とある教員(元お笑い芸人)

元お笑い芸人で、今は小学校の教員をしています。

とある教員(元お笑い芸人)

元お笑い芸人で、今は小学校の教員をしています。

最近の記事

教員に「指導方法を一律に強要する」ことは、芸人に「笑わせ方を一律に強要する」ことと同じ

教育現場では、しばしば、指導方法を強要されるケースがあります。 強要してくださる方は、 ・管理職 ・先輩教員 ・指導主事 など、様々です。 強要される指導方法は ・めあての板書 ・構造的な板書 ・授業の始まり・終わりの挨拶 ・単元を貫く言語活動 ・計算ドリル ・漢字ドリル ・音読カード など、数え上げたら、枚挙にいとまがありません。 教育現場における、この風潮は、本当に意味が分からないのです。 このことをお笑い芸人の世界に当てはめてみます。 教員に「指導方法

    • なぜ教育現場では追試が一般化されないのか?

      今回も、教員と芸人との相違点について考察します。 教員の場合は、子ども達に対して、過去に誰かがやった素晴らしい実践を、(忠実に追試できるかはさておき)堂々と追試することができます。 有名な実践であろうがなかろうが、それは教員の間だけのことです。 子ども達が知りうる可能性は、ほぼありません。 そして、その実践を披露することで、教室が盛り上がったり、子ども達の理解を深めたりすることができた場合、子ども達からの評価は確実にアップします。 「○○先生の授業、面白い!」 「

      • 教室では教育虐待がまかり通っている。

        前回の記事では、教員と芸人とで大きく異なる点について考察しました。 そこでは、教員の場合は「こちら側の努力が無くとも対象者が集まって来てくれる」のに対し、芸人の場合は「こちら側が何かしらの努力をしないと対象者が集まって来ない」ということを述べました。 今回は、上記のことが、現場でどのような作用を及ぼしているのか、について考察します。 教員の場合、対象となる相手は子どもです。 子どもは、「具合が悪い」など 余程の事情が無い限り、学校に行かねばなりません。 子ども達は、毎

        • 教員と芸人の相違点

          今回は、教員と芸人の相違点について考察します。 教員も芸人も、目的こそ違いますが「対象者の前に出て何かをする」という点では共通しています。 しかし、教員と芸人とで、大きく異なる点があります。 それは、教員の場合は「こちら側の努力が無くとも対象者が集まって来てくれる」のに対し、芸人の場合は「こちら側が何かしらの努力をしないと対象者が集まって来ない」ということです。 どういうことか。 教員の場合、対象となる相手は、子どもです。 教員は、決められた時間に教室で待っていれば

        教員に「指導方法を一律に強要する」ことは、芸人に「笑わせ方を一律に強要する」ことと同じ

          教員も芸人も、意識して努力しなければ、技量は絶対に高まらない

          私は、かつて、お笑い芸人として10年以上活動していました。 都内各地でお笑いライブに毎月10本程度出演し、ほんの、ごくごくたまにテレビ番組に出演していました。 芸人を辞める直前の数年は、半年に1回程度の割合で単独ライブも開催していました。 それらのお笑い芸人としての活動10年と、教員になってからの9年を比べてみて、分かったことがあります。 それは、お笑い芸人と教員には、良い意味でも悪い意味でも、いくつもの共通点があることです。 それらを一言でまとめるならば 「意識

          教員も芸人も、意識して努力しなければ、技量は絶対に高まらない

          教員と芸人の共通点

          前回の記事で、教員と芸人が腕を上げるための方法において、共通点があることを述べました。 今回は、教員と芸人との共通点について、別の視点から掘り下げてみようと思います。 私は、芸人時代、様々な芸能事務所を転々としていました。 一時期、私は、都内の、とある事務所に所属し、3人組のコントユニットとして活動していました。 大抵のお笑い事務所は、月に1回程度、所属芸人が持ちネタを披露するライブを開催します。 私がいた事務所は、2部制でライブを開催していました。 2部制とは、

          現代のお笑いの全体的な底上げが成された最大の理由

          (前回の続き) 現代のお笑いの全体的な底上げが成された最大の理由は、ビデオ・DVD・インターネットが広く世の中に普及したからです。 ビデオ・DVD・インターネットが普及したことで、昔の芸人さんと比べて、質の高いネタに触れる機会が格段に増えました。 しかも、それらのコンテンツを繰り返し見ることが可能になりました。 このことが、一体、何をもたらしたのでしょうか。 それは、駆け出しの芸人が、「今の自分に足らない技術は何なのか?」を測る手段として、ビデオ・DVD・インターネ

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          「最近のお笑いは、面白くない」と言う人の心理

          私の前職は、お笑い芸人でした。 10年以上活動していました。鳴かず飛ばすの芸人でしたので、説得力が無いかもしれませんが、聞いてください。 お笑い芸人のネタについて、時々、こういうことを言う人がいます。 「最近のお笑いは、面白くない」 こういう事を言う人の多くは、個人的に自分が「面白くない」と感じたことを、強引に一般化してしまっていることに気がついていません。 「最近のお笑いは面白くない」 これだけを聞くと、さも、最近のお笑いのレベルが下がったかのような印象を受けます

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          「教員は社会人経験をするべき論」の嘘

          世の中には、時々、こういうことを言う人がいます。 「教員は、社会人経験をした人がなるべきだ」 これは、果たして、正しいのでしょうか。 かつて、私は、10年以上お笑い芸人として活動していました。 正社員として会社勤めしたこともあります。 いわゆる「社会人経験」もあります。 その私が自信を持って断言をします。 「教員は、社会人経験をした人がなるべきだ」 は、全くもって正しくありません。 「教員は社会人経験をするべき論」を振りかざす人は、 過去

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