「営業車のオイル交換いつした?」

来週、監査課が回ってくるらしい。

渉外は、日報と組織のファイルだけ、前もって準備する。

受取書や証憑綴り(ショウヒョウツヅリ)とか、融資や共済、経済関連の書類は、窓口職員と役席が当日に合わせて徐々にチェックしながら揃えていく。

監査は、「外部の監査」と「内部の監査」の2タイプある。

同じ農協の職員で構成される監査課が行うものと、うちの農協以外の組織(連合会や金融庁とか)の外部から来た人たちで行う監査。

そして、やり方は「通告監査」と「無通告監査」の2方式。

通告監査は、日にちが指定されている。

無通告監査は日にちを教えてもらっていなくて、朝、出勤してきたときに、すでに監査の人たちが入り口で待っていて、入室から全て同行し、金庫やキャビネット、机などのカギの開錠から個人情報から現金などなど、全て抜き打ちでチェックしていく。


今回の監査は、同じ職員の監査課の人たちによる、通告監査だ。

通告監査は、「何もなくて当たり前」と言われている。

何も、指摘されることが無い。それが大前提。

だから、監査課から事前に指定されている書類は、前日までに全てを揃えて準備しておく。

次長が

「江藤、オイル交換は最近やったか?」

と言った。

「オイル交換ってなんですか?」

「営業車のだよ。お前の乗ってる」

「やってないです。どこでやればいいんですか?」

「いや、いつも給油してるガソリンスタンドだよ。

ん?ちょっとまて。

じゃぁ、この車両月報の、4か月も前のままやってないのかよ」

なにぶん3ヵ月前に免許を取ったばかりで、若葉マークで走っている超初心者だ。そこは早めに教えていただきたかった。

車は定期的にオイル交換をしないといけないなんて、この時まで全く知らなかった。

監査では車両の管理とかも、当然チェックされる。

すぐさまガソリンスタンドへ電話をするように指示され、夕方に約束した。

3,000km~5,000kmぐらいごとか、3~4ヵ月ごとにオイル交換をし、オイル交換の2回に1回はエレメントというフィルターの交換もしないといけないそうだ。

しかも、それをやったら、車両月報に記録をしなければならない。

営業車の管理は渉外の仕事の1つだ。

先月までは、前回の内容をそのまま引き継いで、走行距離と給油量のみを更新しているだけだった。

3ヵ月後くらいにまた、オイル交換が必要だ。

・・・忘れるな。うん、絶対に忘れる。


スマホを取り出し、声を出す

「OK GOOGLE!!」

「3ヵ月後の今日、オイル交換 と、スケジュールを入れて!」

「保存しますか?」

「はい」

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