見出し画像

経営課題を解決するには、まずは管理者・リーダーの教育が必要と思います。

2022年度も上半期が終わりまして、下半期に向けた経営のかじ取りが求められる時期です。
本日、9月の決算も出て本部よりデータが届いたので内容を精査しました。

これまでに各事業所から拾えるレセプトデータからある程度の件数や収益は把握してデータを準備しておいたので、上半期の結果分析のための表は決算データが届いてすぐに仕上がりました。

慢性的に赤字が続いてる拠点なので、次年度以降から黒字化に向かうためにも、各管理者を含め、全職員が現状の経営状態を理解しやすいように、それぞれの部門の収益・費用・利益・件数・単価の数値をグラフ化して上半期の推移を目で見て理解できるような資料を作成しました。

こういうのも本当は自前のExcel作業じゃなくてほとんど自動で吐き出してくれるようなシステムはきっとあると思うんですけど・・・。

ちなみに、こういったデータ作成と、次週に予定している管理者を集めた経営会議の資料と、それに付随して各管理者の育成が必要なので、各部門ごとに特化した学習資料(経営とケアの質の向上に関するもの)を今日はずっと作成していました。
集中していたので気が付いたら終業の時間でした。

拠点全体で人件費率が75%なので、もうちょっとしぼって70%程度に抑えたい所ですので、これを収益を伸ばすか、経費を削るかなのですが、基本的には収益を伸ばすしかないと思っています。
それが各事業所でできるかどうか、これが問題です。

いくら田舎で人口が少ないとはいえ、高齢化率が進んでいてニーズはあるはずですし、都会と違って競合他社も少ないのでやりようはある立地ですから、基本的にニーズが拾えてないと分析していますが、現地に着任したのが5月で、着任すぐに近隣地域の特養で発生した大規模クラスター施設の支援に行っていたので、ほぼ6月から着任みたいなものでしたので4か月程度では関係づくりも仕上がっていなかったのでこれまでは現地の取り組み方法を尊重してきましたが、下半期からはそうもいかない、という感じで意識を変えてもらう必要があります。

これまで着任してきた各町村の人口と高齢者数と要介護認定者数と地域の競合する介護事業所数の数を比較しても、まだまだ顧客は獲得できるレベルと判断しています。(ただし、5年後10年後となるとわからないです)

実際、数値が伸びているのは居宅と訪問介護部門だけで、収益源のはずの訪問看護と通所介護で大幅に予算未達の状態となってしまっています。
それに加えて恒常的に赤字が出る有料老人ホームもありますので、拠点全体で上半期で予算に300万円も未達という結果でした。

地方の事業所にありがちなんですが、人口が少ない、高齢化が進んでいるから利用者が増えない、職員の高齢化が進んでいるから利用者を受けれない・・・等々の固定概念というか、なんでしょうね・・・これ以上頑張れない・無理だ、みたいな雰囲気が赤字が長く続いている事業所には根強いです。

しかし、そういう状況では経営は改善できません。

そこの意識を変える必要があるのですが、経験上、上からこうしろああしろとやっても意味がないばかりか言う事を聞かなくなって悪影響なので、それぞれの部門の頑張りを認めた上で、現状で何が出来て何ができないのかを自分たちで語らせる必要があります。

数字をつきつけて伝わるレベルであれば、そもそも経営結果がここまで悪化しないので、そういう数字で攻める方法もあまり効果がないというのがこれまでの実感です。

管理者がそれぞれ看護師や介護職ですので、そういう営業や経営という分野が苦手な集団ですから、それはそれでそういうものだという理解をした上で対策を考えた方が自分自身の精神衛生上安全と思います。

僕自身も、偉そうにこういう事を書いていますが、経営の事なんてちゃんと勉強した事はありませんし、この方法が正攻法かどうかも分かりません。
何度も試行錯誤して失敗してきた上でたどり着いた解なので、見本になるとも思えませんが、自分なりに頭の中を整理するにもいい機会なのでこうして記事にしてみようと思いました。

そう、僕自身が経営とはこうだ、経営改善とはこうやるものだ、という指導や見本を見せてもらえてこなかったので、自分がやってきた経験を元に指導するしかなく、自分が気づいて意識が変わった体験を、部下にもしてもらうために様々なきっかけや機会を提供し、気づきに繋がるようにさり気なく誘導してあげる事くらいしか出来ないと思っています。

管理者だから経営にも責任を持てとか、経営も勉強しろ、とかやっても、僕自身がそうだったように、管理者なんてやりたくないのに無理やりやさせておいてなんだ!みたいな気持ちになるので、この方法も効果がある人とそうでない人がいるのでよく相手を見て実施した方がよいと思います。

上半期を見てきて、人員体制をもう少し工夫し、しっかりと顧客を獲得できれば経営状態は改善できる見込みは高いです。

それぞれの管理者のレベルもこれまで赴任してきた拠点と比べても高めのレベルなので、ちゃんと伝わればやれるチームだろうと思いますので、ここでしっかりと管理者を育成をしておく事が重要だと考えています。

職員確保や定着と同じで、介護サービスも職員の生み出すサービスを売っていて、それを顧客に購入してもらうわけですので、このサービスに満足してもらえないとリピートはありませんし、顧客が一時的に増えても結果としてリピートしてもらえないと減ってしまいます。
その上、高齢者向けのサービスですから中断や中止なども毎月発生しますので、何もしなければどんどんと顧客数は減っていくのが普通です。

そこを増やしていく工夫をしないといけないので、介護サービスの管理者は常に勉強をして新しい工夫や新しい取り組みや質の向上に取り組まないといけません。

常に先に進んでいなければ生き残れないのが介護サービスだと思っています。

管理者・リーダーが、そういう事を自分の介護観を語る中で現場職員に伝え、チームが一人ひとりの利用者さんの個々のニーズに対して、どうしたい、こうしたい、こういうことができないか、と創意工夫できるようになることが重要だと思います。

おそらく、コロナ禍でも業績を伸ばしている介護事業所の多くが、こういう管理者・リーダーの育成に投資をしてきて成功しているのだと思います。

経営と育成は、本当に密接な関係があると思います。

さて、下半期でどの程度、僕の熱が伝わるかが問題ですが、やれるだけの事はやり切っていきたいと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?