えば異なった展開になるので,まったく同じ授業を再現するのは難しいと思いますが,教員側がコントロールできる部分については再現性を高めておく必要があると思います。

当たり前のことように思えますが,案外,自分の授業をここまで振り返っている教員は少なく,その差が如実に授業力に表れている気がします。

□ まとめ

今回は、再現性を高めることの重要性や、教育現場での再現性を高める方法について書きました。学級経営や校務分掌等での取り組みなどについても,次回書いていこうと思います。

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