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【映画感想】いろんな栄養が摂れる短編西部劇6本集 Netflix映画『バスターのバラード』

昨日観た『トゥルー・グリット』がかなり面白かったので同じコーエン兄弟が作った本作も観てみることにしました。

短編を越えた繋がりはなく、どの話も違ったテイストで楽しめます^^
一部まあまあグロい場面もあります(^-^;

この記事は映画『バスターのバラード』のネタバレを含みます。ご注意下さい。

 

作品解説

「ノーカントリー」のジョエル&イーサン・コーエン兄弟が製作・監督・脚本を手がけた西部劇アンソロジー。「オー・ブラザー!」のティム・ブレイク・ネルソンが陽気な凄腕ガンマンを演じる表題作をはじめ、ブラックユーモアや皮肉を散りばめたバラエティ豊かな6話で構成。

バスターのバラード

 

タイトルにもなっている一番最初の短編。
主人公バスターは歌がめちゃくちゃ上手い凄腕ガンマンで、第四の壁を越えてどんどん話しかけてくるかなり振り切ったキャラクターになっています笑

バスターの歌を中心に話が進み、しっかりしたガンファイトもありつつミュージカルのような印象も受けました。
人が倒されても明るく歌う姿はブラックユーモアと捉えるか悪趣味と捉えるか少し別れそうですけど;;

速い者とより速い者

アルゴドネス付近

銀行強盗に失敗して縛り首にされそうになった男の話。
短い時間で二転三転するストーリーはかなり面白かったです。
結局銀行の近くにあった汚染水の井戸は何だったのか気になりますが…

この話は何といってもラストの『初めてか?(=First time?)』というセリフが全てでした笑

 

海外ではこのセリフがミームになるくらい擦られてるみたいです。
私は昔に画像だけ見たことがあって元ネタを知らなかったので、少し感動しました笑

正直者と罪人

食事券

 

これまでの二本と比べてかなりじめじめした暗い雰囲気の話です;;
見世物として働く四肢のない語り手とその雇い主(リーアム・ニーソン)の絆を描いた話かと思いきや…;;

観客が少なくなるにつれて生気が抜けていく語り手の様子は観ているのが辛くなります…
本作で一番精神衛生上よろしくない話でした。

共存関係

金の谷

 

お爺ちゃんがもの凄い努力で金脈を掘り当てる話。
のどかな自然に囲まれた場所で話が進むので、ラスト以外リラックス効果抜群だと思います笑
あの山の中で食べる目玉焼きと川魚は絶対美味しい🤤

唯一ハッピーエンドと言える終わり方でいい箸休めになった気がします^^

自然を享受する者

早とちりの娘

 

「自分の意思を持て」と周りに言われてきた優柔不断な娘が早まった決断をしてしまうラブ・ロマンス要素も含んだ話。

焚火を囲んでロングボウ(娘)とビリー・ナップ(カウボーイ)が話す『確かな物』の話はずっと聞いていられるぐらい心地いいです^^
西部開拓時代ならではの恋愛模様も独特の面白さがありました。

話が始まる前の「アーサーはビリー・ナップに会わせる顔がない」というナレーションからも不吉な予感はしていましたが、なかなかやるせないラストでした;;

決断する者としない者

遺骸

 

馬車の中の5人がただ話すだけの話。
これまでの短編5作品に少し絡んだような、人間に関する話が繰り広げられます。
5つの短編集の最後に5人(と死体一つ)ですから何とか繋がりを見つけたかったので、ストーリーと人々を結び付けてみます。

『バスターのバラード』いつまでも一番ではいられない→馬車上の死体

『アルゴドネス付近』正直者と罪人→老婦人

『食事券』共存関係→賞金稼ぎ二人組

『金の谷』自然を享受する者→猟師

『早とちりの娘』決断しない中庸の立場→フランス人の男

最後に

西部開拓時代を舞台にいろいろな感情を引き出してくれる作品群です。
リボルバーの弾よろしく心に打ち込まれる6本の短編は人の死という分かりやすい幕引きによってズルズル引きずることがないよう上手く”貫通”してくれます^^

最後まで読んでいただきありがとうございました!!

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