フェミニズム小説「ナーサリーライムの目覚め」について

 お久しぶりです。

 凪沙帳です。

 端的に言ってキレているので冷静ではありません。

 でも目を背けたくなるような暴言は使わないようにします。

 今日、まさについさっきなんですけど私が書いた小説に対する悪口がTLに届きました。なるほどと思って読んで、まぁ普通に傷ついて(歩いてたら急に暴言吐かれたような傷つき方です)ちょっと自分を省みてみたんですけど、全然納得がいかなかったので自分の意図は表明しておかなければならないなと思いました。黙ってたら”そういうこと”になってしまいかねないし、それはちょっと耐えられないので。

 その方から「マジで酷い」「杜撰」という評価を頂いた小説は、おそらく私が先月書き上げた「ナーサリーライムの目覚め」(通称ナサメ)です。

 この小説で、ドリーム小説大賞というアルファポリス主催の賞に応募しました。フェミニズムをテーマにして書いた小説です。良かったら読んでみて下さい。↓

https://www.alphapolis.co.jp/novel/373811017/635388942

 突然ですが私の性別は男性です。どうして男性がフェミニズム小説を? そう思われるのは自然な流れかと思います。なので、私がどうしてフェミニズムに興味を持ったのか、どうして私がフェミニズム小説を書こうと思ったのかについて書いていこうかと思います。

 ちょっと生きづらさの話をします。多かれ少なかれ、皆そうだと思うけれど少しだけ私のしんどさについて聞いて下さい。出来るだけ端的に書きます。

 私がなんか生きづらいな、って思ったきっかけは多分中学生くらいの頃でした。中学生当時、私は肌が弱くて顔に出来物がたくさんありました。それについて「汚い」と罵られたり、ニキビが移るとかそういうことを言われたりしました。そういう罵声とか、国語の授業で羅生門を音読している時に向けられる視線とか、そういう諸々が本当に苦痛でした。

 同時に抱いたのは男性一般に対する嫌悪感です。中学時代の私の周囲にいた男の人は、面と向かって暴言を吐く人たちでした。ホモソーシャルも大分きつかったんですよね……。「裸の付き合い」とか「そんなに仲良くないのに肩を組んでくる」感じとか。性的コンテンツに興味を持たない男は男じゃないみたいな空気感。特に私肌が本当に荒れていたので、「裸の付き合い」が嫌で拒絶してました。白い目で見られるならまだましで、最悪省かれますからね、男が陰湿じゃないみたいなやつ、あれ嘘ですよ。陰湿な男はいます。

 そういう「なんとなくがさつな感じ」が嫌で関わることを避けたので、自然と女性と関わることが増えました。中高生の頃の私は、全然女性の構造的な生きづらさについて自覚していなくて、例えば「いいなー女性はレディースデーとか女性専用車両があって」とか完全にピント外れの羨望を抱いていました。

 だけど深く関わってみて、その生きづらさに触れました。私はそれまでかなりの数の女性が通学や通勤の最中に性被害に遭っているということを知らなかった。それ自体は女性間においては広く共通認識として、ありますが男性側にはほとんど届かない。そういうこというと「モテアピール?」「相手にされないよりましじゃない?」とかいうクソみたいなことを言われたりするんですよね。だから言えなくなるんですよ。黙らせられるの。

「女性専用車両に乗っている人はブス」っていう言説ありますよね。多くの女性はルッキズムの呪いにかかっています。丁寧に丁寧に気付かないように、家族、友達、近所の人、そういう人によって形成された社会によって魔法をかけられます。メイクをして当たり前、選ばれなきゃいけない、ブスは道を歩くな。男性に生まれていたらまず浴びせかけられないような、尊厳を踏みにじられることを平気で言われます。

 ルッキズムについては心当たりがあります。心ない言葉で傷ついて、洗顔料を変えたり、就寝時間に気をつけたり、枕カバーを毎日変えたり。手は尽くしました。

 だめだったんですよ。何をやっても。全然だめ、どうしようもない。出来るもんは出来る。そんなもん些事だよって当時の自分に言ってあげたいけど、当時の自分にとって肌が荒れていることは、それだけで社会と自分を隔絶させて、死にたくさせる現象でした。ニキビは大学生にもなると治りました。私は随分生きやすくなりました。

 では女性はどうでしょう? 年齢はルッキズムの呪いを少しも解放しないし、むしろ強化していきます。「化粧をしろ」「痩せろ」「毛を抜け」などなど。

 これ以上列挙することに意味はないので控えますが、女性を縛る呪いは枚挙に暇がありません。

 注意をしなければいけないのは、生きづらさを感じているのは女性だけではないということが事実であるということです。私も男性としての生きづらさと日々戦って生きています。毛を抜け圧力は最近男性にも強まってますしね……。

 男性や女性、そしてLGBTQなど様々な性を持つ私たちは、皆少なからずしんどさを抱えています。でもその辛さの全てが、誰かの辛さを矮小化しません。皆が辛いって叫んでいい。そしてそれは誰にも邪魔されるべきではない。私が「ナーサリーライムの目覚め」に託した願いです。

 私がフェミニズムに興味を持ったのは、大切な友達を傷つけるこの呪いに立ち向かう武器を探していたからです。そしてフェミニズム小説を書こうと思ったのは、フェミニズムという武器を持って戦うことが、引いては男性も女性も、そして多様な性を持つ全ての人の自由と尊厳を守るということを信じたからです。

 面白半分で知識をひけらかしたかったわけではありません。

 しかし、小説を書くことで承認欲求を満たしているということについては否定しません。私にとって小説を書くということは、どんなことも満足にこなせない私が、唯一思い通りに出来ることだからです。

 でも承認欲求を満たしたいという気持ちと、自分のために、誰かのために戦いたいという気持ちは全く矛盾しないと考えています。

 不勉強であることは事実なので、フェミニズムについてはもっと勉強していきたいと思っています。そして、少しでも多くの人がフェミニズムに興味を持ってくれたらいいなと思います。

 そのための道具として私は小説を使うけれど、それが小説にとって不誠実なことだとは少しも思いません。

 ここから該当の記事に対する言及が入ります。少しでもしんどいと思ったらブラウザバックして下さい。なんならもう十分心がしんどいかもしれないので引き返して下さい。書いた人は逃げないで下さいね。




 言葉は道具だし、小説だって道具です。色々言って美化しているけれど、あなたはその事実から逃げているように思えます。道具は道具として大切にするべきだと思うし、あなたが神格化する小説とやらの実態が私にはまるで掴めません。

 私は読ませてやってるんだから感謝しろなんて少しも思ったことがないし、それがもし本当に透けて見えるんだったら幻覚だと思います。本当によく読みましたか? 疑問に思います。

 黒鍵さんの描写から、説教臭さとを感じたのでしょうか。黒鍵さんはフェミニズム研究の専門家です。専門家が専門家として講義をするのは、少なからず啓蒙の意図があるからだと思います。

 しかしそういう意味で一番啓蒙的なキャラである黒鍵さんは少しもフェミニズムの方向性を限定していませんよ。こういう使い方も出来ます。私はこう使います。あなたはどう使いますか? そういう人です。作品全体からそれを読み取って貰えなかったのが本当に残念に思います。

 キャラクターではなく私の話をしましょう。フェミニズムについて、啓蒙する意識が少しもないとは言えません。フェミニズムが全く浸透しないばかりか、信じられないような誤解が蔓延っているので、それを少しでもどうにかしたいという気持ちはあります。

「それ」を知っている人にとっては説教くさい事柄でも、全く知らない人にとって何かを考えるきっかけにはなり得ると思っています。実際ナサメを読んでフェミニズムについて考えるきっかけになったと言って下さった方もいます。

 そういう意味で私はめちゃくちゃ何かを書きたいと思って小説を書いています。あなたとは正反対ですね。私は森で暮らすのであなたはたたら場で暮らして下さい。でも殴ってきたら普通に殴り返します。覚悟があるから書いてるんでしょうけど。

 書き手がめちゃくちゃ「女を搾取する男」だと断言していますね。登場人物ではなく書き手を。一応言っとくけどそれ人格攻撃ですよ。

 確かに女性を搾取する社会構造は確実にあるし、男性性を生きる以上、その事実から逃げられません。だから私は少しでも出来ることをしようと思っています。あなたは何かをしていますか?フェミニズムやジェンダー論に心打たれて、自分が男性性であることを嫌悪して、そして何かをしましたか?

 してるかもしれません。めちゃくちゃ活動家かもしれない。私はあなたのことを何も知らないし、当該の文章しか読んでいないので。

 もしそうだったらすみません。だけど、あなたと私の相性が最悪であることに変わりはないと思うので、別のフィールドで戦っていきましょう。そしてお互いを無視するくらいの分別は持ちましょう。私もこの応答であなたに対する言及は最後にしようと思っています。

 もう少し続きます。

 ナサメを読んで、本当に余裕のある「説教」としか思えなかったのだとしたら強い絶望を覚えます。

 私はナサメを通してこれがフェミニズムです、なんて示したつもりは全くないし、申し訳ないけれど『「書き手」がフェミニズム実践者たちを「」に入れたので、更に性質が悪い』の意味がまじで分かりません。

 前後の文脈から察するにレッテル貼りの話ですよね?あなたは作品から作者の人格を推測して、女を搾取する男とまで断言したことについてはどうお考えですか? それがレッテル貼りとどう違うんですか?

 あなたは私が衒学的で痛々しいと言うけれど、そういう衒いって当事者には簡単にばれるんですよ。だから本当に注意深く書いたし、確実に何人かの人には受け入れられていることを感想を読んで感じています。

 これは推測だけれど、あなたは私が男だからこんな風に悪し様に、わざわざ長文で悪口を並べ立てるのではないですか?私が女性差別の当事者ではないから。

 でも本当に当事者しか喋っちゃいけないんでしょうか。もしそうだったら、女性差別の撤廃を求める声はいつまでたっても過半数になりませんよ。(大雑把な計算ですみません)何かを思っていても、声に出して形に残して表明しないとなかったことにされますよ。

 だから私は、私を黙らせようとするあなたに対して絶対屈しません。本人に届くとは思っていなかったは通用しませんからね。

 鍵もつけないインターネットの陰口は必ず当事者に伝わると思っておいた方がいいですよ。名指ししなければ誹謗中傷じゃないという認識も改めた方がいいと思う。

 ないと思うけど私を傷つけようという意図が少しでもあってやったんだったら「隙あらばムカついた人間を傷つけたい」と思っている自分の欲求と向き合った方がいいと思いますよ。

 私は絶対に泣き寝入りしないし、殴ってくるなら相応の覚悟を持って殴れよな。じゃあね、お元気で。


PS:最後に。ここまで読んで下さっていた方がいたら、個人的なぶち切れに付き合わせてしまってすみませんでした。優しいあなたの毎日が幸せであふれますように。

 今日はこのへんで。


















本当に読んだんですか?単純に疑問です。




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