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「仕事に人を合わせすぎる」日本社会。多様な人を雇うチョコレート店が示す職場との「健康的な関係性」・・・という記事の紹介です。

確かに仕事に合わせた生活になってるよなぁ・・・なんて思いながら読みました。

記事を読むまでしらなかったんですけど、映画になってるんですね。
面白そうです。

そんな「チョコレート」の工場を描いたドキュメンタリー映画が公開されている。タイトルは『チョコレートな人々』。舞台となったチョコレート専門店「久遠(くおん)チョコレート」は、全国に50以上の拠点を持ち、その従業員の約6割が心や身体に障がいのある人たちだ。

『人生フルーツ』や『さよならテレビ』といったドキュメンタリー映画で知られる東海テレビが制作を手掛けた。久遠チョコレート代表の夏目浩次さんを主人公に据え、障がい者雇用の促進と低賃金からの脱却を目指した職場づくりへの挑戦を追った。

ひとりひとりの特性に合わせて職場の環境や働き方を柔軟に変えていき、様々な背景を持つ人々が互いのデコボコを埋め合う様子は、障がい者雇用に限らず、社会の“人と職場”の関係性に深いメッセージを送っている。

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こういうの見ると元気もらえますね。
いいなぁ、と思える取り組みを自分でも実現してみたいものですが・・・やはりそこはそう簡単ではないですよね、もし簡単な事であれば、もっともっと現場の取り組みの多様性は広がっているはずですから。

愛知県豊橋市を拠点に、チョコレートの製造や販売を行っている「久遠チョコレート」。北は北海道から南は九州まで、フランチャイズを含めて50以上の拠点を持っている。余分な油を一切加えないピュアチョコレートをベースに、ドライフルーツやナッツを散りばめた「QUONテリーヌ」が店の看板商品。日本各地のお茶など特産品を入れたものもあり、そのバリエーションはなんと150種類以上。店頭には色とりどりのテリーヌが並んでいる。

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凄い規模で展開してるんですね、全然知りませんでした・・・。
チョコとかお菓子屋さんとか、もういい年のおっさんなんで中々足が向かないですけど、そういう所にも興味をもってアクセスしないと時代に取り残されてしまいますね。

美味しそうだなぁ・・・でも血糖値が・・・体重が・・・。

カラフルなテリーヌのように、工房や店頭で働く人々のバックグラウンドもさまざま。約570人いる従業員のうち、およそ6割が心や身体に何らかの障がいを抱えている。他にも、子育てや介護中、シングルペアレント、性的マイノリティ、引きこもりの悩みを抱えた若者など、多様な従業員たちが共に高品質なチョコレートを作り上げている。

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多様性を認める職場づくりの最先端な感じですね。
見習いたいです。

一見、マネジメントしにくそうなチームですけど、それでも高品質な商品を作っているという所が凄いですし、そこがポイントですよね。

これからは商品の価値を高めていかないと生き残れないと思っています。
介護サービスは報酬で決まってしまうので、そこでの競争は起こりませんけど、そのサービスを提供する介護職の質がそのまま商品価値になりますので、そこで強みを作れないとダメだと思っています。
だから育成が本当に重要だと思っています。
そして、対人援助であり人生をそっと支える脇役ですから、人柄や性格も重要です。

ケアの場面で最も重要なのは、主役である本人との相性だと思います。
そこに合わせられる引き出しをいくつ持っているか、それが介護職の大きな武器になると思っています。

創業者の夏目さんはバリアフリー建築を学んでいた学生時代、「障がい者の全国平均月給(工賃)が1万円」という安さに衝撃を受け、障がい者雇用に関心を抱いた。一般企業での就労が困難な障がい者は「就労継続支援B型事業所」と呼ばれる福祉サービス施設で働くケースが多い、施設ではその人に合わせた自由な働き方ができる一方、雇用契約を結ばないため最低賃金が保証されず、平均工賃は月額1万5000円程度にとどまるのだ。

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月給1万5000円って・・・、僕も衝撃を受けました。
安いだろうとは思ってましたが、そこまで安いとは・・・。

そんな現状を変えようと2003年、夏目さんは豊橋市の花園商店街で、障がい者を積極的に雇用するパン工房「ら・ばるか」をオープン。知的障がいのある従業員3人には、県の最低賃金(当時時給681円)を保証し、「月額1万円」の壁を突破しようと試みた。ところが、パン作りは手間がかかる割に利益率が低く、売れ残った商品はその日のうちに廃棄しなければならない。一時は1000万円以上の借金を抱え、自身の給料を削る日々が続いていた。

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パンやクッキーって定番な感じですよね。
いやぁ、難しいですよね。
借金までしてやり遂げるまで継続したってのは本当にすごいし、信念というか、やってやる、という想いがないと難しいですよね。

200万とか400万の借金でさえ背負うのに相当な覚悟が必要な僕自身にとっては、凄いなぁ・・・の一言です。

それから10年の月日が経ち、夏目さんはチョコレートに出会う。工程が難しくて扱えないと思っていたチョコレートだが、トップショコラティエの野口和男氏の言葉が背中を押した。

「チョコレートは失敗しても温めれば、作り直すことができる。トップショコラティエなら、いろんなことが一人でできないといけない。でも、工程を分解して一人が一つ、作業のプロになればいい」

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チョコレートは作り直せる、というのは凄い着目点ですよね。
確かにそうだけど、その発想に至るのは難しいと思います。
いろんな意見を聞ける環境にあった事がすごいと思いました。

そして作業を細分化して、一人ひとりが得意な事を分担して一つの作品を作り上げる。
これって認知症ケアの作品作りや手作業でもやってますよね。
職員の理解が得られないと中々難しいんですけど、ちゃんと理解しているチームだと本当にうまく出来ます。

介護職だけじゃないかもですが、どうしても全員同じことを同じようにできる事を目的としてしまったり、きれいに上手に出来る事を目標にしてしまいがちですが、それを作っている本人が楽しくて満足していれば何も問題ないと思います。

みんなで作った作品が出来上がった時は、本当に楽しいし嬉しいです。

工房では、材料の粉砕やチョコレートのテンパリング、トッピング、箱詰めやラッピング…など一つ一つの工程を分けている、こだわりが強いスタッフには、集中力が必要なカカオのテンパリング作業。手先が器用な人には、フルーツのカットやトッピング。スタッフひとりひとりの特性に合わせて、最も適した作業を振り分けている。

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こういう特技とか見つけるのもコミュニケーションをとっていく中での楽しみの一つですよね。
何事もやってみてもらわないと見えてこない部分もありますので、そういうチャレンジも面白いです。

工房の壁に書かれた「凸凹みんなでチョコレート」との言葉は、久遠チョコレートの職場環境そのものだ。ある店舗では、左片まひ(※)のスタッフが、知的障がいのあるスタッフに接客などをアドバイスする。反対に、アドバイスを受けたスタッフは、身体の一部が不自由なスタッフのレジ打ちを隣でサポートする。できること、できないこと、得意なこと、不得意なことの凸凹をお互いに埋め合っているのだ。

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認知症ケアの中でも同じような光景があります。
互いに認知症でいろいろできない事もあるんだけど、助け合ったり励まし合ったりしていたり、意外と互いにできない事はお互いで理解していて手伝ってあげたり。
最初はそういうのを怪訝そうに見ていた周囲のお年寄りも、そのうち馴染んできて手伝える事を提供したりしてくれたり。

こういう環境づくりって、自然に出来上がる事もあるんですけど、大きな影響を持つのがその場にいる介護職です。
さりげない橋渡しや、さりげなくミスを予防するなどのフォローが出来ていると円滑なコミュニケーションが取れるようになります。

介護職が前に出て、ああでもないこうでもない、とやってしまうとみんな指示待ちなりますし、綺麗に丁寧に出来てないとダメだ、という感覚になるので”出来る人”や”上手な人”だけが取り組む作業になってしまいます。

そうなると認知症の方は居心地が悪かったり、作業に集中できないので他の事に興味がいったり、家事を思い出したりして周辺症状が出やすくなっていくわけです。

「夏目さんとの出会いは2003年頃、花園商店街を舞台にしたドキュメンタリー番組の撮影がきっかけでした。元々福祉には興味があり、障がいがあることで偏見の目で見られたり、理不尽な思いにあったり、職業の選択肢が狭められたりするのはおかしいのではないかという思いがありました。その中で夏目さんの思いを聞くうちに『障がいがある=低賃金である』は確かにイコールではない、この人の挑戦を追ってみたい、と思ったのが始まりです。

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確かにイコールではありませんよね。
違和感や疑問も思う事って、ほんとうに大切ですよね。

たとえ疑問に思っても、その先へのステップには中々つながらないのかもしれませんけど、疑問もなく見てしまう事に慣れてしまうのは怖い気がします。

番組放送後、夏目さんのもとには多くの期待や励ましの声が寄せられた一方、「使える障がい者とだけ仕事をしているのでは」との反発もあったという。

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これ、介護の世界でも多いですよね。
あそこは軽度者ばっかりだからできる、とか。

そうじゃなくて、だいたいどこも同じような構成だと思いますよ。
出来る事が広がっている取り組みについては、やはりそこでの基本的な視点や取り組みがしっかりできているからだと思います。

認知症ケアにしても、基本的な認知症の方への対応など、ちゃんと普通にしていれば周辺症状が出ない取り組みなんて、いくらでも事例の報告はされてきました。
そういうのを自分たちでもやってみたのかそうでないのか、そういう部分の取り組みの積み重ねの差だと思いますし、そもそも発想できてないというか、自分たちの見てきた現実しか見えてない視野の狭い評価だと思います。

僕なら・・・というか、普通はきっと、え?どんな取り組みをしているの??・・・と思うはずです。
知りたくなるはずなんですよ、自分にできない事をしている事例があれば。
いいな、と思うような取り組みをしている事例があれば、どうやるの?って知りたくなりますよね。単純にそういう事だと思うんです。

そこに興味を持てるか持てないか、それだけの差だと思いますし、そこに興味を持てない状況って、介護の本当の面白さに気付けてないんじゃないかなぁ・・・なんて思います。まぁ、それだけ日常業務が忙しいんですけど、一方で出来てる場所もあるんですから、そういう視点で物事を見ていかないといけないと思いますし、そうでなければ同じ業界内で批判し合うだけで足を引っ張り合うだけですから、何も良くないと思うんですよね。

業界全体が大きな一つの職場として、足の引っ張り合いをしている状況って、多くの介護現場で見られる状況とも酷似しますので、業界全体で雰囲気を変えていきたいものです。

夏目さんは2021年7月、重度障がい者の雇用の場として「パウダーラボ」という生活介護事業をオープン。「月額数千円とされる重度障がい者の賃金を月給5万円以上にコミットする」とのポリシーを掲げ、重度障がいのある約20人の人たちをスタッフとして採用した。

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どんどん切り込んでいる感じですね、なんだかすごいです。

パウダーラボでは、チョコレートに混ぜるお茶やフルーツの加工が主な業務だ。映画ではテレビ版の内容に加えて、パウダーラボの環境や仕事内容が、働く一人ひとりに合わせてアップデートしていく様子が描かれている。

突然発作が起きる「チック症」の症状を抱える重度障がい者の男性。作業中に床を強く踏み鳴らすことで、階下のテナントから苦情が来てしまう。すると夏目さんはすぐに防音のゴムマットを敷き、最終的には一軒家に別のラボを新設するという決断に至る。彼がお気に入りの動画を流せば落ち着くことに気づくと、作業中でも聞けるように専用のタブレットまで用意するのだ。

また、別の重度障がいの男性は元々は福祉施設に通っていたが、仕事はシュレッダーを回すことばかりだった。ラボでは茶葉をパウダーにする仕事を担うが、手でぐるぐる回す専用の器具が上手く使えない。夏目さんはより簡単に挽くことができる石臼に変え、さらにはそのスタッフ専用の新たなマシーンまで開発する。

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こういうの良いですよね、その人のための環境づくり。
そういうのが多様性を認める職場づくりなんだと思っています。

認知症ケアでも、職員によく言ってたのが、『全員に平等に特別な対応を』という言葉です。

よく職員から、なんであの人だけ特別なんですか!?って詰め寄られたり文句言われたりしてきて、こればっかりは通所という集団生活の場、という事もあって、うまく個別ケアに正当性を持たせる説明ができなかったのですが、本当にイライラして思わず口に出たのが上記の『全員に平等に特別な対応をすれ!』でした。

それ以来、気に入って良く説明に使っています。

職場や仕事に合わないと判断したスタッフを入れ替えたり、淘汰したりすることは簡単だ。だが、パウダーラボでは、障がい者を無理に職場に合わせるのではなく、環境や方法を見直すことで、その人自身が働きやすい状態へとアップデートしている。それができるのはトップダウンの経営ではなく、経営者の夏目さんがこまめに現場へと足を運び、従業員の様子を観察して見守っているからだろう。

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自分自身が判断する立場となると、僕自身はこういう決断ができるかどうかわからないです、難しいと思います。

ただ、こうして客観的な立場で見れると、こういう取り組みって投資だと思うんですよね。創業者は、そこに投資をして回収できる見込みが見えたんだと思います。それは金銭的な回収だけではなく、経験値的な意味の方が強かったのかもしれませんが、こういう取り組みの積み重ねで、たとえばこのケースではうまくいかなかったけど、次のケースではこの経験があったからうまくいった、という所に繋がるという視点。

常に現状に満足ぜず、何かもっといい方法がないか、もっと改善できる事はないか、という視点があるからできた事なんだと思います。
見習わないといけない視点ですよね。

一日5時間の勤務で、月給は約5万円。一般的な福祉事業所の賃金と比べるとかなり高額だが、夏目さんは劇中で「まったく満足していません」と語っている。障がいが重たいから、賃金は安くて当たり前ではない。そうした夏目さんの思いはじわじわと広がっていき、当事者の家族の、障がい者雇用に対する見方にも変化が生まれているという。

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こういう取り組みで業界の雰囲気が変わっていくといいですね。
こんな事では満足できない、そういう視点は人生を支える介護現場にも本当に必要な視点だと思います。

「パウダーラボがオープンした当時、そこで雇われたスタッフのご家族は『働けるだけで十分なので一銭もいりません』と感謝していたのですが、一年以上が経った今は『もっと給料を上げてほしい』とお願いするようになったんです。夏目さんも驚きながらも『いいことですよ』と笑っていました」(鈴木さん)

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人間って環境に応じて要求のレベルも変わりますよね。
介護の基本的な考え方の部分で、絶対学んでいる内容なんですけど覚えてますか?

マズローの欲求5段階説
(仕事のやりがい発見 & 自己成長するための、ちょっとした工夫/By 大林亨輔)

利用者さんでも職員でも、どんどんと要求がエスカレートしていく様子はあります。
それって、自然な事なんですよね。

だから、それをどう受け止めて、どう返すのかは上司の腕の見せ所だと思います。

そして、ケアの場面でもですが、やはり最終目標は自己実現であるべきです。
それは、利用者さんもそうですけど、職員もそうであった方がよいと思います。

パウダーラボは既に愛知県内に三つの拠点を構え、いずれは全国展開も視野に入れている。

久遠チョコレートが目指す「全ての人々がかっこよく輝ける社会」に向けた障がい者雇用の促進、そして低工賃からの脱却への道のりはまだ途中。夏目さんはこう付け加える。

「無理はしません。無理をさせることもありません。みんなの時間軸で一歩一歩、みんなでもがいていけたら」

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目標があって、そこに向かっていく。
ハッキリしていて良いですよね。
その中でも無理をしない、みんなで少しずつ前進していく。

一人で頑張っても物事は動かないという事でしょうね。
実際、そう思います。

そして、みんなで一緒にもがく=苦しむ。
ここも重要なポイントだと思います。

苦労しない先にはそれなりの到達点しかないと思っています。
『全ての人々がかっこよく輝ける社会』の実現という、結構大変な目標にむけての取り組みですから、それなりの大変さがあると思います。

そこも一緒に楽しめる、経験できる仲間が必要という事ですよね。

そういう部分でも、目標や理念の一致は本当に重要だと思います。


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