二日酔い朝、ご飯一口食うだけでも違う

支店の2階で米出荷組合の役員総会が終わった後、支店へ迎えに来た割烹まきた亭さんのマイクロバスに乗ってお店へ移動。

総会後懇親会は、支店長にダメ出しを食らいまくりながら、どうにかこうにか、宴会の進行と最後の締め、そしてバスの出発についての案内と、無事に乗車をしてもらって見送り、忘れ物の確認を終えた。

沢渕俊一さんだけバスに乗らず、宴会場で待っていた。

そこからは2次会。

まだ60代半ばでスポーツマンの沢渕俊一さんは、釘有支部の米出荷の役員で、監事もしていただいている。

ちなみに支店長はそのままバスに乗って帰っていった。

割烹まきた亭さんにタクシーを呼んでもらい、車で移動。

沢渕さんが「鉄火巻きが、うんまいんだ!」と、おススメの小料理屋「かわせみ」へ。


・・・電車で起こされた。

時計を見る。午前1時12分。

記憶が無い。

いや、思い出せる、鉄火巻きを食べて、差し向かいで日本酒を飲んで、駅までお店の車で送ってもらって・・・・

お客さんと別れて、一気に気が抜けてしまったらしい。

駅員さんに促されながら改札を出て、終点の相名(あいな)駅は、1件だけあるコンビニが明るく目立ち、あとは真っ暗。

とりあえずコンビニに寄り、トイレを借りる。

完全に酔っぱらった。気持ち悪い、頭も重い、泣きたくなる。ちょっと泣いた。

明日も仕事だ。でも、もうタクシーもない。

缶コーヒーを買い、コンビニを出た。

徒歩で家までは3時間以上はかかる。始発を待つしかないか。

体の代謝が悪いのか、寒気がする。

周辺にベンチが無かったけど、駅の階段横に証明写真機があった。

始発まで、そこに座って待つことにした。

壁にもたれかけながら、少しでも体調を回復させようと仮眠する。

たびたび起きて体制を変えながら、4時間もの間、悪戦苦闘。

電車の音が聞こえた。

1歩ずつ、のそり、のそりと証明写真機を出て、階段に向かう。

気持ち悪い状態が続いている。悪化したような気もする。

そのとき、ふと、以前に支店長が言っていた言葉を思い出した。

「二日酔いの時は、おにぎりとか、ご飯を一口だけ食うだけでも、あとが違うんだよなぁ」

階段を上る前に、もう一度コンビニに立ち寄る。

僕の好きな焼きシャケおにぎりとモーニングショット、南アルプスの天然水を買った。

全く食べる気がしない。口に入れたら吐いてしまいそうだ。

駅のホームのベンチに座り、始発の電車のドアが開くのを待ちながら、おにぎりのフィルムを開き、頑張って一口、食べた。

缶コーヒーで流し込む。

メインの具、シャケには一口目で届かなかった。

もう一口。シャケの塩味を感じた。うまい。

なんだか、一口や二口で食べなくなったらもったいないと思い、よく噛みながら缶コーヒーと共におにぎりを全部食べきった。

水を一口飲む。

証明写真機を出た時より大分良くなった。まだ、頭は痛い。

電車に乗って、念のためスマホのアラームを掛ける。

寝過ごさずに、無事に地元の駅で降りられた。

頼るのも嫌だけど、背に腹は代えられず、母に電話し、迎えに来てもらった。

帰宅後すぐ、お風呂に入る。

熱めのシャワーを首筋に当てると良いと、昔テレビで見た。

当ててる間は頭痛が和らいだ。

なんとか仕事に行けそうだ。

まずは沢渕さんの家に行って、昨日の2次会の支払いの事を聞かなければ。

財布を見るに、おそらく自分で支払いはしていない。

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