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【映画感想】新世界の開拓者となり得るか 映画『オブリビオン』
この記事は映画『オブリビオン』のネタバレを含みます。ご注意下さい。
『トップガン マーヴェリック』を観に行きたかったものの、あまりの暑さに断念。トム・クルーズ出演作を調べていたところ、昔テレビでやっていた今作を見つけて改めて観ることにしました。
あらすじ
地球外からの侵略者との戦いで地球は荒れ果ててしまった。勝利は収めたものの地球を放棄せざるを得なくなった人類は、宇宙ステーション「テット」へ移住する。主人公ジャックは人類の未来のため、エネルギープラントの警備に従事する。
ジャックの憧れ
序盤のドローンを修理するシーンでは、ジャックが崩壊したアメフトスタジアムで子供の様にはしゃぎます。宇宙ステーション「テット」の司令官とヴィクトリアは元の地球に対して何の言及もしませんが、ジャックは対照的に強い憧れを見せます。
特徴的なデザイン
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ジャックの住む家、飛行船?、ドローンはどれも白を基調として丸みを帯びた形をしています。ドローンもジャックにとって脅威のように描かれますし、地球において異物であるように感じます。
「チームワークに問題はないわね。」
ヴィクトリアとテット司令官の会話は全く同じフレーズが使われたり、微妙にかみ合っていないことがあります。上述の2つの違和感と合わせて、何かがおかしい、漠然とした不安を抱えながら見ていました。
物語が加速する楽しさ
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中盤には、ずっと抱えていた不安の答え合わせが一気にできます。特に妻との記憶を思い出していく場面では、ただ告白するのとは違う驚き、感動があります。
大迫力のドッグファイト
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ドローンとのドッグファイトは大迫力で最高でした。『トップガン:マーヴェリック』へのモチベも上がります。今週絶対観たいです…
「〇〇の夢を見て」
作中で何度か出てくる言葉です。最初のジャックや他のクローン達は記憶を消され真実を知りません。現実を知らずに生きているいわば夢遊病状態です。妻の記憶(夢)を見ていたことによって、49号は夢遊病状態から抜け出すことが出来たのではないでしょうか。ジャックとジュリア2人の絆が目を覚まさせたと考えると面白いです。
終わり方が少し…
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テットに乗り込んで自爆する際、ジャックはホラティウスの話をします。
「ホラティウスという男がいて橋を守り敵軍と戦った。彼はこう言った」
「”理想の死とは苦境と対峙し…命を祖先の霊と…神々に捧げること”」
この言葉は何度も作中に出てくるのですが、自爆する動機としては弱い気がします。妻や人々を守るためではあるのですが、ジャックの葛藤のようなものをもう少し見たかったです。これだとかなり乗り気で自爆してるように見えてしまいました。
加えてラストシーンの52号がジュリアと子供に会うシーンは、かなり急ぎ足だった感があります。いくら同じ思考、同じ容姿だとしても、私達にしてみれば何をしていたのか全く見せられていない訳で、いきなり出てきて「僕はジャック・クーパー」は個人的にすっきりしませんでした。
番号の意味(考察)
ジャック49号の49はアメリカでゴールド・ラッシュが起きた1849年に由来するのではないでしょうか。多くの開拓者、フォーティーナイナーズが富を求めて開拓した年です。ジャックも本来の自分を取り戻し、人々の未来を切り拓く開拓者(フォーティーナイナー)だったのでしょう。
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そして52号について、1852年の出来事を調べたところ、ストウ夫人の『アンクル・トムの小屋』が出版された年でした。この本は奴隷制の廃止を訴える内容のもので、世界史の授業でも取り扱われるほど有名です。テッドの奴隷であった52号は、3年(49-52)を経て解放されたと考えると面白いのではないでしょうか。
最後に
とんでもない世界観に説得力を持たせる映像美に怒涛の伏線回収、アクションシーンもしっかりあって満足感の高い作品でした。最後の方はやや説明不足に感じましたが、トム・クルーズも安定してかっこいいですしかなり楽しめました。
最後まで読んで頂きありがとうございました!!
画像の出典
Vagebond's Movie ScreenShots: Oblivion (2013)
【オブリビオン】映画のネタバレ・あらすじを分かりやすく解説! | ユーリのおすすめ映画館 (yuri-movie.com)
オブリビオン (2013) - 背景画像 — The Movie Database (TMDB) (themoviedb.org)
Who created the TET in Oblivion? - Science Fiction & Fantasy Stack Exchange
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