例えば、あの夢を追っていたら 映画『映画大好きポンポさん』
こんな人にオススメ
映画、アニメが好きな人
自分の夢ともう一度向き合いたい人
アーティストの花譜が好きな人
最近だと『バビロン』や『フェイブルマンズ』(『フェイブルマンズ』はまだ観に行けていません;;何としてもスクリーンで観たいです…)が映画を題材とする映画にあたると思います。今作も映画づくりをテーマとしている点でそれらの作品と似ていますが、かわいいタッチのアニメで抜群に観やすくなっていると思います。なによりも、1時間30分でサクッと観られることが一番の魅力な気がします^^ 特定のコンテンツ(しかも制作)にフォーカスした作品は、個人的に元から興味がないとハードル高めに感じてしまいます… そこが親しみやすいアニメーションとお手軽な上映時間で和らげられ、映画に馴染みのない人も楽しめる映画になっていたと思います。
あらすじ
大物映画プロデューサーの孫で自身もその才能を受け継いだポンポさんのもとで、製作アシスタントを務める映画通の青年ジーン。映画を撮ることに憧れながらも自分には無理だと諦めかけていたが、ポンポさんに15秒CMの制作を任され、映画づくりの楽しさを知る。ある日、ジーンはポンポさんから新作映画「MEISTER」の脚本を渡される。伝説の俳優マーティンの復帰作でもあるその映画に監督として指名されたのは、なんとジーンだった。ポンポさんの目にとまった新人女優ナタリーをヒロインに迎え、波乱万丈の撮影がスタートするが……。
満足感抜群の1時間30分
可愛らしく観やすいアニメーション、意外に深くまで切り込む映画作りの裏側、最高のタイミングで流れる鳥肌ものの挿入歌『例えば』、多くの人に刺さるメッセージなどなど、書ききれないほどの魅力がギュッと凝縮された1時間30分です^^ アニメ映画でオススメを聞かれたら、迷わず今作をお勧めしたくなるぐらい満足度の高い作品でした。これを期に原作も読んでみたいです…
映画づくりのこだわり
作中語られるポンポさんの映画づくりノウハウ?(こだわり?)が今作自体にも活きていて、様々な工夫を探しながら観る楽しみ方もできます^^ 分かりやすいところでは絶妙なキャスティングや飽きさせない編集、上映時間などでしょうか。特に声優陣のハマり役具合は印象的です。主人公ジーン役を演じた清水尋也さんは、声優初挑戦とは思えないぐらいキャラクターのイメージにピッタリの声でした。映画づくりの楽しさに触れるただの青年ではなく、負の感情も必死さもしっかり伝わってきました;; クライマックスの叫びは泣けます… 新人女優ナタリーを演じる大谷凛香さんは、最初こそそこまでピッタリだとは思っていませんでした。ですが、ストーリーが進むにつれて彼女の声以外あり得ないと多くの人が思うはずです… 観ていない人は、自身でその理由に気づいてほしいです^^
『例えば』
花譜が歌う挿入歌『例えば』(花譜自体2,3年ぶりに聞いたんですが、すぐに分かりました。本当に特徴的で記憶に残る歌声だと思います…)は映画の内容にバッチリ噛み合っていたのはもちろん、歌詞からいろいろ考えてしまいます。
この曲と映画では、ただ夢を追う後押しをするわけではなく、そのために犠牲にしなければいけないものもたくさんあると教えてくれている気がします。例えばあの学校に行っていたら、例えばあの仕事に就いていたら、例えばあの夢を追っていたら… 私ももっと早く自分のやりたいことに向き合っていたらと後悔することがありますが、そこで犠牲にするものに耐えられたのかどうかは分かりません。だから「歩くしかない」のかも。夢を変えてきた人(昔の選択を後悔している人)にとってこの映画は、例えばの自分に踏ん切りをつけて、前に進むきっかけになってくれると思います。もちろん一途に夢を追う人にとっては、パワフルなエールとして響くはずです(多分こっちの受け取り方の方が健全です笑)。
最後に
カワイイ見た目に反して、映画づくり/夢をテーマとした重みのある物語は深く刺さりました… 私も犠牲に構わないぐらいの熱量で「これが私の夢だ!!」と言えるものがほしいです…
最後まで読んでいただきありがとうございました!!
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