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マクドナルドとユニクロ。人材育成の共通点と相違点。人材育成DXのトレンドを聞く・・・という記事の紹介です。

世の中連休だったようですが、介護の仕事をしていると関係ありませんよね。
個人的には、そういう日祝でみんなが休んでいる日よりも、平日でどこに行っても人混みが少ない日に休める方がお得な気がしますので、役職者ではありますが、あえて祝祭日や連休は職員を休ませて他の平日でお休みをもらうというパターンが多いです。

そんな訳で世の中連休でしたが、やはり月曜日というのはどんよりと体が重いですね。今日は有料老人ホームの夕食の担当に穴が開いたので夕食もつくってようやく仕事が終わりました。
今週は土曜日までの5勤なので疲れすぎないようにしないといけませんね。

そんな感じで帰宅してからぼーっとしてテレビを見たりネットを見たりしていると、こちらの記事が目に飛び込んできました。

ユニクロはあまり行かないのですが、マクドナルドはたまに行くのでいつも気持ちのよい接客でついつい勧められるままにサイドメニューなど追加で買ってしまう僕ですので、人材育成がすごいな、といつも思っています。
ほとんどがパートさんだと思いますし、学生から主婦の方まで様々な年齢層が一定基準以上のサービスを提供してくれています。
介護の仕事とは単純に比較にはなりませんが、それでもサービスの標準化という部分では、基本的な接客マナーなどは介護業界でも取り入れられる仕組みだと思いますので、マクドナルドの育成マニュアルなど見せてもらえないものか・・・と思ったりしていましたので、そういう育成の場面で活躍された方のお話は勉強になると思います。

有本均さん(以下、有本): 最大の共通点は、「グローバルなチェーン展開」のために 「優秀な店長が数多く必要」 であることです。

サービス業において「店長」、つまり現場リーダーは極めて重要な役割を担っています。店長の良し悪しが企業の業績に直結するからです。優秀な店長に必要な要素は3つに収斂します。 「お客様満足度」に強いこだわりを持っていること、「数字」に強いこと、「人間力」を持っていること。

マクドナルドもユニクロも、これらを兼ね備えた人材の育成を目指してきました。

BiZHiNT

ああ、やはりそうか・・・。そうですよね。
現場リーダーは極めて重要というのは非常によくわかります。
そして、介護の現場ではこのリーダー層の育成が後手後手になっている実感があります。

優秀な店長に必要な3要素が出てきました。
お客様満足度に強いこだわり。
数字に強い。
人間力を持っている。

これまで見てきた中で、やはり良いリーダーだなぁ、と思える人は、上記の3つの要素を持っていました。
惜しいリーダーは、数字に弱かったり、個性が弱かったり・・・というイメージですが、総じてお客様満足度へのこだわりは持っているように感じました。
まぁ、そうでないとリーダーには慣れませんよね。

米マクドナルドの創業は1955年です。全世界にチェーンを広げ、3万店という規模まで成長しました。その過程で人種、国、宗教など様々な違いを受け入れ、企業文化を多様化させていきます。

企業が成長するために何より大事だったのは、従業員の多様性を受け入れ、価値観の違いを認めること でした。その土台がある上で、業務を一生懸命にやってもらう。マクドナルドの根本には「人を大切にする」という考え方があります。そこから人材育成の仕組みに落とし込んで行くのです。「人にフォーカスした人材育成」は、今でも変わらずに続いています。

BiZHiNT

マクドナルドで凄いなぁと思うのは、海外の育成マニュアルがちゃんと日本でも機能しているとい事だと思っています。
そういう意味で、ずっと昔から多様性を受け入れ価値観の違いを認め合って成長してきたんだろうなぁと思います。
人を大切にする、という根本的な考え方。
人にフォーカスした人材育成というのは具体的にどんなものかは想像するしかないですが、恐らく一人ひとりの個性や成長に合わせたスキルアップの仕組みなどがあるのだろうと思います。

重要なのは、多様性や価値感の違いを認めるという土台の上に、業務を一生懸命にやってもらう、という点だな、と思いました。
どうしても業務を一生懸命やってるかどうかが先に評価されがちですが、まず多様性や価値観の違いを認めているのか・・・という部分をしっかりと見直す必要があるように感じました。

ユニクロはいわゆる「ヤナイズム」がベースでした。 柳井さんの考え方、ポリシーを徹底することに重きを置いていました。 中でも管理面、とりわけ「数字ができる」店長という点にフォーカスしましたね。ユニクロの初期は、その傾向がとても強かったです。

私がユニクロに転職した2003年はフリースブームの直後でした。売上は急成長したものの社員教育が追いついておらず、成長が一時停滞した時期です。当時のユニクロの店長研修は基本的に管理面や業務スキルに偏っていました。マクドナルドとまったく異なる人材育成のアプローチに、正直とまどいました。

BiZHiNT

ユニクロも急成長で社員教育が追いついていなかったんですね。
どこでも同じ状況っぽいですね。
介護事業の管理者育成も、ユニクロのように管理面や業務スキルに偏っているように思います。人の育て方など、マクドナルドのような人にフォーカスした人材育成については教わった事がありません。

マクドナルドのハンバーガー大学では、リーダーシップ、コミュニケーション、信頼関係など、人にフォーカスして人材を育成していました。ユニクロももちろん 「人を大切にする」ことの重要性はわかっていましたが、それをどう「育成手法」に落とし込むか が課題でした。そこで私が在籍した間に、より人に目を向けた教育へとシフトさせていきました。現在では、海外売上の方が多く、企業全体では外国人スタッフの方が多くなっています。これはそこで働く人々の価値観が多様化していることを意味します。私が在籍していた時よりも、「人を大切にした人材育成」は飛躍的に進歩していると思います。

BiZHiNT

マクドナルドでは、リーダーシップ、コミュニケーション、信頼関係といった内容で育成しているという事ですね。
リーダーシップは当然として、管理運営や管理業務云々ではなく、コミュニケーションや信頼関係という事がやはりリーダー層には必要な要素でそこをしっかり教えているという事なんだろうと思います。

人を大切にする、というのは確かに頭では理解できていても、それをどのように育成のプログラムに落としていくとかは中々難しいだろうと思います。

海外の従業員が増えてきて価値観の多様性に否応なく対応せざるを得ない状況というのは、これからの介護業界でも同じと思いますので、やはり多様性や価値観の違いを認め合いつつ人を大切に育てていく仕組みづくりは早急に実現すべき課題であると思いました。

――昨今、日本企業も「人」にフォーカスした人材育成が広がってきているように思います。

有本: そうですね。もう30年以上前になりますが、高度成長・バブル期には放っておいても業績は伸びていきましたし、終身雇用が当たり前でした。人材の流出もほぼありません。 誤解を恐れずに言えば、人を大切にしなくても、社員は辞めなかった のです。

しかしそこから時代は変わり、業績が芳しくない会社が増え、社員の離職はより自然なことになり、「転職」が当たり前になっていきます。従業員数が少ない会社であれば、離職は経営に大きな打撃となります。「離職率を下げなければダメだ」という認識が経営者に浸透していきました。こうした変化によって「人を大切にする」ことがフォーカスされていきます。

ここ10年、人材育成の傾向は業態に関わらず「人」です。価値観が多様化し、海外からの労働力が増えていることも、その流れを加速させている要因ですね。

BiZHiNT

転職が当たり前、というのは当然ですよね。
人材不足の世の中で、働ける職場はいくらでも選べる時代になってきました。
人を大切にする事ができない会社や事業所は、当然淘汰されていく事になると思います。

――企業における「人材育成の重要性」が増してきているということですね。

有本: これには、採用難が大きな要因としてあります。 人の入れ替えで会社を成長させる手法は、合理的ではなくなった のです。企業の情報が簡単に入手できる時代においては、働く人に選ばれる会社になることが求められます。ブラック企業や過労死の問題もクローズアップされ、法律も整備されつつあります。

経営者には、 会社のすべてをガラス張りにするくらいの意識と行動がなければ、今後「優秀な人材からは選ばれない」ということに気付いてほしい ですね。

BiZHiNT

育成が重要だ。リーダー層の育成を特に急ぐ必要がある。
こういう提案は結構前からやってきましたが、当法人では全く動きがありませんでした。
その間にどれだけのリーダー層が退職したかと思うと、なんとかならなかったのか・・・とも思います。だからといってそういう方向にシフトできていたとしても退職は減らなかったのかもしれませんが、そういう取り組みから次の課題や道筋は見えたと思うので、人材育成に対して何もアクションを起こしてこなかったこの数年間については、本当にもったいないと思います。

ガラス張りの経営というのはずっと前から言われていましたが、介護の業界でのガラス張りの経営ってどこまで進んでいるのでしょうか。
現場の意見やリーダーの意見が経営層まで届いていないような気がします。

そういう意味では、介護報酬を決める役人さんとの距離も遠いですよね。
介護をよくするには、全体的にガラス張りにしていく必要もあるように思います。

――とはいえ、「特性として離職率が高いとされる業界」もあります。飲食やアパレルなどです。経営者はどういったことを考えるべきでしょうか?

有本: 答えはシンプルです。 まずは法律に則った労働環境。そして教育。さらに、評価です。 まずこの3つの柱をしっかりと形にすることだと思います。

私は「人材育成は50パーセントが教育、50パーセントが評価」と考えています。人を育てるためには、教育と評価の2つは不可欠です。教育にばかり力を入れる企業が多いですが、働く側にしてみれば、 適正な評価・見返りがないと頑張ろうという気にはなりません。

本当に成長してもらいたければ、良い所・悪い所含め、きちんと評価することを避けて通ることはできません。 「教えるだけ」では不十分 なのです。

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法律に則った労働環境と教育と評価、この3つの柱を具体化する事が重要という事ですね。離職率の高いとされる業界ですから、当然介護業界も入っていると思います。

労働環境については、24時間365日仕事があり、少ない人数でなんとか業務を回さないといけないのでやはりどこかで無理が出ていると思います。
職員を守るのであれば残業させずにどうすれば業務が回るかを会社がちゃんと考えないといけませんし、現場の実態をちゃんと見ていないとそういう問題は見えてきません。
タイムカードを打刻してから仕事していないかなどは、ちゃんと現場を見ていないとわかりませんから。
業務量が減らないのに残業が減るわけがないのに、残業が減ってきたらおかしいと思わないといけないのに、数字の報告だけきいて安心していてはどうにもならないと思います。

教育と評価のセットは本当に重要ですよね。
記事でもあるように、研修とか熱心にやっている事業所はありますが、そこで得たスキルを活かしたとして、それを評価できる仕組みもなければ、評価したとしても言葉だけで給料は上がらないとか、そういう状況だと思います。

介護業界だから余計にそうなのかもしれませんが、賃金での評価を求める事自体がタブー視される傾向がありますが、それじゃあ頑張れませんよね。
評価は賃金で行われるべきです。

教えるだけでは不十分で思いいたるのが、リーダー層の教育育成については、本当に教えるだけの事が多いように感じます。
後はほったらかしで問題が起こったら責められる感じ。
これだとそりゃリーダー層が育ちませんし、リーダーやりたいと思う後継者が出てこないのも当然だと思います。

有本: 飲食に限らず、チェーン展開をするサービス業での人事評価は難しいところがあります。従業員をバラバラに配置するため、上長が管理しづらいからです。 評価する側がいつも一緒にいるわけではなく、物理的に従業員を見られない。 これが、サービス業で評価が定着しづらいひとつの理由です。

評価するにあたっては、数字で評価できる部分とできない部分の両面をチェックすることが求められます。数字絶対主義という方もいますが、数字だけで人の成長を測ることはできません。数字で表せない部分、例えば「クレーム対応が上手い」などの評価項目をしっかりと入れておく必要があります。

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サービス業が評価しにくい原因ですね。物理的に従業員を見られない。
介護の仕事は数字では評価しにくい事ばかりなので、たしかに評価の部分での整備が遅れてしまうのは当然かもしれません。

数値化できない評価項目の整備が、介護業界では急がれますね。
キャリア段位制度での評価は、具体的に何ができるか、という部分を評価していきますが、それも評価期間中の内容なのであまり正確ではないような気がしていましたが、こういう普段の仕事の内容を評価できる仕組みができればいいな、と思いました。

この項目出しでとまどう場合には、日常の感覚をベースにしてみてください。例えば「最近あの人、仕事ぶりがいいな」と感じる瞬間がありますよね。 「いいな」「だめだな」と思うのは、実はその時点で評価しているということなんです。そして大抵の場合、それが正しい。 なぜなら現実に起きていることを見て、自分で判断しているからです。良いか悪いかの判断は誰でもできますよね。それを評価という形に変えて、「伝える」のです。

BiZHiNT

なんだか分からないけどいいね、という評価でも本人に伝える事が重要そうですね。
それいいよ、今のよかったね、とかそういう感じで、僕がいいな、と感じた事は積極的に伝えていく事が大事という事ですよね。

有本: 教育・評価制度の理解や運用が進んでいる会社は増えてきたものの、そこから「独自の教育制度の構築」まで行くのは本当に大変です。例えば、マネージャークラス向けにリーダーシップの研修をやりましょうと決めたところで、その研修内容を作成できる社員や講師がいなければ何の意味もありません。 思いつきでやったところで、今度はそれが続かなければ、制度・仕組みにはなりません。

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講師になりえる人材が自社にいればいいのですが、そもそもそういうリーダー層やマネージャー層の育成経験がない組織だと、自前での研修というのは無理がありますし、その先の評価も難しいですよね。
しかし、やらないと前に進まないので、どこまで何かしらのアクションは起こしていかないと生き残れないと思います。
制度や仕組みにまでしていくには、何度も何度も繰り返して続けていく必要がある、というのは、こういう育成評価に限らず、どのような業務であっても同じですね。

離職率が高いとされるサービス業での成功例でいえば、串カツ田中さんの「串カツ田中アカデミー」でしょうか。社員の階級別に研修を行い、接客シーンなどの実践を想定した教育を実施されています。我々がお手伝いしながら作りあげていきましたが、今では全ての講座を内製化し、社内の方が講義を行う形で自走しています。

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社員の階級別に行う研修というのは重要なポイントだと思います。
それぞれの到達レベルに応じた内容でないと実践的な内容になりませんよね。
いろんなレベルの職員を対象にして研修をすると、どうしても低い方に合わせた内容になってしまいますから、階層別はいいと思いました。

ただ、その階層別も、ちゃんと評価して階層を分けていないと意味がないので、やはり評価をしておく、という部分は非常に重要だと思います。

有本: 例えばマニュアルは、文字より動画のほうが圧倒的にわかりやすいです。特にサービス業では、オペレーションを動画で見せることで、ストレートに伝わります。「グローイング・モバイル」では、動画を自分で作ってアップロードすることもできる機能が好評で、本当に多くの場面で使われています。

マニュアルを定着させるための教育に一度動画を活用してしまうと、もう紙のマニュアルに戻ることはないと断言できます。 世界的にもこの流れは変わりません。私がマクドナルドでアルバイトしていた1975年頃、すでにアメリカのマクドナルでは動画のオペレーションマニュアルが導入されていました。それが今や、世界中に広がっています。

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動画のマニュアル・・・と聞いてピンとこない状態の僕ですが、マニュアルといえば紙ですが、本当にあるだけマニュアルなんですよね。
こんな時にどこを開けばいいのか分からない事も多くて、それなら詳しい人に聞いた方が早い、となるんですよ。
いずれ紙のマニュアルはなくなって、チャット形式でアンサーが出るようなマニュアルになっていくのかなぁ・・・なんて思ってましたが、世界は動画のマニュアルなのか!と衝撃でした。

1975年といえば僕が生まれた年ですよ。
そんな頃から動画のマニュアルが導入されていたとは・・・。
やはりこれからは動画をいかに活用できるかも重要ですね。

有本: もちろん、対面での研修が有効なものはあります。例えばロールプレイングはフェイスツーフェイスでやらないと実践力が身につきません。オンラインでは基本的な情報を伝えることやディスカッションはできますが、複雑な作業・コミュニケーションとなると難しいですよね。

大事なことは、 これまでリアル一辺倒だった教育を、合理的・効率的に進めるために、オンラインと使い分けること かと思います。

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基本的な接客や基礎学習的な研修は動画で、認知症の対応などの研修は対面形式という感じでしょうね。
あとは理念とかも動画でもよさそうですけど、熱量を伝えるには対面がよさそうな気もします。

何でもこれだけ、という事ではなく、上手に使い分ける工夫が必要という事ですね。

コロナ禍の影響だけでなく、ビジネスの形やそこで働く方々の価値観はDXによってどんどん変化しています。 社員教育や研修といった「社員の体験」についても、DXによって変化するのはごく自然な流れ だと思いますね。

BiZHiNT

こういうDXにいかに対応していくかが本当に問われる時代になってきたのだと思います。

DXは、デジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation)の略です。「DT」ではなく「DX」と表記されるのは、英語圏では交差するという意味を持つ「trans」を「X」と略すことがあるためといわれています。
DXという言葉を最初に用いたのは、スウェーデンのウメオ大学のエリック・ストルターマン教授です。2004年に発表した論文の中で同氏は、DXについて「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」と記述しています。

DXとはデジタル技術を活用してビジネスを変革するもの/三井住友銀行

DXってなんだ?と思って調べてみると、こんな感じの内容のようです。

これだけ人材不足で専門性やサービスの質の向上も課題になっている介護業界で、国が決めた介護報酬内で経営するしかない状況ですから、このようなDXを活用した研修や制度の導入については、きちんと補償するなりの制度を作ってフォローしてくれないと業界全体で進んでいかないと思いました。

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