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【映画感想】人は皆何かを待っていて、その時は必ずやってくる。その良し悪しに関係なく… 映画『ターミナル』

実際に同じような境遇に陥った人物をモデルとして、かなり明るくアレンジした作品らしいです。

確かに故郷に帰れず空港からも出られないというのは実際にあったらとんでもないストレスだと思います;;

観るなら言語によるすれ違いがストレートに分かる字幕の方がおすすめです。

この記事は映画『ターミナル』のネタバレを含みます。ご注意下さい。

 

あらすじ

東欧の小国クラコウジアからやって来たビクター・ナボルスキーはニューヨークのJFK国際空港に降り立つが、入国手続きの直前に祖国でクーデターが起こり、パスポートが無効になってしまう。アメリカへの入国を拒否され、祖国にも戻れなくなった彼は、仕方なく空港ターミナル内で暮らし始める。最初は言葉すら通じず苦労してばかりのビクターだったが、独学で英語を身につけ、ターミナル内の従業員たちとも親しくなっていく。昇進を狙う国境警備局主任ディクソンは、そんな彼の存在を疎ましく感じていた。実はビクターには、どうしてもニューヨークへ行かなければならないある理由があった。

ビクターの人柄

 

主人公ビクターがめちゃくちゃ愛おしかったです笑
少し常識からズレているのは間違いないんですが(公衆電話の番号でバイトに応募したり)、何をするにも愚直で応援したくなります。

終盤に明かされるアメリカに来た理由やアメリアとの別れもビクターの愚直さを最後の最後まで補強してくれていました…

映画を観ている間はなんとも思わないんですが、観終わって振り返ってみるとこれだけ真面目な人は現実だと損してしまうよな…と考えてしまいます;; それぐらい現実では考えられないサクセスストーリーを違和感なく観せてくれていたということでもあるんですけどね。

人の冷たさと暖かさ

 

序盤は空港から身動きがとれないビクターに対して周囲が相当冷たく、観ていて苦しくなってきます…
誰も頼みを聞いてくれなかったり、職に就かせてもらえなかったり、時間に追われている人達の冷たさに悲しくなります。

もちろんそういった人ばかりではないでしょうが、実際の都市部の光景とどうしても重なってしまいます。
全く関係のない人にほんの少しでも時間を使えるような余裕は常に持っておきたいと思いました。

指輪は自分で渡すべきでは?笑

途中からは空港のスタッフたちを助けて文字通り人権を得ていくようになり、周りから認められていきます。

元々冷たかった空港スタッフの変わり身の早さに少しモヤっとするものの、主要メンバーや最初からついてくれていた警官(レイ)とのやりとりはちゃんと掘り下げられていて、最後まで人の暖かさに触れることが出来ました。

私もレイのような粋なことしてみたいです^^

待った先にあるもの

 

ビクターだけでなくエンリケ、ディクソン、グプタなど、多くの登場人物が何かを待っていました。
その待ち時間が終わって起こる結果もしっかり描かれています。

待ちわびていたことでもいざその時になると手放しで喜べるとは限りません… ビクターが入国するのはアメリカに来た目的を果たせるという意味では良いことですが、アメリアとの関係を諦めるという意味では悪いことでもあると思います。

待っていたことが起きるというのは、自分の中で保存している一部分が別のものに置き換わって、それ以外の部分と化学反応を起こしたり、拒絶反応を起こすようなものなんじゃないでしょうか。

最後に

最後にビクターが言う「家」は故郷のクラウコジアなのか、友人達が待つ空港なのかどちらなんでしょうか。

空港のことであれば、ビクターにとって空港がかけがえのない場所になったということだと思います。是非そっちの意味であってほしいです^^

最後まで読んでいただきありがとうございました!!

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