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その法廷には、悪魔がいる。 映画『ディアボロス 悪魔の扉』


 

ポスターから禍々しい雰囲気抜群の弁護士×悪魔?スリラー。
あまりカテゴリを決めつけたくないぐらい、観る人によって解釈が違くなる作品だと思います。
『コンスタンティン』が好きな人にこそ観て、混乱してほしいです^^

あらすじ

フロリダ州の若手弁護士ケヴィン(キアヌ・リーヴス)は法廷での無敗記録を伸ばし続けていた。妻のメアリー・アン(チャーリズ・セロン)らと祝杯をあげていたケヴィンはNYのミルトン法律事務所からスカウトされる。事務所の社長ジョン・ミルトン(アル・パチーノ)に見込まれたケヴィンは役員待遇で迎え入れられた。世界を相手にビジネスをしている活気のある事務所、用意された豪壮なマンション、都会的な洗練された隣人たち。若い夫婦の未来は明るいかに見えた…

大都会×悪魔?

『ディアボロス』というタイトルのおかげで、劇中のあらゆる場面に悪魔が絡んでいるように観えてきます(^-^;
有罪でさえ無罪にしてしまうシーン、妻がいるのに他の女性に目移りしてしまうシーンなど、視覚的な表現がないとしても、なんとなく悪魔の影を感じてしまいました…

そして今作は「悪魔のような何か」が出てくるシーンでさえ、その正体をはっきり教えてくれません。

実際に悪魔なのかそれとも登場人物たちが観ている幻覚なのか、はたまた都会に魂を売った人々を揶揄した表現なのか…ここがはっきりしていないからこそ、最後の最後まで頭をフル回転させて観ることが出来ます^^
観終わっても私の中で結論は出ていません笑

キアヌ・リーブスVSアル・パチーノ

ケヴィンが正義と勝負、妻と仕事に板挟みにされる姿は観ていて苦しくなってきます。重圧、成果、上司との関係、家族関係など、現実でも重なるところが多いキャラクターなんじゃないでしょうか…;;

一方、悪魔的なささやきで彼に決断を迫るミルトンは、魅力がありつつ裏も感じさせる、魔王のようなキャラクターです…
終盤、ミルトンがケヴィンに対して心底楽しそうに説教するシーンは、一見の価値ありだと思います^^

先に書いたこの作品上の「悪魔のような何か」がはっきりしていないことに加え、この二人の関係もかなり流動的で見応えがありました。

ここから映画『ディアボロス 悪魔の扉』のネタバレを含みます。ご注意下さい。

 


この映画の正体?

ここまで書いてきた要素のおかげで、最初から最後までこの映画が何だったのかははっきり分かりませんでした;;
強いて言うならそもそもこの映画だけで完結する作品ではなく、現実社会と照らし合わせて楽しむ映画だった気がします。

  • 会社の不正

  • 不都合な事のもみ消し

  • 整形

  • 浪費癖

  • ワーク・ライフ・バランス

  • 浮気

  • 一部が利益、権力を独占する企業もしくは社会

などなど、人間の虚栄にまつわる悪い部分を悪魔として描いていました。
ラストでもう一度ケヴィンの人生が始まり、ミルトンが第四の壁を越えて虚栄について話しかけてきた時は、驚いたと同時にこの映画の正体が少しだけつかめた気がして安心しました笑

最後に

弁護士×悪魔というどう考えても化学反応が起きる組み合わせはもちろん面白いんですが、それ以上に現実の問題をちりばめまくったうえで物語が成り立っていることに驚きました…

この映画を観て何を受け取ったのか、どういう結末だったのか考えることで完成する映画なんだと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました!!

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